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2011. 3.18.Up Dated.
地震の影響を合同で

 東北関東大地震では津波の被害が甚大で、遺体の収容と被災者の支援が大きな問題となっています。
また、福島原発の異常事態発生が復興の足かせにもなっていますが、これらが収束した段階では冷静な評価も必要になってくると思います。
特にM9.0という激震に対して、建物がどのような影響を受けたのかは、今の新耐震基準の妥当性にも関係し、ひいては日本の建築物の信頼性にも繋がります。
ニュース等で見る限り、強固な建築物(REIT保有物件等)に対する地震による直接の建物の影響は大きくはないようですが、詳細な調査を待たなくては実態は分かりません。
そこで提案したいのですが、REIT保有の建築物の被害調査を合同で専門家に依頼し、国際的にも通用するレベルの調査報告をまとめることです。
これだけの大きな地震に対して、建物がどのくらい対応出来たのか、損傷はどの程度なのかは、非常に有用な資料となります。
今まで利用していたPML値に比べても格段に説得力がありますし、また海外に対しても積極的に発信すべき情報です。
勿論、国交省等が後日調査を行うでしょうが、REITは自らの保有物件に対して別途に調査すべきではないかと思います。
調査範囲は東北地方の物件が中心になりますが、これらの建築物の調査を最新の計測機器を使って行い、投資家にも分かりやすい内容でまとめレポートを作成することは、REITの将来にとっては非常に重要だと考えます。
何処が音頭を採るのか、すべての銘柄が参加するのかなどの問題も整理する必要がありますが、REITの将来をも左右する問題ですから、取りあえず意のある銘柄同士で話し合ってはどうでしょうか。
この地震によって増資中止を余儀なくされたユナイテッド・アーバン投資法人は将来の増資再開にも有用ですから、誰がということでなく先ず親しい銘柄に打診してはどうでしょう。
また、レジテンスの最大銘柄であるアドバンス・レジデンス投資法人もこういう時にこそ先頭に立って欲しいと思います。
私も会社勤務時代に阪神大震災に遭遇しましたが、この時は1週間後にポートアイランドの超高層マンションの被害調査の為に、技術者チームを派遣しました。
勿論、この時の調査がその後の復旧に大きく貢献したことは疑いがありませんし、又、建物の耐震性を理解するのに大変役立ちました。
今回の大震災は非常に不幸な出来事ですが、今後の復興の為にも、是非REITが協力して日本の国際的信頼を高められるよう努力をして欲しいと願っています。

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