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2011. 4.22.Up Dated.
節電対策

 この夏に向けて色々な節電対策が検討されているようですが、オフィスビルにも節電が 求められますので、REITやビル会社がどのような措置を打ち出すのか興味があります。
特に、REITはこの機会にLCC(ライフサイクルコスト)を意識した省ネ対策を実施するチャンスにもなります。
今のところREITから特に発表はありませんが、不動産業界の動向を見ながらという消極的な姿勢ではなく、率先して動くのがREITの役割だと思います。
REITは一般事業会社とは異なり、収益全てが投資家に帰属しますから、社会的コンセンサスの得られやすい場合は、容易に省エネ投資が出来ます。
オフィスビルで電気を使うのは、エレベーターの動力電源、空調換気設備、照明設備ですから、運行するエレベーターの間引き運転や空調温度の調節等が対策案になりますが、これらはテナントに不便を強いることになります。
一方、共用部の照明設備の節電対策はオーナー負担ですから、これを先に実施してからというのが本来の順番です。
一般家庭でさえも省エネ対策として電球交換などが想定されていますから、オフィスビルでは、LED電球や省エネ型蛍光灯への交換が必要です。特に、LED電球は白熱灯に比べて発熱量が小さくなりますから、夏場にはメリットが高くなり積極的に使いたいところです。また、オフィスビルの照明設備としては直管蛍光灯が最も多く使われていますが、これを省エネ型に換えれば製品寿命も伸びますので一石二鳥になります。
これらの措置を行った上で、テナントに対しても省エネへの協力を要請することになり、前述の省エネ型蛍光灯への交換や空調温度の調節がメインになると考えられますが、パソコンも大きな省電力手段になると思います。
通常のパソコンは常時100W前後の電力を消費していますから、これをこまめに切るというのも有効な対策です。パソコンは起動時には倍の電力を消費する為に、頻繁なオン・オフは省エネにならないという考え方もありますが、積算電力でみれば、やはりこまめにオン・オフした方が節電になります。
REITも資産運用会社によっては、既に検討中のところもあると思いますが、早い段階で方針を発表して、投資家の理解を求めることが必要です。 万が一にも、ビル業界の動向を見据えてから等というさもしい根性でないことを期待したいと思います。


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