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2011.11.25.Up Dated.
平成23年の増資実績
 
 今年は今までに13件の増資(内、1件は第三者割当増資)が行われ約2,349億円を調達しました。昨年の実績が10件(内、4件は第三者割当増資)で約1,851億円でしたから、調達金額で前年比127%の伸びになりました。
因みに、平成21年は9件(内、4件は第三者割当増資)で約900億円と過去最低水準でしたから、今年と平成21年を比べると2.6倍の規模になりました。
一部では増資が投資口価格を下げたと言うような意見もありますが、REITは増資が出来なくては成長がありませんから、増資=好材料という市場の反応を期待したい所です。
然しながら、半可通の見方では増資=マイナス材料となりますから、前掲の「増資が市場低迷の原因」と言う意見も出てきます。
勿論、闇雲に増資に走って投資口の希薄化を進めるようであれば確かにマイナス材料ですが、今年の増資を見ると、投資口簿価に近い価格で増資した例も多く、また希薄化防止の為に増資に併せて取得する資産を従前のポートフォリオNOI利回りより高い利回りにする等の工夫も行われています。
それでも、増資発表によって投資口価格が下がり、その後も低迷している銘柄もありますので、銘柄側としては手の打ちようがありません。市場が冷えていると言えばそれまでですが、理屈に合わない動きになって、それが尾を引くようでは対応策がありません。
来年には久しぶりに新規上場銘柄が出そうですが、今のような市場では不安が大きいように思えます。
不動産証券化協会(ARES)主催のJREITセミナーが11月26日に開催されます。これの効果があって少しは下げ止まりするなら良いのですが、依然として低落傾向が続くのであれば、REITは真剣に考えなければなりません。
自らがまともに評価されるにはどうしたら良いのか、どういう情報発信が必要なのかを考え、自らで工夫するという姿勢も必要です。
私も今月末と来月初旬に個人投資家向けセミナーを行います。こういう機会になるべくREITの実態を客観的に説明していこうと考えていますが、どちらかと言うと受け身姿勢の強い資産運用会社ももう少し前面に出て欲しいと思います。

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