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2012. 6.15.Up Dated.
アクティビア・プロパティーズ投資法人の上場
 
 6月13日に、アクティビア・プロパティーズ投資法人が上場しました。IPOの公募価格は予想したように46万円/口となり、また海外募集分が減少し国内向けへ振り向けられました。
この時期の海外募集は微妙だとは思いますが、概して海外投資家は配当金の上昇を期待しますから、アクティビア・プロパティーズ投資法人の場合はこの点では不利です。
発表された予想配当金は、平成24年11月期は12,296円/口(実質運用期間171日)で、平成25年5月期(運用期間182日)は15,250円/口なので、計算上は上場後の翌期の配当金は16.5%増となっています。
従って、予想では配当金が上昇する仕組みになっていますが、元々、個別保有資産の賃貸収支が発表されていないので、投資家はその裏付けが取れませんし、発表されている先の配当金を予測することも出来ません。
海外では、不明な点はリスクと考えられ、日本のように分からない事に期待を抱くという感覚が少ないようですから、これらも海外募集では裏目に出たと思われます。
その結果かどうか上場初日の終値は443,500円になりました。この投資口価格での予想配当利回りは5.92%になりますが、この利回りがどういう水準かを判断するのも現状では困難です。
保有資産の質についての精査は、不動産の質と収益とのバランスによって行われますから、収益不明では保有資産の質が良いのか悪いのか分かりません。
REITのようなインカム型投資商品では、収益は最重要判断要素ですから、配当金という最終アウトプットさえ発表すれば良いと言う物ではありません。
恐らく資産運用会社はこのような事を十分に理解せずに、古典的な疑似期待価値という不動産の見方(立地と建物を見せるだけで、資産価値の高さを期待させる手法)を前提にしてしまった感があります。
アクティビア・プロパティーズ投資法人は、原宿の神宮前交差点角に立地する商業施設「東急プラザ 表参道原宿」(2012年4月オープン)を旗艦物件としていますので、不動産の感覚であれば「これは良い」という見方になりますが、インカム投資では、どの程度の収益を生むかによって悪いという評価もあり得ます。
これは他の保有物件も同じですから、少なくとも良いと言う判断は成立せず、もしかしたら質が劣るのかも知れないという判断に傾きます。
日本の不動産業界は情報を隠したり玉虫色にしたりしておくことでユーザーの期待感を煽るという手法に慣れてしまっていますので、REITのような別の業界に出る時は、根本から考え方を変えて臨まないと上手く行かないという事なのかも知れません。

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