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2012.12.28.Up Dated.
年末の価格推移を見て
 
 12月21日に東証REIT指数が1,100ポイント台に乗り、3日連続で1,100ポイントを上回っています。恐らく年内はこの水準で終わると思いますが、年明けも例年から見ると同水準かやや上昇という傾向ですから、景気対策の内容が発表されるまではこの水準で推移しそうです。
今の状況を見ていると、投資口価格中間銘柄の上昇が目立ち、明らかに、配当利回りの調整を始めている感があります。
一部の銘柄(フロンティア不動産投資法人と大和ハウス・レジデンシャル投資法人)では急激に上がり、直ぐに戻ったりとやや乱高下の感もありますが、投資家が銘柄を選んで買い進んだ結果だとも言えます。
世界のREITの配当利回りの水準で見ると、日本のREITの5%台の予想配当率はやや弱気過ぎる感がありますので、もう少し下がっても良いとは思いますが、急激に下がると反動がありそうですから、その点は要注意です。
REITのような長期投資商品では、相場の変動を見て直ちに投資判断を修正する必要はありませんから、今の所は新政権の景気対策発表を待ち、相場が固まる段階までは焦る必要はなさそうです。
但し、最近の上昇を見て新たにREIT投資を始めようとする投資家にとっては難しい局面です。
今の相場はREITのファンダメンタルによっての上昇ではなく、株式投資と同じようにREITを取り巻く環境の変化を投資家が期待しての上げ相場ですから、期待感が萎めば相場は戻ります。特に、中間銘柄は真っ先に調整されますから、最近の上昇だけを見て中間銘柄に安易に手を出すのは問題です。
REIT自体は比較的リスクの低いミドルリターン商品ですが、実際に投資を行うとなると銘柄の選別は簡単ではありません。
本来は、銘柄別の特徴や相対的資産内容、そして資産運用の方向等をチェックする必要がありますから、事前に出来るだけ調査してから行うべきです。株式投資のような感覚で投資を行うと失敗する可能性もありますので、注意して下さい。
現在は状況が流動的ですが、もう少し固まってきた段階で、投資家セミナーを開催することも検討していますので、既にREIT投資を行っている方は、それらを参考にすることをお勧め致します。
年内はこのコラムが最後になりますので、1年間のご愛読を感謝申し上げて年末のご挨拶とさせて頂きます。 皆様良いお年をお迎えください。

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