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2013. 2.22.Up Dated.
1月の投資口取引
 
 東証が発表した投資部門別売買動向によると、1月の売買高が9,794億円と1兆円に迫る規模になり、この売買高は2007年8月(この月の売買高は1.34兆円)以来5年半ぶりの規模となりました。また、直近6ヶ月間で見ると、2012年8月の売買高4,259億円の2.3倍まで膨らみましたが、特定の投資家に偏っておらず、全ての主要投資家の売買高が8月比で2倍を超えています。
投資家別の取引内容を見ると、国内個人投資家が大幅売越しで、国内事業法人、外国法人、生損保が売越し、投資信託と銀行が大幅買越しになっています。特に、国内個人は12月・1月と売買高を膨らませながら大幅売越しになっていて、市場全体では70%程度が短期売買に偏っている感じがします。
今の相場はアベノミクス効果によって作られていますから、効果が無くなるのが何時か、潮目が変わるのはどのタイミングなのかを探りながら取引が中心ではないかと思います。

次に、REIT投資のメリットである予想配当率を見ると、2012年8月末は全上場銘柄平均で5.78%/年ありましたが、2013年1月末は4.82%/と半年で1.0%近く下がったことになりますが、12月と1月を比較すると、この間で0.5%も下げましたから、かなり急激な価格上昇が起こっています。
勿論このまま一直線に上昇するとは思いませんが、急激な上昇は何れ大幅な調整を引き起こしますから、慎重に推移を見守る必要があります。
但し、今の相場を悲観的に見る必要もなく、又楽観視するのも良くありません。何しろ政策的効果による上昇ですから、投資家はクールに見るのが賢明だと言えますが、一方で、投資法人側は増資を次々と発表しています。以前は、投資口価格が低過ぎて増資を行えなかった銘柄も、ここが増資タイミングだと見てエクイティ調達に走っています。
今後も増資は相次ぎそうですが、これらの銘柄にとっては、漸く一息付けるということなのかも知れません。
これで、厳しかった投資法人も今後の展開に自由度が増えますから、このタイミングを積極的に利用して、次の展開で市場に問うようになれば、REITにとっては良い事だと言えると思います。

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