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2013. 3.22.Up Dated.
何処まで上昇するのか?
 
 東証REIT指数が既に1,500ポイントを超えて、未だ上昇しています。
2月の売買高を見ると、1.25兆円に達していて、実に5年半振りの大商いになっています。
これだけ売買高が膨らんだのは株式市場と同じように超短期での売買が中心になった為で、1日に何回転もしている為です。
市場取引を見る限り、最早REITはインカムゲイン商品というのは幻想にすぎませんが、今は何を言っても止まらないだろうと思います。
市場での個人投資家は割り切って短期売買にシフトして、細かく利鞘を稼いでいますから、恐らく大きな怪我はないだろうと思いますが、問題は、REITを知らない個人が慌てて投資信託経由で参加してくることです。
既に個人の投資信託購入が活発化していて、それを背景に投資信託がここ半年間買い越しを続けています。
投資口価格上昇局面で買い進めば、利回りは低下しますから、インカムの分配金原資は減少します。
今は、売買益も加えて運用益を出せますから何とかなりますが、調整局面に入れば分配金原資が減るのは確実です。
元々、REIT投資を行っている市場プレイヤーは調整を織り込みながら動いていますが、投資信託経由で参入した個人はそう機敏には動けませんので、何処かでババを掴まされる可能性が大です。
マスコミもこぞって煽っていますから、それに釣られて動く個人も多そうですが、インカムゲイン投資商品を値上がりしているから買うという考えは、爆弾を抱えた投資だと知るべきです。
尤も、このコラムを読んでいる方はREITを既に知っているでしょうから、言われなくても理解されていると思います。
REITとは何かを知らずに動く個人が損をする可能性が大きいですが、見方によってはそれも仕方ないとも言えます。
お祭り騒ぎに半ばを過ぎた時から参加すれば、後の祭りを味わいますが、そうなったとしても勉強不足のせいと言えるのかも知れません。
然しながら、少なくともこのコラムを読んでいる方は、他人に踊らされるのではなく、自分で踊って引き時を考えて欲しいと思っています。

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