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2013. 4.12.Up Dated.
投資口価格が上位にランクインした銘柄
 
 投資口価格の上昇によって1口100万円を超える銘柄増えてきました。
元々は50万円/口程度でスタートした投資法人が倍の価格まで評価が上がったのは喜ばしい事ではありますが、ここで冷静にならないと、長期的なミスにも繋がりかねません。
株式投資の世界では、株価の上昇によって欠点を覆い隠してしまいますが、事業会社の問題を全て解決してくれる訳ではないように、REITもそれは同じです。
又、不動産事業では不動産価格の上昇が経営判断のミスや失敗も帳消しにしてくれましたから、不動産と株式投資が合体したようなREITは一般事業会社に比べると、投資口価格上昇によって安易に陥る可能性が高くなります。
然しながら、一般事業会社のように、何が安易で何が冷静なのかを簡単には理解できないのが、ヒストリーの少ないREITの欠点でもあります。
REIT全体としても僅か12年程度の歴史しかなく、その仕組みや運用方法に理論的説明が与えられている訳でもありませんから、先行上位銘柄の後追いで事足りるとは限りません。
元々、投資口価格が中位の銘柄の中には、理論的考察や独自性を追求するよりは上位銘柄の後追い姿勢が強い傾向がありましたから、これを機会にもう一度冷静になって、考え直す必要があります。
尤も、今日100万円/口超になった銘柄は、比較的独自性が強い銘柄が多く、後追い姿勢の銘柄はそこまで市場評価は上昇していません。
投資家の中には、この銘柄の投資口が何故この水準に留まっているのかと思うケースもあるようですが、その中には、上位銘柄の後追いが方針になっている事も挙げられます。
勿論、後追いが全て悪い訳ではありませんが、理解して追従したのと盲目的な追従とは大きな隔たりがあります。
一方、折角上位にランクインした銘柄もここで浮かれていては、長期運用主体としては失格です。こういう時こそ、より深く考察して色々な手を打つ必要があります。
人は苦境に入ると打開策を考えますが、こういう時に良い方法と言うのは殆どありませんが、好調時には色々な手が打てます。
長期運用のREITでは、好調時こそ色々な方法や対策を実施するチャンスになりますから、このタイミングを捉えられるか否かは将来を大きく左右すると言えます。

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