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2014. 1.31.Up Dated.
ヒューリックリート投資法人のIPO
 
 ヒューリックリート投資法人のIPO価格が108,000円/口に決まりました。
約8%のプレミアムが乗りましたので、ヒューリックとしては満足なのではないかと思いますが、私から見れば出来過ぎです。
私の予想は、良くて103,000円、普通に見れば100,000円/口でも御の字だという予想でしたから、見事に外れました。
一方、昨年10月に上場したSIA不動産投資法人の時は予想が当たりましたので、その資産運用会社からもSIA不動産投資法人がディスカウントで、ヒューリックがプレミアムというのはどういう訳でしょうかと聞かれもしました。
勿論私には分かりませんが、スポンサーのヒューリックは、過去REITへの物件供給者として何度か実績がありますので、REITという主体の理解度はある程度は持っているのかもしれません。
自前で投資法人を設立するというのは、既存の投資法人へ売却を行うよりは有利だと考えたのでしょうが、このIPOによってその可能性が膨らんだとも言えます。
最近の上場は好調なケースが多く、IPOに気を良くしその後の投資口価格の上昇によって当初予定より外部成長の速度を速める動きも起こっています。
これは、今のREIT市場の好調がそう長続きはしないだろうと予想し、好調な時に一挙にスポンサーから物件取得をしてしまおうと考えているのかも知れません。
又、取得価格も投資口価格の上昇によって上場時よりも高く取れますから、この機会を逃さずと考えている新興銘柄も多いようです。
これと似た状況は2005年〜2006年にもありましたので、相変わらずという感もありますが、何れは淘汰されるのですから、長い眼で見れば落ち着く所に落ち着きます。
但し、波をくぐってきた既存銘柄にとっては、迷惑な面もありますが、投資法人は何処も他銘柄の事を云々する余裕はありませんから、推移を見守るしかありません。
元々、未だ特徴が明確になっていない投資法人を先物買いするのはREIT投資というよりは株式投資の見方ですから、その範疇で冷静に見る必要があります。
それでも、日本ビルファンド投資法人やジャパンリアルエステイト投資法人のように200万円/口まで上昇した例もありますから、柳の下の二匹目を期待する気持もあるかも知れませんが、このような例は二度と起こらないだろうというのが私の予想です。
恐らくはこの予想は外れませんので、REIT市場の短期売買に釣られて動くのは危険ですので、その点に注意しながら個人は賢く動くべきだと思っています。

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