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2003. 1.23 Up Dated.
−不動産投資とは何か その1−

最近の不動産投資は、証券化手法の登場によって、従来の実物不動産への投資だけでなく、有価証券投資を通じて行う投資等も取り込み、多様化してきています。
また、関係するプレイヤーも、現物不動産への投資だけしかなかった時代に比べて増えており、証券業界・金融業界等からの参入も目立ってきています。
このような不動産投資の新しい流れの中でも、特に、J-REITと呼ばれる不動産投資商品が注目を浴びています。 また、ワンル−ムマンション投資も再び活発化していますし、私募形式で出資を募るファンドビジネスも台頭してきています。
不動産投資の種類が増えた反面、それぞれの商品の特性や差異が分り難くなってきていますので、本項で、改めて解説したいと思います。

J-REIT投資とは?

2001年9月に初めて日本に登場した、間接不動産投資とも言われる投資商品ですが、従来の実物不動産投資との差異や特徴の比較が明確に行われていません。
そこで、新しいタイプの不動産投資の代表格である、J-REIT投資と従来の実物不動産投資との比較を不動産的側面から行いたいと思います。

◇J-REITとは? J-REITとは「不動産投資信託」と呼ばれていて、不動産から生じる収益を原資として配当を出す有価証券投資です。
J-REIT投資とは、不動産(=物権)取引を証拠証書取引(=債権)に変換し、有価証券の持つ取引の簡易性と流動性を付加した新しい仕組みの投資商品で、その原型は米国にあって、既に米国では一般投資家が購入するポピュラーな商品になっています。
J-REITは有価証券として東京証券取引所の株式市場(東証一部の不動産投資信託市場)で日々取引が行われていて、株式のように売りと買いのバランスによって、取引価格が形成されています。

◇J-REIT投資の特徴
  1. 有価証券投資であること
  2. 投資元本に客観的な市場価格が存在すること
  3. 税制面での総合的優遇措置があること
  4. 投資家保護の法規制があること
  5. 不動産の運用は資産運用会社に委ねられていて、投資家は運用経費控除後の配当を受け取るだけになっていること
この特徴を見ると、J-REIT投資は、従来の不動産投資という範疇よりは、株式投資信託に近くなっていて、必ずしも、不動産の専門知識を必要としない投資商品になっています。
また、J-REITが保有する不動産は、収益性重視で資産形成されていますので、通常の不動産に比べると、資産価値の変動が少ないとも言えますので、一般の人にとっても取り組み易い不動産投資商品とも考えられます。

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