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2004. 7. 1.Up Dated.
日本ビルファンド投資法人の増資について
  
日本ビルファンド投資法人(NBF)の第一回目の増資が先週発表されました。
増資規模は約600億円と今までの増資では最大規模になりますが、5月に保有4物件の売却が発表されたことで7月の増資は確定的でしたので、市場としては織り込み済みなのかもしれませんが、気になるのは募集価格です。
目論見書では、発行価額が744千円/口となっていますので、募集価格はこの価額以上になると思われます。
NBFの株価は780千円〜800千円の範囲で動いていますので、増資の公募価格は市場価格よりは低くなりそうですが、絶対価格としてはかなり高めな感じもします。
尤も、増資の発表と同時に平成16年12月期(第6期)と平成17年6月期(第7期)の運用状況の修正も発表し、特に、増資がある第6期の予想配当金が14,500円/口→16,400円/口へ上方修正されました。(前述の保有4物件の売却益が貢献している)
通常、増資では1口当たりの希薄化が起こりますが、物件売却と併せて行うと、逆に増加するということになります。
因みに、第7期の予想配当金は14,250円/口と第5期以前の水準に戻ります。
上方修正された配当金をもとに、公募想定価格の利回りをみると、
765千円/口 → 第6期: 年4.29% (第7期は3.73%)
770千円/口 → 第6期: 年4.26% (第7期は3.70%)
ですので、配当利回りからみれば違和感はありませんが、仮に、この価格帯で購入してもキャピタルゲインは多くは望めません。
IPO、PO時の募集価格の設定には色々な見方がありますが、公募商品としての実績を積んでからのPOの場合には、投資家にキャピタルゲインがなくても、配当率がリーズナブルであればという考え方も成り立ちます。
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