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−公示価格について−    
 
公示価格の算出方法の問題
国土交通省は、毎年公示地価の作成を行っています。毎年多額の税金を投入して継続的に実施していますが、まず、いったいこれに何の意味があるのかという本質的な問題があります。
公示地価とは、日本全国で3万箇所以上の地点を抽出して、各地点を二人の不動産鑑定士が周辺取引事例を参考としてその地点を評価した土地価格がベースになっています。
ところが、都市部等では、土地建物一体で取引される事例が圧倒的に多く、これらの一般の不動産取引から、正確に土地がいくら、建物がいくらと算出することが難しいのです。 最も取引の多いマンションでは、建物の価値という見方になっていますので、土地価格だけを正確に抜き出すこと自体無理があります。
また、東京の丸の内のように取引事例が極端に少なかったり、系列会社間の取引で価格に恣意性が強い場所でも地価を発表していますが、いったい、どのようにして算出したのかという疑問もあります。

公示地価発表の意味
公示地価は、不動産事業に関わりのない一般の方にとっては、「ああ、不動産は下がっているのだ」というコモンセンス的な情報価値はありますが、 実際の不動産事業に関わっている者にとっては、傾向の追認程度の効果しかありませんし、地価が上昇していると発表された地点でも、実際の取引状況はもっと細かな見方が必要となります。

例えば、東京都内で値上りしていると発表された「渋谷区神宮前」は、一昨年より買い需要が旺盛でありながら、売り物が少なく、既に公示地価は取引の目安にはなっていません。(元々、公示地価が実際の不動産取引の参考となる場合の方が少ないのです)
この近辺でも、原宿の表参道大通の南側と北側では需要の強さが違いますし、明治通沿いや青山通沿いでも微妙に異なります。

このように不動産仲介の現場から見れば、自分達の取引の後追いである地価公示は必要ないとも言えますし、今後の取引の参考となるかどうかも疑わしいです。 また最近では、土地と建物一体の利用状態から生じる収益によって不動産価格を求めようとする手法が主流になりつつありますので、そろそろ、不動産=地ベタという感覚に陥りやすい公示地価制度を根本的に見直す時期に来ているとも言えます。
この意味でも、不動産を考えたり傾向を分析して事業を行おうとする人やビジネスとして不動産に取り組もうとしている人にとっては、公示地価はまさに流し読みする程度のものだとも言えるのです。

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