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2005. 3.17.Up Dated.
取得価格と鑑定価格
  
JREITが資産を取得する際には、不動産鑑定評価を採ることが義務付けられていますが、取得価格についての規制はありません。
従って、鑑定価格を上回った価格で取得する例もあります。
不動産売買では、売買価格が低すぎる場合には低廉譲渡という税法上のチェックが入りますが、高い場合は当事者間の問題として片付けられます。
換言すれば、不動産関係法・民法上はいくら高く買っても法的な問題にはならないのです。
JREITの場合にも、不動産鑑定価格は参考価格として扱われていますので、鑑定価格に強制力はありませんから、鑑定価格以上の取引があっても制度上は許されます。
それでは、不動産鑑定評価とは何か、ということになりますが、簡単に言えば、鑑定評価業者が自分で考えた価格に他なりません。
従って、鑑定業者が異なれば、鑑定価格も変わります。
次に、実務上では、鑑定評価は取引を行なう当事者が発注しますので、鑑定評価を依頼する際に大凡の価格を聞くか、又は、希望価格を言ってから鑑定評価を依頼します。
発注者の意にそぐわない鑑定価格を出しそうであれば、その鑑定業者には発注しないというケースが一般的です。
このような一般の例から見れば、JREITのように資産取得時の価格が鑑定価格を上回るケースというのは不動産売買では稀な例だとも言えます。
それでは、JREITの資産取得で鑑定価格を上回って取得するケースはどのように考えれば良いのかという事が今回のテーマなのですが、これも一概には言えません。
前述したように、鑑定評価には発注者の意向が斟酌されますから、鑑定価格と同額で取得しているから公正だとも言えません。
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