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2005. 4.14.Up Dated.
J-REIT株価について
  
3月のお彼岸明けの第4週からJREIT株価が上昇に転じて、3月30日の東証REIT指数(配当込み)が1660.17と過去最高値を更新しました。
その後、期を跨いでも、大きくは下げずに依然として高水準で推移していますが、特に、日本ビルファンド投資法人(NBF)の株価が90万円台半ばまで上昇しています。
NBFの次期予想分配金(2005年6月期)は15,100円/口と発表されていますので、この分配金を株価94万円で割ると年換算配当率は3.21%となります。
一方、新発10年物国債の利回りは1.3%台となっていますので、リスク・スプレッドは2%を割った状態になっています。
これだけ株価が上昇すると、投資家心理としては却って不安が募るかも知れませんが、冷静に見ると、NBFは過去7回の配当を実施している中で、次期予想配当金が最も低い額になっていますので、実際の配当金はもう少し上昇し、恐らく前述のリスク・スブレッドも2%は維持していると考えられます。
それでも、以前の水準から見ると、利回りが低下し、一方、キャピタルゲインが大きくなっていますから、売り時という考え方も出ると思いますので、もう一度株価について整理してみようと思います。

先ず、資本市場の見方では、リスク・スプレッド2%は決して小さい数字ではありません。
問題は、投資リスクに見合っているかどうかですが、JREIT全体でなく、NBFだけを取り上げれば、過去の配当実績と保有資産の内容そして資産運用能力を見た場合、しばらくは配当金も安定していると考えられますので、このスプレッドは妥当という見方も出来ます。
次に、不動産投資として見た場合、純資産価値(約600,000円/口)に対して株価94万円/口は約57%のプレミアムの状態になっていて、現在のファンドバブルと言われている状態が今後も続かない限り、投資リスクは高まっています。
それでは、一体どちらの見方が正解なのかということになりますが、JREITが投資商品としての地位を確立したと考えれば、前者の資本市場の見方が当てはまります。
逆に、投資商品としての認知は未だであると考えれば、この株価は行き過ぎです。
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