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晩秋(後半) 又は、 10月下旬



二十四節気のうち「霜降」そうこう  十月二十三日頃

秋も末で、霜が降りる頃といういう意味から霜降という。
この頃になると、秋のもの寂しい風趣がかもされてきて、
早朝など処によっては霜をみるようになり、冬の到来が感じられてくる。
小雨がときどき降り、楓や蔦が紅葉し始める。
秋の季節の最後の二十四節気、「しもふり」とも。



照葉 「照葉」てるは
 昔、秋になって木の葉の彩づくことを「もみじ」と呼び、「黄葉(もみじ)」と書いたそ
うだ。
 万葉集では「黄葉(もみじ)」を詠んだ歌のほうが、「紅葉(もみじ)」よりずっと多い。
 「紅葉(もみじ)」と書くようになったのは、平安時代以後のこと。
 紅く彩づく木の葉はすべて紅葉なのに、やはり楓こそ紅葉。 紅葉が楓の別称でもあるのは、楓がもっとも見事に色づくということであろうか。

   山に居て向かひの山の照葉かな   木莵

 橙色煉切に 山吹色煉切をぼかし付け、包む
 三角ベラにて切れ目を入れ、整形する。
 さらに、三角ベラでギザギザを入れる。
 丸輪などで、葉脈を入れる。

残り菊 「残り菊」のこりぎく
 秋の頃まで咲き残った菊。
 菊は重陽の景物で、重陽すぎての菊という意味が含まれている。

   盛んなる菊の面影残りけり   虚子

 白煉切の裏から、紅色をぼかして包む。
 中央を木製の卵で押し凹ませる。 
 フチを細工ばさみにて 三片ほど切り出す。
 黄色煉切でシベをつけ、緑羊羹の葉の型抜きを添える。

栗拾い 「栗拾い」くりひろい
 秋の山に栗拾いに行く、というのが例年の季節感と感じている人は、少なくなってしまったようである。
 拾う、といってもじつは、いがの中にある色づいた実を叩き落としてから拾うようになる。
 頭に帽子、足元はいがを踏んでも傷つけることがないように、しっかりと身を固めて行かなければならないのが 栗拾いである。

   栗拾いねんねんころりと言ひながら   一茶

   何の木のもとももあらず栗拾ふ   虚子

 小さな角求肥を包んだ小倉餡の芯に、甘露煮の栗を切って載せておく。
 半小豆のきんとんを囲むように植えていく。

錦秋 「錦秋」きんしゅう
 秋の紅葉は美しい、山ごと谷ごと見渡す限り ことごとく紅葉する。
 色合いが刻々変化する。 朝と夕、今夕と翌朝とで色調の濃淡が変わっていく。

 紅葉は、大和の竜田山の女神・竜田姫が染めるという伝説がある。
 そこから、いっせいに色づいた野山のさまを、染織にたとえ「秋の錦」という。

   みわたせば松に紅葉をこきまぜて山こそ秋の錦なりけれ   藤原良経

 山吹色きんとん、淡い橙色きんとんに、少しの橙色のきんとんを合わせて植える。
 割合の変化によって、紅葉の段階を表す。

初霜 「初霜」はつしも
 その年、始めての霜。
 晴れた寒夜に地面の水蒸気が、ただちに結晶して白く地物に付着したもの。
 針状、板状、柱状などに結晶し、また無定型のものもある。
 はだれ霜は、まだらに置いた霜。 霜だたみは、一面に置いた霜。
 また、霜夜にしんしんと声のあるように感じて、霜の声という。

   初霜や菊冷え初むる腰の錦   芭蕉

   心あてに折らばや折らむ初霜の 置きまどはせる白菊の花   百人一首

 半小豆きんとんを植える。 
 氷餅を砕いて、パラリと散らす。

小練 「小練」こねり
 柿の木になったままで甘くなった柿の実。 小練柿。 練柿。

   「是はをち方でも小練と申て、一うまい柿で御座る」 
                    狂言・合柿(あわせがき) より
 柿売りが甘いと言って渋柿を売りつけようとする場面の台詞です。 

 小さめの雪平饅頭を包んでおく。
 柿色羊羹を、薄く丸く流す。
 冷めたら艶のある方を上にして、雪平饅頭にかぶせる。
 緑煉切をつまみ、切り目を入れつまみ、へたを作り添える。

山路 「山路」やまじ
 晩秋となり、山中の木々の紅葉もあらかた落ちて、裸の枝が目立つようになれば冬も間近。
 厳冬の時期への備えに心せかされ、歩みも早くなる。

   薄雪に木の葉色濃き山路かな   肖柏

 刻み栗を入れた淡紅色きんとんと、小倉山で角求肥を包む。
 艶天をかける。
 新引き粉を、パラリと散らす。

おことわり
あくまで描きためてきた図案であって、
このお菓子が必ず店頭に並んでいるわけではございません。

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