８３年５月のフルモデルチェンジで８０系となったカローラ/スプリターは、いままでとは違い、セダン／クーペとで駆動方式を変えてある点が特徴である。セダン系は今までとは違い前輪駆動のＦＦ、クーペ系は従来通りの後輪駆動のＦＲである。完全に明確な程にターゲットを分けるかたちで車両開発を行っている。セダン系はＦＦならではの居住性の確保・経済性に優れており、クーペ系にはスポーツ走行のためにＦＲを採用するという、異なる駆動方式を採用している点である。

この８０系では２ドア・３ドアのクーペボディーを持つモデルは、今までならスポーツツインカムエンジンモデル、すなわち「ホットモデル」に対してレビン／トレノを称したが、この８０系からすべてレビン/トレノと呼ばれるようになった。ただし、その中でもスポーツツインカムを搭載するホットモデルについては、AE８６という今では有名な型式名が与えられることになる。ホットモデルのグレードは、２ドアのＧＴ（リヤドラム）とＧＴ−ＡＰＥＸ、３ドアではＧＴＶとＧＴ−ＡＰＥＸがこれに該当する。ＡＰＥＸは「頂点」という意味もあり、ＧＴやＧＴＶといったさらに走りに振ったグレードとは少し異なり快適装備をそれらより多く装備したグレードとなっている。

　ＡＥ８６に搭載されるエンジンは、新開発の１６００ccＤＯＨＣ４バルブエンジン。テンロクスポーツの代名詞ともいえる「４Ａ−Ｇ」である。当時としてはクラス最強となる最高出力１３０ｐｓ／６６００ｒｐｍ、最大トルク１５．２ｋｇ-ｍ／５２００ｒｐｍを発揮し、アイドリングからレブリミッターまで０．８秒という、のちに名機と言われるにふさわしい性能をもったエンジンである。

そして、８５年５月のマイナーチェンジの際には、外観の小変更は当然の事とし、機構的には４速ATの設定が加わった。

＜概要＞（レビン３ドア１６００ＧＴアペックス（前期）の内容です。）

全長：４１８０ｍｍ

全幅：１６２５ｍｍ

全高：１３３５ｍｍ

ホイールベース：２４００ｍｍ

トレッド（前/後）：１３５５ｍｍ/１３４５ｍｍ

車両重量：９４０ｋｇ

エンジンタイプ：直列４気筒DOHC４バルブ

総排気量：１５８７ｃｃ

ボア×ストローク：８１．０ｍｍ×７７．０ｍｍ

圧縮比：９．４

最高出力：１3０ｐｓ/６６００ｒｐｍ（ネット）

最大トルク：１５．２ｋｇ−ｍ/５２００ｒｐｍ（ネット）

ブレーキ（前/後）：ベンチレーテッドディスク/ディスク（ＧＴはドラム）

サスペンション（前/後）：ストラット/４リンク・リジット

タイヤ＆ホイール：１８５/７０ＨＲ１３＆５Ｊ×１３