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”資格の栄光“は、会社員が資格や検定の取得に挑戦した実体験を”資格挑戦記“として紹介するとともに、
受験対策、資格・検定の基本情報を紹介するサイトです。

申込み

品質管理検定の申込みは受験する等級に関わらず、WEB申込みと払込取扱票による申込みの2つがあります。

1)WEBページからの申込み
一般財団法人 日本規格協会のHPからWEB申込みを行うことができます。

一般財団法人 日本規格協会 WEB申請
http://www.jsa.or.jp/kentei/qc3.html

希望受験地、氏名、生年月日、電話番号、メールアドレス、住所を入力します。
WEB申込みの場合は、受験料の支払いがクレジット払いのみとなります。
クレジットカードの情報を入力して申込み終了です。

2)払込取扱票による申込み
郵便局に備え付けてある払込取扱票に受験級や希望受験地、氏名、生年月日、電話番号、住所、業種Noを記入し、受験料を支払うことで申込みすることができます。
ネット環境がない、クレジットカードが使用できない場合などは、こちらの方法で申し込むしかありません。

受験勉強

1)試験内容
品質管理検定3級の試験は、全問マークシート方式です。
問題数は合計約100問が出題され、試験時間は90分です。
出題は手法分野と実践分野に分類されており、合格基準は各分野で概ね50%以上かつ総合得点が概ね70%以上とされています。

試験範囲は、日本規格協会のHPに掲載されている“品質管理検定レベル表”の中で細かく示されています。

一般財団法人 日本規格協会 QC検定 各級のレベル(レベル表、合格基準)とその内容
http://www.jsa.or.jp/kentei/qc2.html

品質管理検定レベル表は、2015年1月30日に改訂されており、以前上位等級の出題範囲だったものが、一部下位級に移行されています。
それだけ、難易度が上がってきています。

2)勉強方法
品質管理検定は、民間資格ながら受験者数が年々増加し年間受験者数10万人を超える大人気資格であり、受験対策本がたくさん出ています。
受験等級が1~4級までありますので、受験級の受験対策本を購入するようにしましょう。

そして、数ある受験対策本の中から選ぶコツとしては、手法分野に重きをおいており、問題が多数含まれていることです。

品質管理検定は、前述のとおり手法分野と実践分野に分かれており、それぞれの分野で50%以上の得点が必要です。
不合格となる多くのパターンは手法分野の得点が50%に届かないことによるものです。
つまり、手法分野で50%得点する為の勉強を重点的に行うことが合格する上で重要なのです。
また、手法分野で失点しやすいのは、計算問題です。
計算問題はテキストを読んだだけでは、なかなか本番で解けないものです。
その為、受験対策本は、問題を多く含んだものを購入すべきです。

極端な話、テキストは買わずに問題集のみ買って繰り返し問題を解く方がよいかもしれません。

【新レベル表対応版】QC検定受検テキスト3級 (品質管理検定講座)


1回で合格!QC検定3級テキスト&問題集


過去問題で学ぶQC検定3級 2016年版


この一冊で合格! QC検定3級集中テキスト&問題集


2015年改定レベル表対応 品質管理の演習問題と解説[手法編] QC検定試験3級対応


手法分野で特に重要となるものを紹介します。

➀基本統計量
完全に計算問題となる為、苦手な方が多いようです。
しかし、出題率が非常に高いので無視するのはもったいないです。
苦手意識があるかもしれませんが、そんなに難解な計算が必要なわけではありませんので、むしろ得点源になるよう勉強しましょう。
求められるようにしておきたい基本統計量は、平均、中央値(メディアン)、最頻値、範囲、分散、標準偏差です。
平均値、中央値、最頻値、範囲は、理解しやすいのですが、問題は分散や標準偏差ですね。
計算式に"Σ"などの記号が入ってくるから、数学嫌いの方は拒絶してしまうようです。
また、テキストなどでは計算が簡単になるとして、変形型の計算式を紹介しているので、逆に覚えにくくしてしまっている印象があります。
あまりごちゃごちゃ考えずに、本来の考え方に基づいて順を追って計算していけばよいと思います。
例として、次に示すサンプル10個のデータについて、計算していきます。

17、15、13、19、10、14、24、17、15、13

まず、平均値を求めます。
問題で与えられたデータを全て足してデータの数で割るだけです。データの数は10個ですから・・・

平均値=(17+15+13+19+10+14+24+17+15+13)÷10=15.7

平均値が15.7であることが分かりました。

次に偏差を求めます。
偏差とは、各データと平均との差です。
10個のデータがあれば、10個の偏差が存在することになります。
例えば、1つ目のデータである20から平均である16を引いた4が偏差ということになります。
この調子で全てのデータに対する偏差を求めてみましょう。

17-15.7=1.3 15-15.7=-0.7 13-15.7=-2.7 19-15.7=3.3 10-15.7=-5.7
14-15.7=-1.7 24-15.7=8.3 17-15.7=1.3 15-15.7=-0.7 13-15.7=-2.7

偏差が求まりました。
この偏差一つ一つは、平均からのばらつき具合を表しています。偏差が大きければ平均から離れたデータ、偏差が小さければ平均から近いデータということになります。
この偏差をうまく利用してデータ全体のばらつきを表現したいところです。
全部足し合わせれば良い気がしますが、偏差は平均からの引き算をして求めている為、全て足すと必ず0になってしまい、ばらつき具合を表せません。
そこで、偏差を全て2乗してから足し合わせます。これを平方和と呼びます。

1.3×1.3=16.9 (-0.7)×(-0.7)=0.49 (-2.7)×(-2.7)=7.29 3.3×3.3=10.89 (-5.7)×(-5.7)=32.49
(-1.7)×(-1.7)=2.89 8.3×8.3=68.89 1.3×1.3=1.69 (-0.7)×(-0.7)=0.49 (-2.7)×(-2.7)=7.29

平方和=16.9+0.49+7.29+10.89+32.49+2.89+68.89+1.69+0.49+7.29=134.1

平方和が134.1と求まりました。
もう少し計算が必要です。
平方和は、ばらつき具合を表しているのですが、データの数が増えれば増えるほど、平方和も大きくなってしまう為、データ数が違う場合には単純に比較できません。
そこで、平方和をデータ数から1引いた数で割ります。
データ数そのもので割ったものも分散と呼びますが、データ数から1引いた数で割ったものは不変分散と呼ばれ、こちらの方がQCの世界では良く使用されます。
※理由はここでは割愛します。

分散=134.1÷(10-1)=14.9

分散が14.9と求められました。
最後に分散の平方根を取ります。平方根とは、2乗したらその値になる数です。
よく分かりませんか?今回の場合ですと、2乗したら14.9になる数です。
試験では電卓が使用できますが、数字の後に電卓の中のルート"√"マークを押すだけで計算できます。

14.9の平方根は、3.661966・・・と続きます。
標準偏差は、JIS規格上で有効桁数3桁まで出すことになっています。4桁目を四捨五入しすると、標準偏差は3.66と求めることができます。
とは言っても、選択式の問題ですから、有効桁数の認識によって誤りになるような問題は出題されませんから安心してください。
実際の問題は、ちょうど割り切れる答えだったり、選択肢から一番近い答えを選ぶということになります。

さて、標準偏差の求め方をご理解頂けましたでしょうか?
この手順で覚えてしまう方が、確実に標準偏差まで求めることができます。

統計的手法に関しては、専門書が数多く出版されております。
こういった本で学んでおくのもよいでしょう。
ただ、3級の出題範囲よりもかなり広範囲の説明になりますが、基本統計量の部分だけイメージを掴む目的で読むのも効果的です。

品質管理の統計学 -製造現場に生かす統計手法-


統計的方法のしくみ―正しく理解するための30の急所


図解 使える統計学 (経済(中経))


②QC七つ道具
もう一つ重要なのがQC七つ道具です。
グラフ、ヒストグラム、パレート図、管理図、散布図、特製要因図、チェックシート、層別の八つについて、見方や使い方をよく理解しておく必要があります。
※八つなのに七つ道具と呼ばれることに疑問を持たれる方もおられると思いますが、グラフと管理図を一つにまとめて七つと数えています。

結構なボリュームですが、いずれかが必ずといってよいほど出題されます。それどころか、1回のテストで複数の問いに分かれて出題されることが多々あることから、QC七つ道具を捨てるという選択肢はありえないと言ってよいでしょう。

管理図は1級でも頻繁に出題される奥の深い手法ですが、3級では基本的な内容しか出題されませんし、その他の手法は一つひとつ見ていくとそんなに難しいことはありません。

以下、一つずつ説明していきます。

☆1 グラフ
グラフは、数値データを図で表すことにより、数値を比較したり、割合を把握したり、数値の推移を表したりと、可視化する手法です。
数値データそのものを見ただけでは、例え表などにまとめられていたとしても、その数値データの様々な情報を読み取ることは至難の業です。
そんな時、数値データをグラフに表すことで、情報を読み取りやすくなります。

グラフには、いくつかの種類があります。
これらの名称と使用する目的、特徴について出題されることが非常に多いので、しっかりと覚えておきましょう。

 種類 使用する目的 特徴 イメージ 
棒グラフ  数値データの大きさを比較する際に使用する 棒を立てた状態で横に並べ、その棒の高さによって数値データの大きさを比較する
折れ線
グラフ
数値データの時間的推移を見る際に使用する 各時点での数値データを時系列的に並べて打点し、線で繋げたグラフ。打点の高さで数値データの変化を読み取る。
円グラフ  数値データの全体に占める割合の把握及びその比較をする際に使用する  円を扇で区切り、その扇形の面積により、数値データの全体に占める割合を表す。
帯グラフ  数値データの全体に占める割合及びその比較に使用する 長方形の帯を、長方形で区切り、その面積により、数値データの全体に占める割合を表す。また、他の長方形の帯と並べて、割合を比較する
レーダー
チャート
 複数のデータ項目について、その数値データの大きさを表す  データ項目の数だけ中心から直線を伸ばし、数値データの大きさに応じて打点することで、各項目ごとの数値データの大きさを表す

☆2 パレート図
パレート図は、不適合数、事故件数、クレーム件数、損失金額などを現象や原因などの項目に分類して、その項目ごとの特設地を棒グラフで、全体に済める割合の累積和を折れ線グラフで表した図のことです。
特性値が大きい項目から順番に並べて書きますが、"その他"については、最後に示すようにします。


様々な項目の中でも、大きな影響を与えているのは極わずかな項目であることが多く、この影響の大きいわずかな項目を見つけることがパレート図の目的です。
上に掲載しているパレート図では、A~Cの3つの項目で約80%を占有していることが分かります。
このように、高い占有率である項目について、解決に取り組むことを重点思考と言います。
この重点思考も重要ですので、覚えておきましょう。

☆3 ヒストグラム
数値データを適切な区間で分けて棒グラフで表したグラフです。
データの分布状態(ばらつき)を視覚的に把握することができます。

ヒストグラムについては、次の型をしっかりと覚えてください。

 種類 特徴 イメージ 
一般型 左右対称の形をしている。
工程が安定しており、理想的な形。
絶壁型 端が崖になっている。
不具合品などを選別して取り除いた場合にこういった形になる。
ふた山型 2つの山の形状をしている。
平均値の異なる2つの母集団が混在している場合にこういった形になる。
歯抜け型 高い→低い→高いを繰り返しながら1つの山を形成ている。
測定器や測定そのものに誤りやクセがある場合にこういった形になる。
離れ小島型 1つの大きな山と離れた位置にもう1つ小さい山ができる。
工程異常が生じている場合など、異なる小規模の母集団が混在している場合にこういった形になる。

☆散布図
散布図は、2つの対応のある数値データの関係を表すグラフです。
X軸に要因系の値、Y軸に特性値をとり、数値データを打点して表します。


xが増加するにつれてyも増加する関係にあることを"正の相関関係がある"と言い、xが増加するにつれてyが減少する関係があることを"負の相関関係がある"と言います。
さらに、打点のばらつきによって、"強い正の相関関係がある"とか、"弱い負の相関関係がある"といった表現をします。
一方、これらの関係が成り立たない場合は、"無相関"と言います。
 強い正の相関関係
正の相関関係
弱い正の相関関係
 
 強い負の相関関係
負の相関関係
 
 弱い負の相関関係
無相関
 

これらは、出題頻度が高いので必ず覚えてください。

☆管理図
管理図は、工程が安定状態にあるかを判定する手法です。
安定状態時の数値データから管理限界線を求めて記述し、数値データを打点していくことで、安定状態にあるかどうかを判定します。
管理図には、様々な種類が存在しますが、3級では以下の管理図が出題されます。



ここで重要なのは、中心線(CL)と管理限界線(UCL、LCL)の求め方を覚えることです。

☆特性要因図
特製要因図は、ある結果(特性)について、その要因を列挙してその関係性を体形的示す手法です。
魚の骨の形をしていることから、Fishibone diagramと呼ばれたり、特製要因図を考え出した石川馨氏の名前を取ってIshikawa Diagramと呼ばれたりしています。
結果である"特性"を右側に、それに向かって伸びる矢印"背骨"を書きます。上下に要因を書いて、そこから背骨に向かって伸びる矢印"大骨"を書きます。さらに大骨に向かって伸びる中骨、小骨、孫骨と要因を深堀して矢印を引きます。


③その他
基本統計量とQC七つ道具だけで、手法分野の50%は行けると思いますが、実践分野との合計で70%取得することを考えると、もう少し広く勉強しておきたいところです。
その他としては、新QC七つ道具があります。
新QC七つ道具とは、親和図法、連関図法、系統図法、マトリックス図法、アロー・ダイヤグラム法、PDPC法、マトリックス・データ解析法の七つの手法のことです。
新QC七つ道具は、2級以上になると細かく出題されますが、3級では概要を知っておけばOKです。
例えば、親和図法であれば「混沌とした状況の中で得られた意見や発想などの言語データを、親和性によって整理・統合した図を基に問題の本質を明らかにする方法」となります。

もう一つ重要な手法に工程能力指数があります。
工程能力指数には、対象の工程で規格に対しどの程度適合できる能力を持っているのか示す指標であり、いくつかの種類があります。
いずれも、規格値と先程➀で説明した標準偏差などを利用して求めることから、平均値⇒分散⇒標準偏差⇒工程能力指数といった流れで出題されることも多々あります。
つまり、どういうものか知っていればよいということではなく、計算し求められるようになる必要があります。
計算が苦手の方は少し大変かもしれませんが、ここまで解けるようにしておけば、もはや合格したも当然です。

試験当日

試験当日の持ち物は、受験票、筆記用具(HBのシャープペンシルまたは鉛筆、消しゴム)、電卓、必要であれば時計です。
何度もお話ししている通り、必ず計算問題が出題されますので、電卓を忘れないようにしてください。

時間は圧倒的に手法分野の方がかかりますので、実践分野に時間を費やさないよう、サクッと解くようにしましょう。
各分野で50%の正解が必要です。計算問題のある手法問題をしっかり見直しできるよう、途中退出せずに試験時間はフルに使いましょう。

試験後

1)試験結果
試験結果は、試験の1ヶ月後程度を目途に日本規格協会のHPに合格者の受験番号が掲載される形で発表されます。
その後、合格者には登録している住所宛てに“合格証”と"試験結果通知書"が、不合格者にも"試験結果通知書"送られてきます。



2)認定カード
合格者の方は、希望すれば写真入りの認定カードを作成することができます。
ただ、手続きが若干手間です。
郵便局に備え付けられている払込取扱票に、必要事項を記入の上、郵便局窓口にて発行手数料を支払う必要があります。
ちなみに、認定カードの写真は受験票のものが使用されます。


バナースペース