ネコのミーちゃん 
         その日暮らし…     
                 作 : 我主(wagaaruji)

* * * めぐり逢い * * *


   私の名前は、ミーちゃん2号。
  元々は、ノラネコ家業だったが、今の我主とめぐり逢う。
  かつて、ミーちゃんと呼ばれていた私のお父さんが
  寝る前にいつも話してくれた。
  slopeという名の、館を…。

  お父さんは、slopeと呼ばれている我主の館に
  入ることなく、姿を消した。
  一ヶ月の日々だったらしい…。

  私は身体も小さく、尻尾も短い。
  日々、色々な事におののきながら暮らしていたある日、
  お父さんの話を思い出した。

  そうだ、slopeへ行こう。
  
  そうして、私はslopeへ無事潜入成功し
  ミーちゃん2号より、いつしかミーちゃんへと変化したのだった。
  寒い冬がやってくる前のことである。
 
  ホッとしたのも、つかの間
  どうやら、slopeの奥には「ルナ ルナ」と呼ばれている
  何かがいる…。
  
  が、取り合えず、ごはん、ごはん。
      
                    つづく。  

* * * ネコ語 * * *

 「おはようございます。」
私は以外に、礼儀正しい。
朝は、必ず起きるとすぐ、挨拶を連呼する。
が、我主は寝ぼけながら「まだ、ご飯早いよ〜。ミーちゃん。」と。

しまった。
挨拶に夢中になりすぎて、「ご飯」と言うのを忘れてしまった。
慌てて、「ご飯、ご飯。」と連呼する。
「シツコイよ〜。ミーちゃん。」と,我主。

我主には、すべてがミーと聞こえるらしい。
ネコ語を、教えてやらねば…。
まずは、挨拶から
「おはようございます。」

「ミーちゃん、まだ夜中だよ〜。」

しまった…。さわぎ過ぎたか…。
奥で何かが動き始めた。
あやつは、「ルナ ルナ」と話すのだろうか…。

「ウ〜、ワン。…」 
気を付けねば…。

が、取り合えず、もう一眠り。

                     つづく。



        * * * 散歩とは * * *

 朝早くから、バタバタとうるさいよ。我主。
しまった。うかつに近寄ってしまった。
「ルナ、ミーちゃんだよ。」

怖い。怖すぎる…。
「散歩行って来るからね〜。」
あやつは、ヒモににつながれ出て行った。
よほど、凶暴なのかもしれない。
紐につながれているとは…。油断は禁物。
所で、散歩って何だ?

おー、我主と楽しげに遊んでいる。
slopeに住むなら、散歩とやらをするのか…。
「ただいま。あっ、ミーちゃん、お迎えしてくれたの。ありがとうね。」

バタン。

「私の番だよ〜。我主〜。」
聞こえないらしい。困った。
よし、ドアタックルだ。「散歩だよ。散歩。私だよ。」

「暴れないよ。ミーちゃん。」
「私の番だよ。散歩。」

「しょうがないなぁ。お外、行きたいの。」 ガラガラガラ。

「ハイ。行っておいで。」 バタン…。一緒に行かないのか、我主。

が、取り合えず、散歩。散歩。
      

                           
     つづく
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