* * * slopeの奥に潜むものとは * * *

 我主にも、私の想いが、ようやく伝わったらしく
晴れた日の朝は、私と一緒に、散歩に行くようになった。
もちろん、私は凶暴ではないので、紐なしである。

 問題は、ルナ ルナだ。
一緒に住むのだから、仲良くせねばとは思うのだが
…怖い。ガブッ、ときそうだ。

「ミーちゃん、仲良くしてね。」
おう。挑戦してみるか。
「ア〜。」 シャ。!!

「あー。ルナ、大丈夫。鼻から血出てるー。ダメ!。ミーちゃん。」

あぁ〜あ、ついついクセで、ツメを出しちゃいました。

「ルナ ルナ。じっとして、消毒するから。」

お〜。いたせりつくせりだ。

しかし、私もここに住んでいたら、いずれあんなに大きくなるのかな。
ご飯、沢山あるしね。

大きくなったら、仲良くしよっと。
しかし、怖い思いをすると、行きたくなるねぇ。

取り合えず、トイレ。トイレ。

                  つづく

* * * ネコは、かぶるのか * * *

 「早く、早く。片付けて。終わったよ。」
私は以外に、礼儀正しい上に、綺麗好きである。
トイレの後は、スグ、我主に報告する。
もしくは、今からするよと、お知らせする。

「どうしたの、ミーちゃん。
 あっ、よくしたね。 綺麗にしておいたからね。」
私のトイレが、そんなに嬉しいのか、我主。

このslopeという館は、色々な人間が出入りする。
ルナ ルナは、いつも奥で寝ているが、
私は、どうしたものか…。

「まぁ、置物みたい。」

しまった、動きそびれてしまった。
ついつい、眠ってしまったらしい。


「おとなしいですね。」
「いつもは、違うんですよ。ネコかぶってるんです。」

なに! ネコは、かぶるのか…?

考え事してたら、お腹が空いてきた。

取り合えず、ご飯、ご飯。

えっ。茶碗、カラだよ。

                 つづく

* * * 真夜中のデート * * *

ご飯、トイレ、散歩以外に、どうやら私にも
やらなくてはいけないものが、あるらしい。

タイミングが、難しいのだ。

そろそろか…。よし、今のうちに…。

「ミーちゃん、それじゃ、寝れない。 頭に、のらないで…。」 って、

ネコをかぶる仕事は、早くも終了していたのか…。

そう言いながらも、嬉しそうに、我主は私を押し出す。
なんだ、遠慮はなしだよ。我主。

「ん〜、ミーちゃん。頭、重い。」

確かに、この頃ちょっと、動きにくくなったような…。
ノラネコ家業だったせいか、ご飯あるだけ食べちゃうしね。
早く、大きくなりたいし。

でも、なんだか、それだけでもないような…。

取り合えず、散歩、散歩。

今夜は、こそっと行って来ようっと。
急がないと、待ち合わせに、遅れそうだ。


                     

   つづく * その2

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