オイラの部屋には冷房がない。

 

 

昨今、地球温暖化やらヒートアイランド現象やらで

気温の上昇が話題になっているが

この程度で「暑い…」とかぬかす そこの貴様!

修行が足りん!!

 

いいか?

暑い暑いと言っても、所詮いまの気温は体温より低いのだ。

すなわち、体の熱は黙っていても体の外に逃げていく。

にもかかわらず暑いと感じるのは

貴様の体が無駄に熱を発しているということ…

つまり貴様には無駄な動きが多いのだ!

 

無駄な動きが人体の冷却能力以上の熱を発生させ

それが体内に溜まり、貴様を暑いと感じさせるのだ。

 

では無駄な動きとは何か?

それについてはまず、人体において何が一番の発熱源であるかを

考えねばなるまい。

言い切ってしまえば、それは脳味噌である。

人体おいて、エネルギー源となる糖分をもっとも消費する臓器が脳であり

裏を返せば、脳は人体最大の発熱源でもあるのだ。

つまり、無駄な動きとは無駄な思考に由来する!

 

無駄な思考が脳を発熱させ、その熱に浮かされた脳が

今度は体に無駄な運動指令を送ってしまい

無駄な動きがさらに体の発熱量を増大させる…

すなわち無駄な動きの悪循環が発生しているのだ。

「心頭滅却スレバ火モ又涼シ」という言葉は貴様も聞いた事があろう。

これはけっしてエセ坊主の発した世迷言ではなく

人体の理(コトワリ)を表した真理なのだ!!

 

無論、貴様が火に飛び込んでこの真理を確かめる必要は無い。

「火モ又涼シ」とは坊さんが啖呵を切るために生みだした誇張表現だ。

むしろ本気にするな。

それに体温より気温が低いと言えど、直射日光は避けねばならん。

直射日光には赤外線が含まれているからだ。

こいつは周囲の気温に関係なく、物体を発熱させる力がある。

人体も生命活動とは無関係に発熱してしまうため

人体の冷却機能の落ちる夏場には命取りだ。

 

しかし、「体温より低い気温、日陰、十分な飲み水」という幸福な条件下で

なお「暑い…」とかぬかす貴様!

貴様には3つの無駄がある!!

「無駄な思考」「無駄な動き」「無駄な電気消費量」だ!

 

この「無駄な電気消費量」とは冷房装置の設定温度のことだ。

デン子も言ってるではないか…

 

「電気を大切にネ♪」と…。

 

もちろん人間には安らぎのひと時も必要だ。

機械の生み出す風を受け、「科学の勝利」と悦に入るのもいいだろう…。

しかし、ここ最近の過剰冷房はなんだ!?

貴様は室内でいちいち上着を羽織れとでも言うのか!?

モノには程度というものがあるだろう?

この過剰冷房が屋外の気温をさらに上昇させているんだぞ。

もし屋外の気温が体温より高くなったらどうするつもりだ?

そうなったら貴様は、外出の際ゴツイ冷却服でも装着するのか!?

「屋内では冷房装置、屋外では冷却服」

貴様はこれで満足か?

これを「科学の勝利」と言い張るつもりか?

これは自ら生み出した科学に人間が敗北した姿ではないのか!?

 

どうだ? これで良く分かったろう。

貴様には修行が足りんということが…

そうだ、貴様も心頭滅却し、心に神風を吹かすのだ!!

 

 

 

 

 

 

あぁ、暑い…、暑いよぅ…