朝日俳壇1/30


選者
の〜選句

朝日新聞の毎週月曜日。文芸欄ー俳壇を四選者が担当している。金子兜太・大串 章・長谷川櫂・稲畑汀子の四氏である。
掲載する以上、学ぶ値打ちがなければならない。7/18号より俳界の力量を誇る金子氏、大串氏に学んでゆく。
10句を入選とし、そのうち一席、二席、三席、次点 の秀逸句に寸評を加えている。
選句=創作でもある。

金子兜太・選

@三月十一日去年となす初明り
寸評)型にはめた言い切りの潔さ。「去年となす」は金輪際忘れないということ。


A厳寒の白河以北無味有情(むみうじょう)
寸評)被曝甚大の地を哀痛を籠めて労る。


B反戦と反原発の海鼠かな
寸評)「海鼠」と言われて、被災の実感更に生々し。


C今日といふ独楽を回して愉快なり


D灯を消して雪積む音の夢見るか


Eラガー等のつぶさに見える家に住む


Fフクシマや焚くに焚けないどんど焼き


G蝋梅(ろうばい)や氷砂糖を摘むかな


H叱責も義務も無き身を布団中


I福の島取り戻さむと初仕事
寸評)「福の島」はむろん福島。


★10句の中の私の眼

☆@三月十一日去年となす初明り
   〜今年もまもなく三月十一日が目の前。この日は昨年だけのことに願いたい。禍根は未だに・・・。
  
☆B反戦と反原発の海鼠かな
   〜反戦と反原発の「力」は「柳に腕押し」か?

☆H叱責も義務も無き身を布団中
   〜起きてもやることがない。しかし寝ているのもきつい。

大串 章・選

@西国の芭蕉の夢の枯野かな
寸評)芭蕉はついに九州へ行けなかった。「旅に病んで夢は枯野をかけめぐる  芭蕉」を踏まえる。

A一心の一閃となり的始
寸評)一心に的を見つめ、「一心」と「一閃」が響き合う。

B凍滝の無言の教へありにけり
寸評)「無言の教へ」に余計な解説は不要。

C阿蘇谷の地底蠢くどんどかな


D今日といふ独楽を回して愉快なり


E白鳥ら首立てて鳥となりにけり


F風花は視界を奪ふものならず


G雪女時計の音に隠れけり


H立春やかの火の山は如何ならむ


I身体から芽が出てきさう日向ぼこ


★10句の中の私の眼

☆@西国の芭蕉の夢の枯野かな
      〜ひねった秀句。
  
☆A一心の一閃となり的始
   〜作為プンプンであるが、うまい。

☆G雪女時計の音に隠れけり
   〜「艶」あり。時計のアラームか?