朝日俳壇2/20


選者
の〜選句

朝日新聞の毎週月曜日。文芸欄ー俳壇を四選者が担当している。金子兜太・大串 章・長谷川櫂・稲畑汀子の四氏である。
掲載する以上、学ぶ値打ちがなければならない。7/18号より俳界の力量を誇る金子氏、大串氏に学んでゆく。
10句を入選とし、そのうち一席、二席、三席、次点 の秀逸句に寸評を加えている。
選句=創作でもある。

大串 章・選

@寒鴉何を見透かし吾に鳴くや
寸評)寒鴉は一体何が言いたいのか。鋭い鳴き声が気にかかる。

A五十年存門のみの年賀状
寸評)俳人らしい年賀状。「日常の存門が即ち俳句である」(虚子俳話)を思う。

B降る雪や明治を残す丸の内
寸評)「降る雪や明治は遠くなりにけり 中村草田男」を踏まえる。

C身を沈め身を躍らせて雪を掻く


D今はただ太郎ひとりが雪下ろし


E雪女飴屋の前に子を連れて


F風花す雪のかけらの息づかひ


G早梅や心の弾み覗かせて


H立春の金平糖に角(つの)いくつ


I山笑ふ恩師の渾名(あだな)鬼瓦


★10句の中の私の眼

☆なし


☆A五十年存門のみの年賀状
      〜あるある。
  
☆B降る雪や明治を残す丸の内
   〜目のつけどころ。




金子兜太・選

@旅し読み生きて句をなす春が来た
寸評)いのちいっぱいの生きざまといおうか。韻律新鮮、力感あり。


A散り果てて樹下よりの空陽は樹下に
寸評)陽光の樹下に空を仰ぐ。さあ出発。
・季感(冬)

B早三月原発そのまま悲しきまま
寸評)原発事故から一年。悲惨のままだ。


C風寒し水清けれど人孤なり


D限りなき核の異物の海寒し


E真実の人を見て寒極まれり


F山眠る起こさぬやうに国を発つ


G冬耕の鍬音乾く高嶺村


H人参の詩は短くて十勝の子


Iあの日から逢瀬重ねて老いの春
寸評)うらやましい限り。


★10句の中の私の眼

☆B早三月原発そのまま悲しきまま
   〜闇を手さぐり、いつまでも・・・。
  
☆Iあの日から逢瀬重ねて老いの春
   〜これはあり得る。これからも必要悪?

☆@旅し読み生きて句をなす春が来た
   〜「旅し」→「旅に」の方が、口語調の響きあり。