朝日俳壇1/3

選者・新春詠


  旅人      大串章  
初鴉晴れ晴れと黒尽くしけり

門松に旅人の影来て止まる

初凪の水平線の漲れり 
 
 
 
  林間           金子兜太
武蔵野に雪富士われにわれの若さ

樹相確かな林間を得て冬を生く

雪の富士雪の浅間と頬(ほ)に
 


  龍
              長谷川櫂
龍の目の動くがごとく去年今年

  
浦霞は塩竈の酒
花の春とくとくと鳴れ浦霞

ほのぼのと目鼻はなれて福笑
 


年改る     稲畑汀子
復興を祈る日日年改る

星消えて樹相浮みぬ初明り

ささやかな期待抱きて去年今年