朝日俳壇11/21
選者の〜選句

朝日新聞の毎週月曜日。文芸欄ー俳壇を四選者が担当している。金子兜太・大串 章・長谷川櫂・稲畑汀子の四氏である。
掲載する以上、学ぶ値打ちがなければならない。7/18号より俳界の力量を誇る金子氏、大串氏に学んでゆく。
10句を入選とし、そのうち一席、二席、三席、次点 の秀逸句に寸評を加えている。
選句=創作でもある。
金子兜太・選
@鶏頭の燃ゆ天草に着きにけり
寸評)やや粗野な書き方にキリシタンの歴史を含む天草の風土が燃焼。
Aむかご飯地球は人で溢るとか
寸評)世界人口七十億をこえる。むかご飯は貧しさそのものでもあった。今ではしゃれた食べ物である。
B鶴の声大きく額(ぬか)に納めけり
寸評)後半が・・・。
C譬ふれば小春のやうなお人柄
Dどつと来て湯豆腐談義始まりぬ
E白壁の殿様バツタ次の一手
F泡立草一望千里災害地
G鬼平とコーヒー一人の長き夜を
H柵越える羊を数え長き夜
I枯葉散るジャズに沈みて椅子と化す
寸評)しゃれた趣向。
★10句の中の私の眼
☆@鶏頭の燃ゆ天草に着きにけり
〜江戸初期のキリシタン弾圧。これに対して天草四郎を首領とする反乱軍は全滅した。血に染まった天草。
☆F泡立草一望千里災害地
〜春の三陸被災地。大津波で海岸一帯の建物は崩壊し、一望千里となった。
☆E白壁の殿様バツタ次の一手
〜誤って白壁にぶち当たって、次の行方は?。興味をそそる一瞬。
大串 章・選
@芭蕉忌や地図を拡げて旅に出る。
寸評)芭蕉忌は陰暦10月12日。地図を拡げて「奥の細道」をたどりはじめたのか。
・月並み。
A百歳の医師と詩人や小六月
寸評)百歳の医師と詩人、歩いてきた道は違っても共感するところは多いに違いない。
B身に入むやスポーツジムに救急車
寸評)体を鍛えるためのスポーツジムに救急車とは。残念。
Cそれぞれの道一筋に文化の日
D草の実をつけて農学博士かな
E三代の湘南ボーイ七五三
F焼鳥の串で仕事を解説す
Gマネキンに話したくなる秋の暮
H信長に一声掛けし菊師かな
I菊日和ひとりで生きて叔母逝けり
★10句の中の私の眼
☆A百歳の医師と詩人や小六月
〜長寿社会とはいえ、多くは身体機能を犯され療養治療の人たち。そんな中で百歳で現役は頼もしい。
☆B身に入むやスポーツジムに救急車
〜健康を自慢していてもいつ倒れるか、高齢者。
☆D草の実をつけて農学博士かな
〜「植物博士かな」でないところに味がある。