朝日俳壇7/25
選者の〜選句

朝日新聞の毎週月曜日。文芸欄ー俳壇を四選者が担当している。金子兜太・大串 章・長谷川櫂・稲畑汀子の四氏である。
掲載する以上、学ぶ値打ちがなければならない。7/18号より俳界の力量を誇る金子氏、大串氏に学んでゆく。
10句を入選とし、そのうち一席、二席、三席、次点 の秀逸句に寸評を加えている。
選句=創作でもある。
大串 章・選
@合宿の声まで日焼けして帰る
寸評)嗄れ声にになったのは、声を張り上げて練習に励んだのだ。「声まで日焼け」が面白い。
A己が道行けと消えたる道おしへ
寸評)ここから先は自分で行けと道おしへが飛び去る。分かった!
B湖の明るさに蝉生れにけり
寸評)湖の輝きが見え、蝉の声が聞こえる。明るい句。
C花畑愚かな我に咲きて見よ
Dサングラスこころ小さくなりにけり
E香水をつけ若人の列に入る
F噴水の夜は妖しき灯をまとひ
G振れ止まぬ線量計や行々子
Hおはぐろの思ひ出してはひらひらと
・無季か?。この句には注釈がほしい。
I万緑や音楽室の弾けさう
・付き過ぎ の感。
★10句の中の私の眼
☆@合宿の声まで日焼けして帰る
〜真っ黒な体はもちろん「声まで」が生きている。
☆A己が道行けと消えたる道おしへ
〜発想の妙。諧謔もまじえて不意を突かれる。
☆B湖の明るさに蝉生れにけり
〜脱皮の瞬間の明るい状景。
金子兜太・選
@汗のごと明かりのごとく母ありぬ
寸評)母他界。喩えの重ねに独特の韻律あり。
・「母ありぬ」は現在形。他界はしていない、秀句。
Aみちのくの放射能降る半夏雨
寸評)半夏雨は七月二日頃、大雨多し。放射能禍のみちのくの人々の苦労はつのる。
Bうつくしや緑の和菓子インタビュー
寸評)中七の色彩感が得もいえない。
・「うつくしや」に主体(物や事)を置かなければ、不易性がない。
C他の老いのごと我も見えるや青簾
・詩的な表現であるが、ひとりよがりの感。
D天牛(かみきり)といふ里山の刺客かな
E茅花流し詩人リルケの羽箒
・選者の評がほしいところ。「茅花流し」と「羽箒」はどのように響き合うのか。読んでいなければ鑑賞できない。
F子の帰省ごとに増えゆく電子音
G自信といふ言い訳ほどの水着つけ
H老生は古色蒼然更衣
I万華鏡小部屋に上がる花火かな
寸評)十歳。万華鏡を覗いた句。
★10句の中の私の眼
☆@汗のごと明かりのごとく母ありぬ
〜苦労を面に絶対出さない母、しかも常に明るく振る舞う。寸評での亡くなってはいない。「ありぬ」は「・・・であります」の現在 形の断定。選者、多忙の故か 弘法筆の誤り(失礼)。
☆I万華鏡小部屋に上がる花火かな
〜部屋で万華鏡を見ている、また小部屋から遠くの花火が見えるのかも・・・含蓄がある一句。
☆F子の帰省ごとに増えゆく電子音
〜親の立場から。子供が帰るたびに買ってくる最新のディジタル製品。ありがたい一方使い慣れた古いものも捨てがたい。
十歳に脱帽と楽しみ。
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