キムケン先生 番外編 かおりとドラゴン -------------------------------------------------------------------------------- [1174] Re: 3年B組キムケン先生番外編 かおりとドラゴン その1  投稿者 : 有我 投稿日時: 1999年10月30日 11時12分 その夜、ドラゴン校長が帰宅すると妻のかおりが冷たい表情で出迎え、 「あなた、ちょっとお話があるの」と云った。「何だい、帰宅早々。おかえりぐらい 言えんのか」その言葉を無視し「じゃ、あなたの書斎で待ってますから」と スタスタ2階に上がって行った。ドラゴンはハ〜と溜息を吐き、 (やれやれ。学校ではひどい目に会い、帰宅すればこれだもんなあ) と愚痴りながら妻の後を追い、書斎に向かった。 「何だい?話しって」「ちょっと、これなーに?」かおりが一枚の紙切れを ピラピラ振りながら口をとんがらして云った。ドラゴンの給料明細だ。 「校長になったのに前とお給料が変わらないのはどういうワケよ。」 「いや、ま、校長なんてのは学校の為の滅私奉公というか、」 「あなた、回りに校長に祭り上げられて結局は利用されてるだけじゃないの?」 かおり、なかなか鋭い。「な、何を云うんだ、私はそれなりの信頼を受けてですね‥」 「信頼?なにやっても中途半端な人を誰が信頼するのよ。」 「ちゅ、中途半端っておまえ、」 「そうじゃないの。じゃあ聞きますけど!無我塾ってどうなったのよ」 「あ、あれは塾頭のニシムーラ君があんな事になって…」 「そうやってすぐ人のせいにする!じゃあその前の飛龍教育革命は?飛龍爆撃塾は?」 「…」「まったく何時も最初だけは調子いい事云って。無我塾だってうまくすれば いい副収入になるからってわたしの実家にまでお金借りて結局はダメじゃないの」 「い、いや無我塾は金儲けじゃなく、私の教育理念の実践の場として‥」 「だ・か・ら・!その御大層な理念の実践とやらも中途半端だっていってるの!」 「……」 「とにかく、校長になってこんな給料じゃ納得いきませんから!」 かおりの追求はまだまだ続く。 -------------------------------------------------------------------------------- [1175] Re: 3年B組キムケン先生番外編 かおりとドラゴン その2  投稿者 : 有我 投稿日時: 1999年10月30日 14時36分 「わたし、理事長に直談判してベースアップお願いしようかしら。」 「バ、バカ、あの人に金の話をしたら又人間不信かなんかいって失踪騒ぎになる。」 「バカとは何よっ!あなたがだらしないからわたしが何とかしようとしてるんじゃないの!あやまりなさいよ!!」 「す、すまん」 「だいたい苦しい家計を支えているのは誰だと思ってるのよ、わたしが 料理研究家としてがんばっているからでしょう?わたしの本だってあなたの変な本より ずーと売れ行きがいいんですからね(東販調べ)。」 「わ、わかったよ。給料の事は俺が理事長に交渉してみるから、な、約束するよ。」 「じゃあ、あの金喰い虫の無我塾は?」 「いま、学園が荒れて大変なんだよ、こういうときこそ私の長年の教育理念の結晶とも 云うべき無我の精神が求められている時ですよ。私はやります!やらせて下さい!!」 「ちょっと待って!ここで前髪切らないでよ、掃除が大変なんだから。」 「なんだよ、いい気持ちになって来たところだったのに。わかったよ、わかりました! 学園が落ち着いたら何とかしますって。」 「この場しのぎで云ってるんじゃないでしょうね?」 「ち、違うよ。実は無我塾は学園でもあまりよく思われてないんで なんとかしようと俺も考えていた所だったんだよ、信用してくれよう」 「本当ね?じゃ、いいわ。信用してあげる。」 「機嫌が直ったんだね、よかったよ。じゃあ、明日は日曜だし久々に 家族でドライブにでも行くかあ。そうだな、日光にしよう、紅葉がきれいだぞう。」 「日光にドライブですってえ?!」かおりの目が鋭く光った。 「冗談じゃないわよ!!」 折角のドラゴンの家族サービスなのに何故に怒る?かおり。 -------------------------------------------------------------------------------- [1176] Re: 3年B組キムケン先生番外編 かおりとドラゴン その2  投稿者 : 有我 投稿日時: 1999年10月30日 15時29分 「日光にドライブですってえ?!冗談じゃないわよ!!」 「何怒ってんだよ。」 「紅葉がきれいだなんて白々しい。あなた、東照宮に行きたいんじゃないの?」 「えっ、ち、違うよ紅葉だよ、紅葉。そりゃ東照宮に寄ってもいいけどさ、ははは。」 「フン。あなたの事なんてお見通しなんだから。最近辛い事が多いから家康のお墓の 前で又泣きたくなったんでしょ、違う?白状なさいよ!」 「そ、そうだよ、いいじゃないかあ。なにがわるいんだあ。」 「いちいち付き会わされるわたし達の身にもなりなさいって云ってんのよ!!」 「と、東照宮は偉大な文化遺産だぞ、そういうものに日頃触れる事によって 子供達の情操教育になると、いち教育者として俺はだな。」 「嘘おっしゃい、自分の趣味を私達に押し付けようとしてるだけじゃない。」 い、家康の偉大さが君にはわ、わからんのか!」 「わかんなくて結構。この前お盆休みに行ったばかりじゃないの。だいたいおかしいわよ、 お盆に自分とこのお墓行かないで家康のお墓参りに行くなんて。下の子なんて 家康が自分の死んだおじいちゃんと思ってるのよ。」 「す、素晴らしいじゃないですかあ。俺が天下を取る!という気概をですね、 天下人の祖父から学ぶ、これこそ私の教育理念の究極といいますか、」 「あなた、頭おかしいんじゃないの?家康は祖父じゃないでしょ!」 「そんなことはどーでもいいんです!」「はあ?」 「ズバリ云って男のロマンは理屈じゃねえんです!今子供達が危ないといわれてますが 非常にせせこましい現実のなかで夢も見れない、ひとつには近くに原っぱひとつないっていうか、なければ作ればいいじゃないかというね、、」 おおっ!どうしたドラゴン!にわかにイノキイズムが宿ってかおりに逆襲か?! せせこましい現実 -------------------------------------------------------------------------------- [1253] Re: 3年B組キムケン先生番外編・かおりとドラゴンその3 投稿者 : ビッグ・ジョン・女王 投稿日時: 1999年11月6日 15時51分 かおりとドラゴンの間に突如巻き起こったいつ、果てるとも知れぬエンドレスバウト。 あたかも、闘いのネバーエンディングストーリーと化した世紀の痴話喧嘩はまだ、 終わる気配を見せてはいない、、、、。 唐突に日光へのドライブや、アントン口調をブチ上げたりするドラゴンに対し、ついに かおりはこんな事を叫びだす始末、、、、。 「ちょっと、もう!いいかげんにしてよ!だいたい、なによ!あなたって極度のハナ声 の上に、早口過ぎて何言ってんだかさっぱりわかんないわよ!もうち少し落ち着いて 喋ったらどうなの!? 行動も全然脈絡が無いし私達家族の事も少しは考えて、、、、。」 と、ここまでまくし立てて、突然口をつぐむ かおり。ふと目の前のドラゴンを見ると、ドラゴンはまぶしいばかりの笑顔を浮かべて いるではないか!そしてやっぱり唐突にこんな事を言い出すのであった、、、、。 「ごめんな、かおり。君は料理も旨いし、自分にはもったいない位の百点満点の女房 だよ。いつも、ありがとう。」 「あ、あら、そんな事ないわよ、、、」 いきなりそんな事を言われ、キムケン先生よろしく頬をさくら色に染めるかおり、、、。 そして、ドラゴンはそのスキを見逃さずに、小包みを丸め込むように、ささやくのであった。 「かおり、、、、愛してるよ、、、、。」 見つめあう二人。そんな二人を祝福するかのように、駆け寄るおびただしい数のワンちゃん たち(推定101匹)!そして喜びのあまり、奇声を発しながら走り回るドラゴンジュニア(長髪)! と、いうわけで、 なんだかわかんないけど、おめでとう!ドラゴン!! だが、そんな幸せなドラゴンファミリーの前に立ちふさがる者が、、、、、。 ドラゴンの本当の闘いはこれからなのであった、、。 (つづきます) -------------------------------------------------------------------------------- [1254] Re: 3年B組キムケン先生番外編・かおりとドラゴンその4 投稿者 : ビッグ・ジョン・女王 投稿日時: 1999年11月6日 18時08分 喧嘩を始めた理由などすっかり忘れ、あっさり仲直りを果たした、ドラゴンとかおり。 そんな二人は仲睦まじくも、今日もNEW葵の間(ファンシー調)で語り合うのであった。 「あなた、この冬はこんなのはどうかしら?」 などと言いつつ、鮮やかなピンク色のセーターを広げるかおり。さっそくそれに袖を通す笑顔 のドラゴン。ふと見ると、首からくつ下までモニターがハレイションを起こしそうなピンク 一色に染まっているではないか。 「いやぁステキなセーターだねぇ、かおり。とっても、気に入ったよ。」 そして、おもむろにソファーに腰を下ろし、しみじみとつぶやくドラゴン。 「やっぱり、自分の城が一番だなぁ。もう本当に、あんな学校辞めてやろうかなぁ、、、。」 すっかり、ぬるま湯に浮かんだヘチマのようになってしまったドラゴン。 その目はまるで死んだ魚のようだ、、、。 と、その時やたらとヌケの良い怒声が突然にNEW葵の間(ぬいぐるみいっぱい)を突き抜けた! 「おいっ!フジナミィ!!」 ドラゴンが仰天して跳ね起きると、そこには小柄ながら異常にガタイのいい、どう見たって カタギには見えない男が、、、、。 ドラゴンはびっくりして思わず絶叫! 「あっ!高橋先生じゃないですか!!」 そう、この男こそかつて新日本学園留学生クラス担任兼、審判部副顧問としてラツ腕を 振るっていた、ピーター先生その人であった。しかし、なんでこんなところに? 次回!ドラゴンの城崩壊の危機! (つづきます、、、。) -------------------------------------------------------------------------------- [1258] Re: 3年B組キムケン先生番外編・かおりとドラゴンその5 投稿者 : ビッグ・ジョン・女王 投稿日時: 1999年11月6日 22時23分 ピーター先生はニタリとコクのある笑みを浮かべ、話しはじめた。 「いやぁ、フジナミィ!この前、坂口理事長に最近お前が元気無いって聞いたもんでな。 どうだ?フジナミィ!元気か?」 「えっ?いや、まぁ、、、、。」 曖昧な微笑みを浮かべる、ドラゴン。 「なんだ、どうした?フジナミィ!たまには俺の店で、まむしラーメンでも喰っていけよ! スタミナがつくぞ!おや、こっちの坊やにはまむしハンバーグの方がいいかな?」 などと、自分がオーナーを勤める「蛇精」のメニューをドラゴンジュニアにまで勧める ピーター先生。(ちなみに彼は、新日本学園で授業の時間割の取り決めを担当していたそう だが、長州教頭と意見の食い違いがあって、教員を退職したそうだ。) 「いや私は、赤坂ラーメンで充分ですから。」 申し訳無さそうに、遠慮するドラゴン。と、その時彼の全身を見たピーターは、表情を 一変させた! 「おい!フジナミィ!なんだその服装は!?」 なんだか怒ってるらしい、ピーター先生。 「いやぁ、これは女房のコーディネイトでして。なかなか、ナウイでしょ?」 デレデレと答えるドラゴンに、ピーター先生はこんな事を言いはじめるのであった。 「お、お前!守護色の持つ不思議なパワーの事を、何だと思っているんだ!?」 「は、はぁ?」 突然、怒り狂うピーター先生に目を白黒させる ドラゴン。 「いいか!フジナミィ!お前の守護色は断じてピンクでは無いぞ!」 そして、 ピーター先生の陽気な裸のギャングっぷりは ますます、ヒートアップしていくばかり、、。 (果てしなく、つづきます、、、。) -------------------------------------------------------------------------------- [1307] Re: 3年B組キムケン先生番外編・かおりとドラゴンその6 投稿者 : ビッグ・ジョン・女王 投稿日時: 1999年11月10日 01時20分 突然、血相を変えて怒りだすピーター先生を 見たドラゴンは、うろたえつつも指を三本 立てて確認するのであった。 「えっ?一体それは、どういう事ですか?」 ちょっぴりオカルトにも興味をもつドラゴン の好奇心が、ムクムクと頭をもたげてきた。 ピーター先生は首を左右にふりつつ も諭すように話すのであった。 「いいか、フジナミィ!お前、そのピンクの ファッションを身につけるようになってから なにか、いいことあったか?」 そんな事を言われ、ハタと何かに思い当たる ドラゴン。 「ははっ!そう言われれば、私の教員生活が どこかおかしくなり始めたのも、たしか かおりお手製のピンクのジャンパーを着て 学園に通勤するようになってからでは なかっただろうか?」 大きく、うなずくピーター先生。 「そうだ!フジナミィ!それにあの時歌って いた、あの変なハナ歌は一体なんなんだ? オレまで、恥ずかしかったぞ!」 蓄膿症の鼻をすすりながら、ガク然とする ドラゴン。その焦点の定まらぬ目で、ふと 庭を見渡せば、そこには奇声を発しながら ワンちゃん(マルチーズとか)を砂場に首だけ 残して埋め始めている、ドラゴンJRの姿が! 頭を抱えたドラゴンはつぶやく、、。 「かおりは最近怒ってばかりだし、子供は あんなだし、、、。やっぱりピンクが 悪かったのかなぁ、、、、。」 と、その時 晩ごはんの支度をしていた かおりのおでこが、鈍い光を放ちはじめた! ドラゴン、危うし!! (つづきます、、、、。) --------------------------------------------------------------------------------