オペラに関する用語集


オペラ・セリア

 セリアとはイタリア語で“真面目な”“厳粛な”を意味するが、正統、あるいは伝統に基づいたという意味で、『正歌劇』と訳される。
 内容はその言葉の意味するとおり、人間の真理や、宗教的、救済的な題材を取り扱ったものがほとんどで、大体は悲劇的内容を持っているが、中には喜劇的要素も織り込みながら、人間的ドラマを完成させて行く、総合的な内容を持つものもいくつかある。



インテルメッツォ

 オペラ・セリアの幕間に演奏された、30分から1時間くらいの小規模なオペラで、そのほとんどすべてが、風刺等を盛り込んだ喜劇的な内容が多い。



オペラ・ブッファ

 セリアの幕間に演奏された、インテルメッツォが爆発的な人気を得たことから次第に独立し、単独のオペラとして確立したのが、オペラ・ブッファである。
 ブッファとはイタリア語で“滑稽な”を意味し、その名の示すとおり喜劇的なオペラである。



グランド・オペラ

 グランドの“大きな”という意味が示すとおり、通常は【アイーダ】等のスケールの大きなオペラを呼ぶが、正式な意味で言うと、18世紀の初頭から、中頃にかけてフランスで流行した、絢爛豪華な舞台や、大掛かりなバレエ、大合唱などを含むオペラの一形式。しかし、規模が大きいわりには内容に乏しく、人気は急激に衰えた。




オペラ・コミック

 フランスのグランド・オペラとオペラ・コミックの関係は、イタリアのオペラ・セリアとオペラ・ブッファのそれに相当する。
 このオペラ形式が確立された当時は、言葉の示すとおりコミカルな内容のものだったが、現在では台詞と歌を併用するフランス風のオペラの総称して呼ぶ。
 分類上、悲劇的内容だがビゼーの【カルメン】などもオペラ・コミックにあたる。



楽劇

 一般にワーグナーの【トリスタンとイゾルデ】以後の作品を、楽劇(ムジークドラマ)と呼ぶが、ワーグナー自身は自分の作品をそう呼んではいず、この名称は、これまでの歌劇とは別の作曲理念に基づいて書かれた、彼のオペラを区別するために用いたとされる。



オペレッタ

 オペレッタは日本語で『喜歌劇』と訳されるが、オペレッタの“ッタ”はイタリア語で、小さなものを表わす時に付けられる接尾語であるので、本来的には『小オペラ』と訳すのが正しい。
 しかし、時代が進むにつれて、短く、気軽に楽しめる、よりわかりやすい、という経過を辿り、笑いとユーモアを持つ、ある特定のオペラを意味するようになる。
 オペレッタとオペラ(特にオペラ・ブッファ)と区別するのは容易ではないが、オペレッタの方が華やかな舞台、優雅なダンス等を折り込みながら、観客の目と耳を楽しませる点で、趣が異なる。
 ちなみにサン=サーンスはオペレッタのことを『オペラの堕落した、しかし魅力的な娘』と言っている。



ヴェリズモ

 19世紀後半のイタリア・オペラに起こった運動。現実派とも呼ばれる。
 イタリア語で“真実主義”という意味で、ゾラ、イプセンなどの文学上のリアリズムが音楽でも表現され、日常生活の現実的な出来事を扱った台本が選ばれた。
 マスカーニの【カヴァレリア・ルスティカーナ】、レオンカヴァッロの【道化師】が代表的な作品。プッチーニのオペラも抒情的な性格のヴェリズモの一つの変形ともいえる。



番号オペラ

 伝統的なイタリア・オペラは、アリア、二重唱、バレエなどとそれらを結ぶレチタティーヴォからなっているが、それらはテキスト上で初めから順に番号が付けられている。この形式を番号オペラという。
 この形式は19世紀初頭までもっとも一般的だったが、ワーグナーが激しく反対し、無限旋律を使用して、音の流れを一貫させ、楽劇を開始した。




ジングシュピール

 ドイツ語で『歌の演劇』という意味で、『歌芝居』とも訳される。
 18世紀後半、ドイツで行なわれた民族的な演劇で、歌が多く挿入された、喜劇的内容が特色。モーツァルトはこの演劇を芸術的な位置まで高めた。



シュプレヒゲザング

 レチタティーヴォのドイツ語訳。



レチタティーヴォ

 『叙唱』と訳される。オペラ、カンタータなどで、旋律を美しく歌っていくアリアに対して、語る方に重点がおかれる。アリア=歌だとすると、レチタティーヴォ=台詞、状況説明とか、ストーリーの展開を説明するときに用いられる。



アリア

 オペラや、カンタータなどで歌われる旋律的な独唱曲。アリアとは、もともと空気、呼吸さらに歌曲、旋律などを意味する。劇中人物がその気分を独白、普通の台詞を高揚させて歌にしたもの。



シェーナ

 劇的な迫力のある独唱で、劇唱と訳す。アリアほど詠嘆ではなく、レチタティーヴォほど叙述的ではない。普通はアリアの前に歌われる。



カバレッタ

 後期イタリア・オペラ(ヴェルディ)の、アリアや二重唱終わりの部分の、はやい同一リズムの部分をいう。

 ちなみに『椿姫』のアリア、【あぁ、そはかの人か〜花から花へ】は、シェーナ+カバティーナ、カヴァレッタ方式のアリアの名曲です。



タイトル・ロール

 主人公の名前が、オペラのタイトル名になっている作品の、その主役のこと。ローエングリン、アイーダ、トスカ、ドン・ジョバンニ等々。



ア・カペラ

 無伴奏の合唱曲。もとは“礼拝堂または聖堂ふうに”“聖堂のために”という意味。
 ゴスペラーズの曲はア・カペラですね。



オラトリオ

 背景・衣装、動作などは従わない、演奏会形式で上演される、宗教的な劇的音楽。舞台のない宗教的オペラと解釈していいかも。



リブレット 

 イタリア語でいう台本。オペラの台本をいう。



アンサンブル

 フランス語で「共に」の意味で、二人以上の重唱のこと。
 慣用語として、「アンサンブルが良い(悪い)」などと演奏のバランスや統一性をいう。



ゲネプロ

 ドイツ語のゲネラルプローペの略。管弦楽やオペラの舞台稽古をいう。ヨーロッパでは普通一般に公開される。



序曲

 オペラ、オラトリオ、バレー、組曲などの始めに演奏され、導入(イントロダクション)の役割をもつ器楽曲。近代では、演奏会用の独立した性格を持つ序曲もある。

 オペラで演奏される序曲は、オペラの主要場面の音楽で構成され、前もって劇内容を観客に暗示する役割を持つ。

 大抵、オペラなどの序曲は『(タイトル)』序曲、演奏会用の楽曲は序曲『(タイトル)』という表記がされているようですが、あんまりアテにならない。どれがオペラの序曲で、演奏会用の楽曲なのかはそれぞれの曲を覚えるしかないです。



前奏曲

 宗教的、世俗音楽作品において、開始ないしは導入の役目を果たす楽曲。
 他、組曲などの作品の冒頭に導入的役割を果たす。

 ワーグナーがオペラで使った前奏曲は、従来のオペラで演奏される序曲の器楽的なソナタ形式を拝し、直ちに楽劇の最初の場面を導く自由な形式を持つ。



ズボン役

 女性が演じる男性役をいう(ズボンはいているからね。カワイイよ)。
 『フィガロの結婚』のケルビーノ、『こうもり』のオルロフスキー公爵、『仮面舞踏会』の小姓オスカルなど。
 最近はそれらの役を、カウンターテナーの男性が歌うことも多い。



プリマ・ドンナ 

 イタリア語で「第1の女性」という意味を持つ。オペラや劇の主役女性歌手、主役女優のこと。男性は「プリモ・ウォーモ」という。



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