IF IEVER FALL IN LOVE  by SHAI  
        (イフ アイ エヴァー フォール イン ラブ / シャイ)

 〜100ドルの名曲〜


いわゆるR&Bの復活代名詞とも言えるボーイズ・U・メンは日本でも有名だけれど、彼らに匹敵する、ある意味「それ以上」のヴォーカル・グループと言えば、このSHAIだろうと思う。というか、個人的にはSHAIの方が上、だと思っている。

SHAIはハワード大学で英語、理学、音楽、政治学を専攻していた4人の学生によって結成された。多様性とバイタリティーを是とする途方もなくパワフルな国「アメリカ」ならではの生い立ちという気がする(少なくとも、日本でこのようなバイタリティーが受け入れられるだろうか!!すべての分野において。)が、彼らは順風満帆にスターダムにのし上がった訳ではない。デモテープを作りまくり、ニューヨークに出向き営業を続けるがどのエージェントからも契約を取り付けることができず、最後に残った100ドルで作った作品がこの「IF I EVER FALL IN LOVE」だった。100ドルでデモテープが出来たのは、アカペラだったから。でも、この曲がなんとビルボードなどのヒットチャートであれよあれよとベスト3に入ってしまったのだ。当然、だれも彼らの事などしらない。まさに、シンデレラ・ボーイズだった。

この曲、というより、この曲が納められている同名のアルバム、「IF I EVER FALL IN LOVE」は、93年のベストアルバムとも言われている名盤である。この100ドルの大ヒット曲のほかに、切ない恋をうたった「together forever」など、見事なハーモニーのコーラスとマークのソロボーカルが、エモーショナルに響き渡る曲がそろっている。

では、この曲は、というと、切ない男の恋心をうたったものだが、そのwordsとメロディーとコーラスがなんとも絶妙にマッチングしている。低音から高音までアカペラの和声は、寸分の狂いもな正確に音程を刻んでおり、全員が絶対音感を持っているのでないかと思ってしまうほどだ。それに合わせて、胸が張り裂けそうな想いをそのまま音にしたようなボーカルは、まさに「エモーショナル」という形容詞が合う。他のソウルの曲のようにゆるやかなビートとテンポがあるわけではなく、音そのものが耳に響いてくる、そんな曲だ。

2,500円は安い!是非聞いて欲しい。

 

Produced by TThara

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