短い復活・・・(2003.8.30)NEW




 ずいぶんと山に行かなかった。去年の9月に剣に行って以来山から離れ、正月に申し訳程度に日帰りで八ヶ岳に入ったが、それ以外の週末は芸術に明け暮れていた。ARIに入ってからずっと、週末と言えば山の事ばかり考えていたので、こんなにまとまって山から遠ざかったのは6年ぶりくらいだった。

 7月のとあるイベントが終わったら山に復帰しようと決めていた。まあ相当感覚は鈍っているだろうから、6月下旬頃から広沢寺×2、越沢×1に通った。と、岩に触ってみると・・・、はっきりいって感覚は前と全然変わらなかった。喜ぶべきか、悲しむべきか・・・(jj)。
 そもそも5.12が登れた訳ではないわけで、9か月程度山から遠ざかっていたといっても、落ちるべき技術がなかったのであった。悲しいことに。
ま、凡人なんてそんなものだわな。一度でいいから、「やっべ〜、全然岩触ってなかったら5.13登れなくなっちゃったよ〜、まいったまいった」とか言ってみたいものだ。

 で、8月の第1週、長引いた梅雨が明けるまさにその日に、めでたく復活山行、本ちゃんとなった。穂高/奥又であった。

 さて、技術は落ちる技術もないのであればそんなもんかという気もするが、じゃあ感覚的にはどうかということで、9か月も本ちゃんから離れていたらさぞや草木の緑や高所の涼やかな風が新鮮で懐かしく、感動に打ち震えるだろうと期待して上高地に入ったのだが、なんだかこれも前と全然変わりなかった。「ま、いつも変わらん景色やな・・・」ってなもんであった。我ながらなんとケチな性格をしているのだろうと思う。

 結局、技術も山の感覚も、すべて身体に染みついている感じなのだろうな〜と思う。あの入山前の緊張感も、バスターミナルで水を汲んで明神に向かって歩き出す感じも、明神、前穂の側壁を眺め、宮川谷、下又白谷、中又白谷と確認しながら梓川沿いの道を行く感じも。新鮮さというよりも、それが当たり前の景色のような、自分の中で接点がなくなることなどあり得ないような、そんな感じ。

 最近、我がARIアルパインクラブの中ではベビーブームで、誕生した我が子の名前に「岳」の字を付けた〜、きゃ〜とか華やいでいるが、「岳」の字のついた人間は所詮こんな、山にしか住めない感じであるという良いお手本かもしれない?








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