帰国〜雑踏の東京へ

2001.8.4〜5

 まだ夜は明けていない。ジュネーブ空港の駅を6:00過ぎに発つ電車でチューリッヒに向かうため、早起きする。1週間生活したこのベランダ付きのアパートともお別れ。窓から見えるシャモニの街や山ともお別れ。立ったままシャワーを浴びると水浸しになってしまうバスルームともお別れである。名残おしいなあ。至福の休日は本当に早く流れてしまう。
 昨日パッキングは済ませてあるので、着替えをし、歯を磨き、顔を洗って出発する。石崎さんとイチローにチューリッヒまで車で送ってもらう。体調の悪い雨宮さんはお留守番。駐車場まで見送りに来てくれて、そこで別れた。

 原が運転してジュネーブまで飛ばす。フランス領内のハイウエイは有料だったし、制限速度もあった。日本とかわらない。
 標識に導かれてジュネーブ空港に向かう。だいたい1時間もかからず着いてしまう。空港に入る手前で検問があり、パスポートと国際免許証を求められるが、ぐずぐずしていたら「Nationality?」と聞かれ、「Japan」と答えると通してくれた。他の国籍だととおしてくれないのかな・・・・。

 空港の
駐車場に入り、車を降りる。この駐車場の一台あたりの駐車スペースも狭い!日本の方がもっとゆったりしている。欧州は道幅も駐車スペースも日本より狭い。
 駐車場でイチローと石崎さんと別れる。じゃあね、と、まるで日本での山行の帰りにお別れするようなのと同じ感じで別れた。一昔前の海外旅行もままならない頃であれば、こんな空港での別れなんて一大イベントだったのだろうな、なんて思うけど、今は「じゃあね」って感じである。

 ジュネーブ空港の駅に降りると、丁度チューリッヒ空港行きのIC(インター・シティーというスイスの特急)が止まっていた。ホームにいる車掌さんからチケットを買い、乗り込む。席はガラガラでカフェでコーヒーとパンを買って朝食とした。
 途中でわんさか学生風の集団が乗り込んできて、一気に騒然としてきた。荷物の見張りもあるので「交代で寝ようね」と言っていたのに、豊山は結局空港まで爆睡しやがりました。

 チューリッヒ空港には早く着いた。残ったフランスフラン紙幣を換金し、残ったスイスフランでおみやげを買って食事をする。ヨーロピアンジャンクフードも食い慣れた。

 時間になり、シンガポール航空(SQ)に乗り込む。リコンファームが必要のない便だったけど、無事に乗れてホッとする。帰り便も二回の機内食と1回の軽食が出た。どれも結構うまかった。それから、やっぱり原は爆睡した。

 シンガポールでのトランジットタイムは2時間程度なので、空港でウダウダ過ごす。日本では沖縄のみにあるファーストフード店A&Wがあり、シンガポールドルのコインを使い切りたかったので入る。機内食でブロイラー状態になっているのにさらにジャンクフードを食べるのは苦しかったが、貧乏性には勝てなかった。

 シンガポールから日本へは全く昼間の飛行になるので、窓の外は明るい。でもやっぱり寝まくった・・・。

 やがて成田がコールされる。

 ラゲッジクレームで行きより重たくなったザックを拾い、成田空港を出る。Y−CATへのバスが出るターミナルからは夕焼けが見える。

 「さて」と心の中でつぶやく。
 明日から、日常に戻る。
 東京で、いつもの時間を刻む。




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