MY MY MY  by JOHNNY GILL  NEW
        (マイ マイ マイ / ジョニー・ギル)

 〜ゴスペル仕立ての天才シンガー〜


どうも早熟のシンガーというのは若くして「ベテラン」のイメージが定着してしまう。
ジョニー・ギルもそうで、モータウン的イメージが強いせいか、テンプテーションズとかアレサ・フランクリンとか、さらには僕にとっては神様のような存在のマービン・ゲイなんかと並べて考えてしまうけど、彼は僕と同世代。1966年生まれと聞くと、一瞬違和感を覚えてしまう。それは、彼のアーティスティック・インプレッションが完成されている証拠なのだろうね。なんたって5才の時から歌い続けているのだから。

ジョニー・ギルは5才の時からゴスペル・グループで歌い始め、早くから天才シンガーとして台頭。日本と違って才能のあるものはどんどん上にのし上がれるUSとはいえ、17才でデビューしちゃうのはやっぱり図抜けた才能の持ち主なのだろう。Boyz U Menのメンツにだって冴えない時代はあるのに、彼にはそんな臭いすら感じられない。もう、全身全霊、R&Bシンガーという感じである。

この曲は1990年、彼が24才の時のヒット曲。恋人への溢れんばかりの愛情を歌ったラブソングだけど、「you got me singin'」って彼の切ない声で奏でられると、やるせない自分の初恋の頃を思ってしまう。ベッド・インの前に君の顔を見てはっとして思わず立ち止まってしまうなんて、そして「君がステキ過ぎて、自分の目を疑ってしまうよ」なんて、ほとんど恋に目覚めた頃の甘酸っぱい思い出をかき立てるためにあるような曲だ。ホントに・・・。

というこの曲のプロデューサーは、あのベビー・フェイス。やっぱりやるもんだねえ。

ジョニー・ギルはニー・エディションっていうグループのボーカルも努めている。でも僕は彼にはもっともっとソロで歌って欲しい。大衆化していくR&Bの中で、マービン・ゲイの頃の臭いをずっとずっと備えていて欲しいと思う。




Produced by TThara

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