夏の終わり(2000.8.27)
この時期の山は、なんとなく、もの悲しい。
そろそろ空も高くなって、夏の入道雲もどっかいっちゃって、「はいはい、夏はおしまいね」、と言われているみたいだ。夏が行っちゃうのは、やっぱり寂しい。
今年は夏休みが取れず、というか、仕事で自分から新しいプロジェクトを立ち上げてしまったので取らず(^^;;;週末山行だけだった。それでも、去年に比べたらかなり登れた。北尾根、甲斐駒、唐幕、滝谷・・・・。その他、フリーのゲレンデ等々・・・。いつも7月は「おピアノ」の演奏会があるので、その前は「病がちなおぼっちゃま」になりきり山を控えて弾き込むのだが、それを考えてもかなりの収穫だったと思う。休みを取れる年が登れる年とは限らないのだなあ。
なぜ登れたかというと、天気に恵まれたのだ。この一言につきる。
この夏、週末は本当に天気が良かった(お盆の土日は台風だったけど、丁度良く僕は海に出ていた(^^;;;)。
夏じゃっ!という太陽が燦々と降り注ぐ、最高の天気ばかりだった。だからこんなに登れた。うん、良かった良かった。
この夏真っ盛りの時期、僕はアルプスの裾野に広がる田園風景を見るのが大好きだ。
夏のまぶしい太陽を照り返す青い稲田。風に葉裏がそよぎ、そのかすかな音と波が広がってゆく。
という風景に、山から降りてきた後の心地よい疲労感とビールがあったらもう最高。これぞ夏の醍醐味!と言う感じである。
そんな夏が過ぎ去ってしまうのは、やっぱり寂しいのだ。一年中で一番ビールが旨い季節が行っちゃうなんて。
でも、嬉しいことも一つある。
何かというと、この夏の時期に山で異常繁殖する「化粧ババア」がいなくなることだ。
少しのおしゃれとして、口紅は許す。日焼けの心配もあるだろうから、白塗りも許す。
だがしかし、山で目を青くしたり、頬に紅をさしたりする必要がどこにあるのじゃ!!!!
おお、いやだ。
ただでさえ中高年登山ブームで、一般従走路にはオババやオジジがうようよいるのに、その中にそんな「化粧化け物」がいると、ほとんど憤死しそうになる。
そういうババアは、小屋に着くやいなや「どこにそんなもの入ってたのじゃ!」と卒倒するような量のお菓子を広げ、井戸端会議を始め、お茶が済むと小屋の窓ガラスを鏡代わりにしてべっとり口紅を塗り出すのだ。窓ガラスの内側にいた人、心中お察し申し上げます。まさか臨終していないでしょうね。
某A氏が、「そもそも穂高はハイキングの山ではない。それだのに、梯子やら鎖やらをかけ、無理矢理道を整備してハイキングコースにして誰でも登れるようにしている。だから事故が起きる。」といっていた。
いまや小屋は夏に訪れる中高年登山者によって一年の収入を得ている状態だし、今さら穂高の梯子をはずせ!とは言わないが、せめて化粧はおとしてくれい!と言いたい。幸い、ロッククライミングルートにそのような「化粧化け物」は出現しないが、それでもアプローチで出くわすとせっかくのアルペン気分も台無しである。
そんな化粧ババアも、夏と共に山を去っていく。わーい、わーい。
というわけで、秋も楽しみである。とりあえず、紅葉のバットレスなんて良いなあ。
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