| 節足動物門(ARTHROPODA)(計50種) | ||
| ●甲殻類(CRUSTACEA) | ||
| ○蔓脚類(CIRRIPEDIA)(8種) | ||
| ・カメノテ(Capitulum mitella (Linnaeus)) ミョウガガイ科 | ||
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生息環境:岩礁海岸の岩の隙間に固着。 | |
| メモ:岩礁海岸の少ない東京湾ではほとんど見られない。これをみそ汁の具にすると美味いと言うが、本当だろうか。 | ||
| ・イワフジツボ(Chthamalus challengeri Hoek) イワフジツボ科 | ||
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生息環境:テトラポット,消破堤,岩などに固着。 | |
| メモ:小型だが多数が密集して岩などに付着し、岩肌が見えないほどになる。体色は全体に灰色である。海水が直接浸ることは少なく、波や飛沫がかかる程度の高所に分布する。東京湾各地で見られるが、湾奥よりも比較的湾口に近い沿岸の岩に見られる印象がある。 | ||
| ・クロフジツボ(Tetraclita japonica Pilsbry) クロフジツボ科 | ||
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生息環境:岩礁海岸の岩に固着。 | |
| メモ:「クロフジツボ」という名ほどに黒くないような気がする。東京湾では少ない。殻板に他のフジツボがびっしりくっついているものも見られる。 | ||
| ・シロスジフジツボ(Balanus albicostatus Pilsbry) フジツボ科 | ||
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生息環境:内湾の潮間帯の転石,杭,カキ殻,大型カニ類の甲,護岸などあらゆる物体に付着。 | |
| メモ:周殻(まわりの殻)は灰青色の地に白色の筋が入っている。フジツボ類の中では比較的干出時間が長い、高い位置に分布しているが、イワフジツボほど高くはない。海水に浸かると真ん中から熊手のような脚を出して懸濁物を捕食する。飼育下でしばしば脱皮した抜け殻を見るが、脱皮のプロセスを確認したことはない。どのようにして外側の殻を大きくするのかも謎である。東京湾のおよそどこでも見られる。 | ||
| ・タテジマフジツボ(Balanus amphitrite Darwin) フジツボ科 | ||
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| ・アメリカフジツボ(Balanus eburneus Gould) フジブボ科 | ||
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生息環境:潮間帯の構造物に付着。 | |
| メモ:シロスジフジツボに比べて比較的水没時間が長い、低い位置に分布している。周殻(まわりの殻)は白色。楯板(真ん中の殻)外面の生長線を横切る筋がある。名前どおりアメリカからの帰化種。 | ||
| ・ヨーロッパフジツボ(Balanus improvisus Darwin) フジツボ科 | ||
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生息環境:潮間帯の構造物に付着。 | |
| メモ:周殻は白色。形態はアメリカフジツボによく似ているが、楯板外面の生長線を横切る筋がないことから見分けることができる。と言っても、同定にはあまり自信がない。名前どおりヨーロッパからの帰化種である。普通はもっと白っぽい体色らしい。 | ||
| ・アカフジツボ(Megabalanus rosa (Pilsbry)) フジツボ科 | ||
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| ○端脚類(AMPHIPODA)(1種) | ||
| ・マルエラワレカラ(Caprella penantis Leach) ワレカラ科 | ||
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生息環境:潮下帯〜潮間帯の藻類にしがみついている(?) | |
| メモ:ワレカラの仲間で、鰓(えら)が丸いのが特徴。写真では中央の、薄い色の二つの丸が鰓。オゴノリなどの海藻にしがみついているようだが、あまり探してみたことがないので何とも言えない。体長は1cm程度。ナナフシのように海藻に似た姿をしていて擬態(ぎたい)している。 | ||
| ○等脚類(ISOPODA)(3種) | ||
| ・イソコツブムシ(Gnorimsphaeroma rayi Hoestlandt) コツブムシ科 | ||
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生息環境:内湾の干潟。潮間帯の蛎殻の隙間や転石の裏など。 | |
| メモ:体長が3〜4mm程度のダンゴムシのような生物。写真の個体は蛎殻に付いたコウロエンカワヒバリガイ(右下の黒い部分)とタマキビ(左上)の隙間に頭隠して尻隠さずの状態。つまみ上げるとダンゴムシのように丸まる。何を食っているのだろう。 | ||
| ・シリケンウミセミ(Dynoides dentisinus Shen) コツブムシ科 | ||
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生息環境:湾口の岩礁。潮間帯の岩の隙間。 | |
| メモ:体長3〜4mm程度のダンゴムシのような生物。と言ってしまうと、イソコツブムシと何が違うのか分からないようだが、本種には尻に剣状の突起がある。写真で右側に少し突き出ている部分がそれにあたる。また、ウミセミという名のように、尻に羽のような構造を持つ。 | ||
| ・フナムシ(Ligia exotica Roux) フナムシ科 | ||
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生息環境:垂直護岸,防波堤,河口域の潮上帯など。岩の隙間,ゴミや流木などの漂流物の周辺。 | |
| メモ:長い触角で餌を探して徘徊する。護岸や防波堤で多く見られる。湿った場所でも見られるが、比較的乾いた場所でも見られ、水中には入らない。人影が近づくと俊敏に逃げる。ゴミくずなどを食べているようだが、詳しく見たことはない。体の前半分と後半分を別々に脱皮する。 | ||
| 主観:触覚や動きなど、雰囲気がどことなく陸のゴキブリに似ている気がする。でも、ゴキブリよりも圧倒的に多い。こんな数でゴキブリがいたらおそらく非常にショックを受けるだろう。くわばらくわばら。 | ||
| ○コエビ類(CARIDEA)(5種) | ||
| ・スジエビ(Palaemon paucidens de Haan) テナガエビ科 | ||
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| ・ユビナガスジエビ(Palaemon (Palaemon) macrodactylus Rathbun, 1902) テナガエビ科 | ||
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生息環境:河口域の流れのゆるいところ。 | |
| メモ:鉗脚(ハサミ脚)が長い。同種間で喧嘩する場合、この鉗脚を水平に開いて長さを競う様子が水槽中で観察された。アゴヒゲナガゾウムシの喧嘩に似ている。 | ||
| 写真:写真は水槽で飼育している個体。バックにニセクロナマコが写っているが、本来は一緒に生息することはないと思う。 | ||
| ・テッポウエビ(Alpheus brevicristatus de Haan) テッポウエビ科 | ||
![]() ![]() |
生息環境:湾口内湾の岩礁構造付近の潮下帯。 | |
| メモ:左右の鉗脚(ハサミ脚)の形が異なる。体色は全体に褐色を帯びる。ザリガニに似ている。鉗脚を使って音を立てる。 東京湾ではあまり見かけない。 |
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| ・イソテッポウエビ(Alpheus lobidens de Haan) テッポウエビ科 | ||
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生息環境:湾奥内湾の蠣礁の転石下。 | |
| メモ:左右の鉗脚(ハサミ脚)の形が異なる。テッポウエビよりも体が小さい。 鉗脚を使って「パチパチ」と音を鳴らし、敵を威嚇する。 飼育下でで長生きする。何を食っているのかは謎である。 |
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| ・エビジャコ(Crangon affinis de Haan) エビジャコ科 | ||
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生息環境:東京湾全域の内湾の干潟で見られる。潮間帯の塩だまりや低潮帯にいる。 | |
| メモ:鉗脚(ハサミ脚)がシャコに似た鎌の様な形をしている。体色は砂模様にそっくりで、一見、底質と見分けがつかない。 | ||
| ○アナジャコ類(THALASSINIDEA)(3種) | ||
| ・ハサミシャコエビ(Laomedia astacina de Haan) ハサミシャコエビ科 | ||
![]() ↓巣塚 ![]() |
生息環境:河口域の高潮帯。泥干潟やヨシ群落の臨縁部付近の底質に穴居。円錐形の塚を作る場合と、転石やゴミの裏などに穴居する場合がある。 | |
| メモ:体色は黄褐色で、形態はザリガニに似る。左右同形の鉗脚を用い、ブルドーザーの様にして泥を運び、比較的浅い巣穴を掘る。 固形物を食べる様子は見られず、しばしば水を循環させていることから懸濁物食者であると思われる。だが、小ビンに2個体入れて飼育したところ、数日後に1頭になってしまったことから、ひょっとすると鉗脚を使って他の生物を補食することがあるのかも知れない。要精査。飼育下で長生きする。 夏に採取しようと思ったら、全く見つからなかった。夏期は深く潜っているのかも知れない。 |
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| 名前:名前だけ聞くとシャコの仲間なのかエビの仲間なのか正体が知れない。さらに、以前はヤドカリの仲間だとされていたというからますます面白い。 | ||
| 巣塚:頂上に穴が開いており、成層火山の様な形をしている。チゴガニが同居していることもある。 | ||
| ・ニホンスナモグリ(Nihonotrypaea japonica (Ortmann)) スナモグリ科 | ||
![]() ↓水中の孔道入口 ![]() |
生息環境:東京湾全域の入江や前浜干潟の中潮帯。砂泥底に穴居。 | |
| メモ:体色は薄黄色。片方の鉗脚が極端に大きいが、いわゆる「伊達バサミ」である。体はハサミシャコエビに比べて柔らかく軟弱。鉗脚以外の胸脚も先端部が特徴的な形態をしており、砂泥を固めて造巣するのに適している。砂泥を突き固める際に、口から粘液を出して砂泥と混ぜ合わせている様な仕草が見られる。 しばしば頭胸部にオレンジ色の生物が寄生しているのが見られる。 巣穴は砂泥底中に縦横に巡らされており、深さは1m程あるらしいが、30cm程度までしか確認したことがない。穴の出口付近には中から吹き出した砂泥が円形に溜まって見られる。掘り出すと、「砂潜り」と言うだけあってすぐに砂の中に潜ろうとする。 一見、懸濁物食者のように見えるが、実は底泥を掘りながらにして食べるという堆積物食者であるらしい。 |
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| 蛇足:潮干狩りをしている子供がニホンスナモグリを捕まえて「エビだ〜!」と言って喜んでいるのをよく見かける。子供は素直だと思う。 | ||
| ・アナジャコ(Upogebia major (de Haan)) アナジャコ科 | ||
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生息環境:東京湾全域の河口域の低〜中潮帯。砂泥底に穴居。 | |
| メモ:左右同形の鉗脚をもつが、不動指は可動指に比べて短く、挟まれると痛い。
眼は白く、退化している様に見える。 巣穴はほぼ垂直に深く掘られており、5mにも達するらしいが、実際の深さを確認したことはない。体長1cm程の幼個体の巣穴を確認したところ5〜10cm程度であった。巣穴は地上付近でY字形をして出口が2ヶ所あるとされているが、数ヶ所ある場合もあると思われる。 また、巣穴にいる時の体色は褐色だが、水槽で飼育していると青色になった。 春に抱卵し、初夏には幼個体が多数見られた。飼育は困難。食用。懸濁物食者。 |
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| 呼び名:「シャク」という地方名があるらしい。 | ||
| ○異尾類(ANOMURA)(4種) | ||
| ・テナガツノヤドカリ(Diogenes nitidimanus Terao) ヤドカリ科 | ||
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生息環境:湾口の砂質干潟の低潮帯〜潮下帯。 | |
| メモ:左のハサミ脚が大きい。イボキサゴの貝殻をかぶっていることが多いらしい。最近本種がユビナガホンヤドカリでないことを知った。 | ||
| ・ホンヤドカリ(Pagurus filholi (de Man)) ホンヤドカリ科 | ||
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生息環境:湾口の岩礁海岸。 | |
| メモ:体色は濃緑色。歩脚の指節が白く、短い。比較的きれいな海水を好み、東京湾内では湾口付近に分布する。右のハサミが大きい。 | ||
| ・ユビナガホンヤドカリ(Pagurus dubius (Ortmann)) ホンヤドカリ科 | ||
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生息環境:湾奥の河口域,入江,前浜干潟,護岸下,消破堤など様々な渚の底質表面。 | |
| メモ:歩脚の指節(先っぽの部分)が前節(先っぽの次の節)よりも長い。ハサミ脚は右の方が左よりも大きい。低潮帯から高潮帯まで見られ、干潮時には岩の窪みや転石のわきなどに群がる。湿気を帯びたスポンジなどの漂流物の下に多く集まることもある。ホソウミニナ,イボニシ,アラムシロガイ,ツボ類などの巻貝の殻をかぶっている。雑食性で、動物の遺体や海藻類などを食べる。東京湾内ではホンヤドカリよりも湾奥に分布する傾向があるようだ。 | ||
| ・フトウデネジレカニダマシ(Pisidia serratifrons (Stimpson, 1858)) カニダマシ科 | ||
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生息環境:湾口の岩礁。 | |
| メモ:体色は全体に褐色。触覚が長く、片方の鉗脚が異常に大きい。鉗脚の指部がねじれているのが特徴らしい。東京湾ではあまり見かけない。 | ||
| ○短尾類(BRACHYURA)(26種) | ||
| ・キンセンガニ(Matuta lunaris (Forskal)) カラッパ科 | ||
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生息環境:砂浜や砂質干潟の潮下帯。砂底中に潜っている。 | |
| メモ:体色はくすんだ黄色の地に黒褐色の斑点模様。歩脚は泳脚となっているが泳ぎはジタバタとしてあまり上手ではなく、むしろ砂中に潜るのに便利の様だ。甲は円形で、両端に大きな棘が一本ずつある。普段は砂中に潜っているためなかなか見つからないが、投網をしたらかかった。写真の個体は左第四歩脚が欠損している。 | ||
| ・マメコブシガニ(Philyra pisum de Haan) コブシガニ科 | ||
![]() ↓♀を奪い合う♂(servius氏提供) ![]() |
生息環境:東京湾全域の前浜干潟の低潮帯から潮下帯で砂泥底中に潜伏。 | |
| メモ:砂質干潟の低潮帯から潮下帯で水没時に頻繁に見られる。コブシガニ科のカニの中では最も浅い海域に生息している。鉗脚が歩脚に比べて大きく、甲は半球形。体色は白色地に灰色や赤褐色などの模様が入るものが多い。雄個体が雌個体を腹に抱えていることがある。また、雌個体以外にも雄個体や丸い石などの様な球形の物体を抱きかかえようとする習性がある。横歩き以外に縦に歩くこともある。昼間よりも夜間に行動する傾向がある。触れると体を硬直させて死んだふりをする。肉食性。'04は東京湾各地の渚で多い。 | ||
| 呼び名:「タマコブシガニ」と呼ぶ人がいた。自分としては甲羅の形から「ガイコツガニ」などと呼んでいた。 | ||
| ・イッカククモガニ(Pyromaia tuberculata (Lockington)) クモガニ科 | ||
![]() |
生息環境:湾奥の内湾の潮下帯。礁破堤などにしがみついている。 | |
| メモ:一見動きが鈍いが、危険がなくなると以外と素早く動く。帰化種。 | ||
| ・ノコギリガザミ(Scylla serrata (Forskal)) ガザミ科 | ||
![]() |
生息環境:内湾の浅海域と思われる。(隣の釣り人に見せていただいたもののみ確認) | |
| メモ:体色はほぼ黒色で、鉗脚が甲に不釣り合いに大きい。指部は青紫色を帯びる。ハゼ釣りの針に掛かったというものを見せていただいた。写真中央がノコギリガザミ。上がイシガニ。右がケフサイソガニ。いずれ自ら捕獲して確認したい。 | ||
| ・タイワンガザミ(Portunus (Portunus) pelagicus (Linnaeus)) ガザミ科 | ||
![]() ↓二の腕の3つの棘が特徴 ![]() |
生息環境:内湾の浅海域と思われる。(打ち上げられた死骸や抜け殻のみを各地で確認) | |
| メモ:体色は雌雄で異なるらしい。写真の個体はおそらく雌で、体色は濃緑色地に黒色の斑紋を帯びる。雄の場合、青や紫の華やかな色合いとなるが、これはほとんど見たことはない。また幼体は雌と同じように濃緑色の地味な色である。鉗脚の長節内側(ハサミ脚の二の腕)に3つの棘をもつ。甲はレモン型。東京湾内の各地の渚で見られるが、干潮時には抜け殻しか見つからない。引き潮時に幼体が深い方に逃げていくのを見ることができる。 一方、これとよく似たガザミはなかなか見られない。つい最近まで、タイワンガザミを見つけてガザミだと勘違いしていた。ガザミは近年では少なくなっているらしい。ガザミの体色はタイワンガザミの幼体や雌と似ているらしいが、ハサミ脚の二の腕に棘が4つあることで見分けることができるらしい。 ガザミはどこにいるのだろう〜? |
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| ・イシガニ(Charybdis (Charybdis) japonica (A. Milne Edwards)) ガザミ科 | ||
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生息環境:湾奥の消波堤下などにいる。 | |
| メモ:やや小型のガザミ。第4歩脚は遊泳脚となる。美味であるとされ、好んで食用とされる。 | ||
| ・チチュウカイミドリガニ(Carcines mediterraneus) ガザミ科 | ||
![]() |
生息環境:内湾の河口域や入江などの低潮帯から潮下帯。 | |
| メモ:ガザミ科に属すが第四歩脚が遊泳脚ではなく歩脚である。体色は緑色を呈すが、大型個体は緑褐色になることもある。低潮帯の転石下で見かけることもあるが、多くは潮下帯で見られ、しばしばハゼ釣りの餌にかかる。二枚貝や他のカニなどを捕食するらしい。和名のとおり地中海からの帰化種であり、東京湾各地の渚で多くがみられる。イシガニと間違えられることが多いようだが、第4歩脚の形が異なることや、甲がやや縦長であることなどから区別できる。食用になる。 | ||
| 呼び名:食用にするために獲っていたら友人に「何というカニか?」と訪ねられた。「チチュウカイナイスミドルガニと言うようです」と答えたら「へ〜」と言われた。呼び名なんて何でも良いのかも知れないと思うと、面白い。 千葉ポートパークで出会ったおっちゃんは「クソガニ」と呼んでいた。 |
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| ・オウギガニ(Leptodius exaratus (H. Milne Edwards)) オウギガニ科 | ||
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生息環境:湾口に近い岩礁や消波堤。潮間帯の岩陰に生息。 | |
| メモ:甲羅が扇形をしている。甲幅3cm程度。体色は変異が大きく様々。ハサミ脚の指部が黒いことが特徴。また、図鑑を見るとよく似たものにトガリオオギガニという種がいるが、トガリオオギガニは眼の間が著しく出っ張っているらしい。 湾奥にはあまりいないように思えるが、青潮直後の千葉ポートパークでは本種らしきカニが消波堤の干出したところに出てきていた。普段は潮下帯に潜っているのかも知れない。 |
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| ・モクズガニ(Eriocheir japonicus (de Haan)) イワガニ科 モクズガニ亜科 | ||
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生息環境:河川淡水域で成長し、河口域で産卵。 | |
| メモ:河口で見られる比較的大きなカニ。秋から春にかけて産卵のために河口に集まってくる。「ズガニ」、「ヤマタロウガニ」などの地方名で呼ばれ、美味とされる。が、未だにうまい個体に出会ったことがない。旬の時期を外していたり、衰弱した個体だったりしたのだろうか。近縁種のシナモクズガニが「上海ガニ」の名でしばしば売られているから、これを先に試してみようかと思う。肺吸虫という寄生虫がいるらしいので、じゅうぶん熱を通した方がいいらしい。 | ||
| ・イソガニ(Hemigrapsus sanguineus (de Haan)) イワガニ科 モクズガニ亜科 | ||
![]() ↓ハサミ脚つけねの袋状構造 ![]() |
生息環境:岩礁海岸の転石の裏,消破堤,岸壁下など。 | |
| メモ:体色が赤褐色や紫色、緑色や白のまだら模様で特徴的である。雄個体には、ハサミ脚の可動指のつけね付近に袋状の構造をもつ。前側縁には歯が3つある。肉食傾向で、魚の死体などを食べる。岸壁下の転石の隙間やテトラポットの隙間などに多く見られる。青潮発生時にも白濁した海水中で生きていたことから、悪環境に対する耐性が強いことが推測される。 | ||
| ・ケフサイソガニ(Hemigrapsus penicillatus (de Haan)) イワガニ科 モクズガニ亜科 | ||
![]() |
生息環境:湾奥の河口域や入江。泥質干潟の低〜中潮帯の転石下や蠣礁の隙間。 | |
| メモ:雄個体の鉗脚に毛が密に生えている。雑食性で、海藻や動物の死骸などを食べる。体色は灰褐色で比較的地味な印象を受けるが、大きな雄個体の鉗脚はやや赤みがかる。内湾の転石下や蠣礁に極めて多く見られる。ハゼ釣りをしているとしばしば餌のゴカイにしがみついてくる。初秋には抱卵している個体も見られた。 | ||
| 呼び名:「クソガニ」という地方名があるらしい。 | ||
| ・ヒライソガニ(Gaetice depressus (de Haan)) イワガニ科 モクズガニ亜科 | ||
![]() ↑小型個体 ↓大型個体の腹側 ![]() |
生息環境:湾口の岩礁海岸や転石海岸。 | |
| メモ:一見、ケフサイソガニに似ているが、甲が平らなので見分けられる。小型個体では白と黒の模様が見られ、大型個体では赤色である。成長の過程でどうやってここまで体色が変化するのか未確認。ケフサイソガニの小型個体も白と黒の模様のものがあるため、間違えられやすい。東京湾においては、湾口の渚で本種が優占し、湾奥の渚でケフサイソガニが優占する傾向があるようだ。 | ||
| ・アカテガニ(Chiromantes haematocheir (de Haan)) イワガニ科 ベンケイガニ亜科 | ||
![]() |
生息環境:河口域の土手や後背湿地の植物群落内。 | |
| メモ:大きな個体では基本的に鉗脚が赤い。甲まで赤い個体や、額より前方が赤く後方は黒褐色で境界が黄色い個体など、体色に個体差が見られる。小さな個体では体色は地味なものが多い。前側縁には歯がなく、額は直線的である。甲の中央の窪みが深く、ニッコリ笑っている顔のように見える。ベンケイガニの仲間では陸生に最も適応しており、山地でも見られるとされているが、海辺付近以外ではまだ見たことがない。夏の大潮満潮時に海辺に来て放仔するらしい。穴居するかどうかは未確認。雑食性。 | ||
| ・クロベンケイガニ(Chiromantes dehaani (H. Milne Edwards)) イワガニ科 ベンケイガニ亜科 | ||
![]() ↓脚の剛毛 ![]() |
生息環境:内湾の河口域の潮上帯。後背湿地のヨシ原周辺の底質に穴居。しばしば護岸の岩陰にも見られた。 | |
| メモ:河口付近のヨシ原で大変多く見られる。体色は黒紫色で、鉗脚の指部は白色ないし乳白色を帯びる。大型個体では鉗脚の腕部周辺が紫色になる。脚には剛毛が目立つ。河口のヨシ原に生息するが、アシハラガニよりも淡水の影響が多く塩分の少ない場所に分布し、棲み分けている。逆に、ほとんど海水の影響がない内陸の河川敷にも生息していることがある。アカテガニと同じ属に分類されており、前側縁に歯がない点でもアカテガニと共通しているが、全体の見た目はベンケイガニに似ており、しばしばベンケイガニと同所で見られる。夏期に抱卵する。雑食性。 | ||
| 蛇足:「黒弁慶」という名前の響きから、随分凄そうな印象を受ける。「裏弁慶」というような悪役のイメージ。また、数が多いためであろうか、「クソガニ」という地方名もあるらしい。とにかく、河口域のヨシ原で多く見られる。他のカニが全く見られない鉄の護岸などにも隙間を見つけて棲み付いている。さらに驚いたことには、海から19km離れた松戸市内の江戸川河川敷にまでも見られる。日本産のカニはサワガニを除いて、海で幼生期を過ごすと聞いているが、クロベンケイガニも同じはずである。あまり水中に入ることが見られない本種が一体どのようにして19kmも河を遡っているのか謎である。 | ||
| ・オオユビアカベンケイガニ(別称:クシテガニ)(Parasesarma plicatum (Latreille)) イワガニ科 ベンケイガニ亜科 | ||
![]() ↓鉗部は紅色 ![]() |
生息環境:内湾の河口域の高潮帯から潮上帯。石垣護岸の岩陰や後背湿地のヨシ原周辺の物陰に穴居。 | |
| メモ:石垣護岸の隙間にカクベンケイガニとともに見られることもあるが、後背湿地のヨシやアイアシの群落内で穴居して見られることが多い。流木などの漂流物の陰に潜んでいることもある。他のイワガニ類に比べて密度が低い。体色は地味なまだら模様だが、鉗部は紅色を呈し、指部は特に濃い。可動指上部に8個程の顆粒が見られる。歩脚は比較的平たい。前側縁には歯がない。動きが素早く、素手で捕獲することは難しい。雑食性だと思われるが、他の甲殻類などを捕食する様子は未確認である。夏期に抱卵する。 | ||
| 蛇足:鉗脚の紅色が分かるような生態写真を撮ろうと何度も試みたが、素早く逃げ回るためになかなか良い写真が撮れなかった。逃げていくオオユビアカベンケイガニを追ってヨシ原の中を走ること数知れず、そのたびにまかれた。逃げ足の早いカニである。クシテガニという和名はユーモアがあって可愛いと思う。近縁種のユビアカベンケイガニは未だ見たことがないが、アカツメガニという別名を持つらしい。櫛手も赤爪もおしゃれで良い。 | ||
| ・カクベンケイガニ(Parasesarma pictum (de Haan)) イワガニ科 ベンケイガニ亜科 | ||
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生息環境:内湾の河口域の潮上帯。石垣護岸の岩陰や土手に穴居。 | |
| メモ:河口の護岸では見られるが、岩礁では見られない。体色は黒褐色に白や褐色の細かい斑点があり、一見、火山岩の様な模様を呈している。近づくと俊敏に岩の透き間に隠れるため、捕獲しづらい。鉗脚は薄い赤色をしており、上縁に15個程の顆粒が並んでみられる。前側縁には歯がない。雑食性であり、茹でたうどんも食べる。 | ||
| 呼び名:勝手に「カドベンケイ」と呼ばせてもらっている。角張っているイメージ。 | ||
| ・ベンケイガニ(Sesarmops intermedium (de Haan)) イワガニ科 ベンケイガニ亜科 | ||
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生息環境:河口域の潮上帯。後背湿地の植物群落内の底質や土手に穴居。 | |
| メモ:全体的に赤い体色で、甲は赤褐色、脚は橙色を呈する。小型個体では赤みが薄い。アカテガニに次いで陸生に適応しているらしい。しばしばクロベンケイガニの群に混ざって見られるが、巣穴はクロベンケイガニよりも高所で水がかぶることのない場所に掘る。前側縁に歯が1つある。眼は白い。まれに、流木や大きなゴミの裏などにつがいで生息している場合がある。 | ||
| 蛇足:クロベンケイガニの群の中にベンケイガニを見つけると紅一点、際だって見える。大将の風格を感じる。 | ||
| ・アシハラガニ(Helice (Helice) tridens tridens (de Haan)) イワガニ科 ベンケイガニ亜科 (分類群変更?) | ||
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生息環境:河口域の低〜高潮帯。クリークやヨシ原の泥底に穴居。 | |
| メモ:体色は灰褐色を呈する。鉗脚はクリーム色をしており、脚の節は橙色を帯びる。小さな個体は黒褐色を呈する。ヨシ原やその臨縁部の泥底に穴居するが、ゴミの陰に群れて隠れていることも多い。しばしば、採餌のために低潮帯で群れる。前側縁に歯が3つ程ある。眼下に顆粒が多数あり、鉗脚を擦り合わせて音を鳴らすと言われているが、いまだ聞いたことはない。鉗脚は巨大強靱で、他の生物を生きたまま補食する恐るべきカニである。植物遺体なども食べるが、他のカニと一緒に飼育することは難しい。野外でチゴガニ,ハサミシャコエビ,ニホンスナモグリ,アナアオサを食べる姿を目撃した。ハサミシャコエビやニホンスナモグリなど底質中に深く潜っているものを、一体どのようにして捕獲しているのだろうか。大型のクロベンケイガニを捕食することすらあるらしい(野田氏談)。飼育下では同種間で共食いすることもしばしばある。食用にしても泥臭くて美味くない。 | ||
| ・ウモレベンケイガニ(Clistocoeloma sinensis) イワガニ科 ベンケイガニ亜科 | ||
![]() |
生息環境:河口域の潮上帯。ヨシ原内の流木やゴミなどの漂流物の下に穴居。 | |
| メモ:体全体に毛が生えており、泥が付いている。体色は泥を落としてみたことがないので良く分からないが、地味な色をしていると思われる。脱皮直後の体色は濃褐色であった。自然状態ではゴミの隙間に隠れていることが多く、その場合は造巣しないが、飼育下では泥に穴居するため、ひょっとすると自然の状態でも穴居しているものがいるかも知れない。動きが鈍く、人に見つかったり刺激を受けたりすると写真のように体を硬直させて死んだふりをする。夏期に抱卵し、大潮満潮時に水中で放仔する。雑食性。 | ||
| 蛇足:泥を身にまとい、動作も鈍く、死んだふりをし…。身を隠すことに執念をそそいだイワガニという感じがする。埋もれてなんぼのカニ。勝手に「ウモレガニ」と短縮して呼んでいる。 | ||
| 間違えやすい種:クサレベンケイガニ、スタレベンケイガニ、スダレベンケイガニ、チヂレベンケイガニ、ネジレベンケイガニ、ヘタレベンケイガニ、ムクレベンケイガニ、ヤサクレベンケイモドキ、ヤツレベンケイガニなど。(全て架空) | ||
| ・オオシロピンノ(Pinnotheres sinensis Shen) カクレガニ科 カクレガニ亜科 | ||
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生息環境:二枚貝の殻の中に寄生している。 | |
| メモ:体色は薄い褐色。体はずんぐりと丸く、目は退化しているのか非常に小さい。バカガイやアサリなどの殻の中に寄生している。写真の個体はトリガイの殻の中に入っていた。 | ||
| ・ラスバンマメガニ(Pinnixa rathbuni Sakai) カクレガニ科 マメガニ亜科 | ||
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| ・コメツキガニ(Scopimera globosa (de Haan)) スナガニ科 コメツキガニ亜科 | ||
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生息環境:前浜干潟,河口域,入江などの高潮帯。砂底に穴居。 | |
| メモ:体色は黒褐色の地に白や黄色の細かい斑点を帯びる。砂の模様に良く似ている。腹部付近は紫色を呈する。甲は「おにぎり型」をしている。干出時に巣穴から出て、巣穴の回りの底泥から有機物を濾し取って食べる。堆積物食者である。食べた後の砂を丸めた擬糞(糞は校門から別に出てくる)が巣穴の回りに散乱し、通り道以外、擬糞だらけになる。臆病で、人影が近づくと素早く巣穴に隠れてしまうため、ゆっくり観察することは難しい。 | ||
| ・チゴガニ(Ilyoplax pusilla (de Haan)) スナガニ科 コメツキガニ亜科 | ||
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生息環境:河口域や入江のクリークや中潮帯やヨシ原内。泥質分が多い砂泥底に穴居。 | |
| メモ:体色は灰褐色だが、ハサミ脚は白や淡い橙色で、腹部は鮮やかなコバルトブルー色を呈するものが多い。コメツキガニと同様に底質表面の有機物を濾し取って食べ、擬糞を作る。堆積物食。コメツキガニよりも泥質分が多い底質を好み、結果としてコメツキガニよりも地盤高が低い位置に分布する。この様なニッチの違いは、チゴガニの方が有機物を濾し取る能力が低いために生じるとされている。ヨシ原内の底質にも穴居する。造巣活動による個体間の競合やウェイビングなどの社会行動が見られるため、観察すると面白い。 | ||
| ・オサガニ(Macrophthalmus (Macrophthalmus) abbreviatus Manning et Holthuis) スナガニ科 オサガニ亜科 | ||
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生息環境:河口域や入江。低潮帯から潮下帯の砂底。 | |
| メモ:体色は砂色で、鉗脚は赤みを帯びる。鉗脚には顆粒が多数見られる。体型は「オサ(長)ガニ」と呼ばれるだけに横に長い。底質は砂質を好み、しばしば水中で活動している。食性は未確認。東京湾では本種よりもヤマトオサガニのほうが多く見られると思われる。 | ||
| 蛇足:「ゲタガニ」という地方名があるらしい。体型が下駄に似ているからだろうか。さらに、「ガン漬け(ガニ漬け)」というものに調理して食用にする地方もあるらしい。どんな味なのか、一度食べてみたい。 | ||
| ・ヤマトオサガニ(Macrophthalmus (Mareotis) japonicus (de Haan)) スナガニ科 オサガニ亜科 | ||
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生息環境:河口域や入江。クリークや泥干潟の低潮帯に穴居して見られた。 | |
| メモ:体色は全体に灰褐色だが、鉗脚は平滑で薄い褐色か灰色を呈する。雄の鉗脚は長く、雌のものは極端に小さい。体型はやや横に長いがオサガニ程ではない。チゴガニよりもさらに泥質分が多い底質を好み、地盤高が低く、干出時にも水たまりが残る場所に分布する。巣穴は平たい体が入りやすいように地表に斜めに開いており、中から吐き出された泥が一方に飛び出している。まれに入り口付近にチゴガニが同居することがある。堆積物食。 | ||
| 蛇足:オサガニ同様「ゲタガニ」という地方名があるらしい。 | ||
| ・アリアケモドキ(Deiratonotus cristatus (de Man)) スナガニ科 ムツハアリアケガニ亜科 | ||
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生息環境:河口域。感潮域最奥部の中潮帯〜高潮帯付近のヨシ群落臨縁部付近。ゴミの裏に隠れている場合と底泥に体を埋もれさせている場合があった。 | |
| メモ:体色は灰褐色で、甲と脚に細かい毛があり、全体に泥が付着している。甲は横に長い6角形をしており、中心を真横に稜線が走っている。第一歩脚が短く、鉗脚は小さい。鉗脚の先は橙色を帯びる。干出時に水たまりが残るような場所を好み、底泥表面のデトリタスをつまんで食べる。堆積物食。ゴミなどの隠れ家が無い場合には体を泥中に沈め、反り返った甲に泥を載せて隠れながら採餌する。他の多くのスナガニ科のカニと異なり眼柄が短いことから、捕食者に対する警戒が薄いと考えられる。開けた場所よりもヨシや漂流物の物陰に潜む点でイワガニ類にハビタットの性質が似ていると思われる。というか、ずばり、スナガニらしさが足りない印象を受ける。東京湾では少ないらしい。 | ||
| 蛇足:体がごついうえに地味で繊毛が多いところがミヤマクワガタやウモレベンケイガニに少し似ている。昔めかしい印象を受けたので「ムカシガニ」などと勝手に呼んでいる。 | ||
*分類,学名は「原色検索日本海岸動物図鑑(U)」(保育社)に準拠。
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