ヤマ女[2002.7.7]

次の日曜日、尾瀬に行くことになった。
土曜の夜に夜行バスで出発し、早朝に到着。それから至仏山に登るという、
超インドア派な私としてはなかなかキビシイ行程だ。
しかし、形から入る私でもある。軽登山靴を買うことになった。

〜靴探し〜
登山家が集まる横浜・桜木町のお店へ一人で行き、店員さんに事情を話す。「マッタクの初心者です!」
実はそのお店のホームページを見ていた私はどんな靴がいいのかな〜と調べてあり、
その結果、初めからナイロン地の靴の中から選ぶつもりだった。
しかし、店員さんの話を聞いていると、履いているうちに足にフィットしてきて長持ちするという
革製(ヌバックとかいう)の靴が欲しくなってしまった。しかし、ナイロン製の靴と金額の差は1万円。
う〜〜〜ん、悩む〜〜〜。何しろ高額だ。とりあえず履かせてもらった。履いたら最後な気もするが。

「どうぞ店内を歩き回って試してください」と店員さんが言うので、2階まであるお店の中の階段を
行ったり来たりしてみた。足首まである靴はやはり違和感たっぷり。慣れるまでが大変だ。
履いている間も「どうしよ〜う、高いよな〜でもかっこいいよな〜長持ちだしな〜欲しいな〜」と迷う。
だんだんと心が『買う80パーセント/やめる20パーセント』位の割合になってきたその時、
高額なモノを買う、という緊張でドキドキしてきて、しゃっくりが止まらなくなってしまった。
慣れない登山ショップでしゃっくりが止まらない...何とも情けない、心細い状態(泣)。
イマイチしゃっくりは治まらないまま、「これにします...ひっく」とアヤシイ女。
登山靴用の靴下も購入し、本日の買い物は終了。
(本当は雨具も買う予定だったのだが、靴が予算を超えてしまったので、次へまわすことに...)

〜足慣らし〜
自分の靴も買ったし、尾瀬へ行く前に足慣らしに近場の大山(豆腐が名物)へ行くことにした。
朝早く起き、家を出ようとすると、母が駅まで車で送ってくれるという。ありがたいねぇ。
この何年間か、毎年夏になると友達グループで登山をする母は、私も登山の道に足を踏み入れた事が
どうやら嬉しいらしく、「下りの時は靴はこうするのよ!」「これ持っていきなさい!」と
いろいろと世話をしてくれる。玄関でしっかりとしたリュックを背負い、軽登山靴を履いた私を見て、
「アンタも山へ行くようになるとはねぇ」と何とも嬉しそうだ。
そのとたんに自分の靴に足をひっかけコケッとよろける私...。母の顔が悲しそうな表情に変わった。

その後、実は朝から電車に酔ってしまい(再び情けない...)回復を待ってから大山へ行ったのだが、
ムリはいけないので、まずは途中までケーブルカーで上ることにした。
下社駅で降り、頂上(標高1,252m)を目指す90分のコースを歩くことにする。

...こんなの足慣らしじゃな〜い!も〜う、本当に辛い。荷物をしっかり背負っているせいもあり、
体が重い重い。軽装で登っている人がうらやましいが、来週の尾瀬のため。訓練なのだ。
しかし、本当に本当にツライ。ツライ。これしかアタマに浮かばない。ブルーーーー。
息苦しくて、まるでノドに心臓があるみたいだ。

しかし、30分ほどして汗がグワッと出ると、急に体が楽になってくる。
それまで足下しか見えていなかったのだが、周りの景色が目に入るようになる。
ああ、何だかいいなぁ。頂上の光が待ち遠しい。
なぜ山道で会うと「こんにちは〜」と言うのか分からないが、いろんな人と挨拶を交わす。
気持ちが楽になってからはまるでスタバにいる時のような笑顔を振りまいてみた。

そして頂上!あ〜〜〜!気持ちがいい!いつ引き返そうかと本気で思っていたので、喜びもひとしおだ。
心配していた靴も問題なく、足慣らしとしては大満足だ。

しかし、下りというのは、足にすごい負担だった。特に大幅な階段が多かったので、
どんどん足がヘロヘロ〜となってしまった。
しかも次の日は朝から昼過ぎまでスタバのバイト...。ふひ〜。筋肉痛だろうな〜。
まず朝、家の階段を下りられるかが心配。

(結果...朝は痛みが少なく、家の階段は落ちることなく順調に降りられたが、
時間が経つにつれ、足の痛みは増してきた。歳だからすぐには現れてこないのね。明日がコワイ...)


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