ヤマ女・尾瀬へ行く[2002.7.15]
(前回の日記)超インドア派な妹ヨシコが、尾瀬へ行くことになった。
土曜の夜に夜行バスで出発し、早朝に到着。それから至仏山に登るという、キビシイ行程。
この尾瀬行きのために新調した登山靴を履いて足慣らしに県内の山へ行ったのだが、
行く前からヒドイ目にあったのだった...。いや〜、早朝にキウイはいけないね(?)。
登山大好き!な母が近くにいるおかげで、初心者にしては妙にイイ道具ばかり揃っていく。
「後々の事を考えたら、イイもの買っておいた方がイイワヨ!絶対!」
・・・後々って、本当にまた山に行くんだろうか...?という疑問は誰もが感じるが、
まあいい。とにかく形から入るのだ。
そう、それにこの道具たち、登山じゃなくっても、普段使いだってできるかも。
何万もする(!)雨具だって、泥よけのスパッツだって、これさえあれば台風の日でもへっちゃら!
早朝のバイトにも、暴風雨の中を傘なしで歩いて行っちゃうんだからっ!
(...はい、嘘です〜この前、台風の日にバイトだったけど、父に車で送ってもらったし...
一応帰りのためにスパッツは持っていったけど、お昼にはサワヤカな風に変わっていた。いや〜残念。)
そして、尾瀬へ出発!横浜からシャトルバスに乗り池袋へ。ここからは夜行バスになる。
私は、夜行バスというものに初めて乗ったのだが、あれはイカン!
いつも通学の時、電車の中で1時間ぐっすり眠る私の事だから、絶対にバスでも眠れる自信があったのに〜。
夜行バスの一番前の席だったので、フロントガラスから外の光が直接目に入ってくるし、
しかも運転は荒いし、1時間おきにトイレ休憩だし、行きはマッタク眠れなかった。
(ちなみに、帰りはそのせいでグッスリ。おっと、ヨダレが...)
寝不足のまま朝5時に尾瀬・鳩待峠に到着。装備バッチリ。心はドキドキ。体力ヘロヘロ...。
今回の登山パーティーは4人。大人の男の人が2人(師匠&池さん)。
もうすぐ25歳の通常インドアな私。
そして、小学5年生の元気な女の子・ユイちゃんだ。
さて、このメンツをどう見るか。
師匠&池さんは確実に私よりも体力がある...まあしょうがない。
...問題は残りの二人、ユイちゃんと私だ。小学生の体力ってどうなんでしょう?
母による前評判では、子供は体重が軽いから、登山って得らしいのだ。
一方の私は、といえば、もうお肌も曲がり角の25歳。ぜい肉憎々しいこの体。
う〜ん、ヤバイよっ。『お姉さん、大丈夫〜?』とか心配されちゃうんじゃないか...。
とにかく、みんなに食らいついていくぞ〜〜〜!子供にバカにされたくないぞ〜〜〜!
...という覚悟(意地)で登山が始まった。
今回の予定では、鳩待峠という登山口から小至仏山〜至仏山〜山の鼻〜鳩待峠、
このように山を一周するコースを進むつもりだったのだが、
なんと、前々日に来た台風が原因で、至仏山〜山の鼻、この山道が通行不可になってしまっていた。
そこで、鳩待峠から小至仏山を通って至仏山まで登り、引き返してくる、というプランになった。
さあ、スタート!...歩き始めると、意外に楽な道のり。
そういえば、前回の大山の時は一番最初に急な階段が目の前にそびえ立っていて、
そこを越えたらもう既に体力がゼロになったのだった。あの時と比べると楽チン♪
しかも、大山で足慣らしをしたおかげだろう、靴に締め付けられている感じがなくなって、
とても歩きやすい。好調好調〜。
台風の時の雨のせいで、山道には常に水がチョロチョロと流れていて歩きにくいのだが、
泥よけのスパッツも付けているし、完全防水ゴアテックスの登山靴だし、へっちゃらへっちゃら。
やっぱり道具って大事ね〜。母よ、感謝。
私のライバル・ユイちゃんを見ると、ちょっと疲れてきているみたいだ。
...う〜ん、確かに子供は体は軽いかもしれないけど、慣れない夜行バス乗ってきて、
こんな朝早くから歩くんだから、子供にはキツイよな〜...
...な〜んてちょっと余裕に思っていると、私もすぐにキツくなってきた。
そんな場合じゃなかったらしい。やはり真剣勝負だ!(これを大人気ないという)
山道の途中、気が狂うほどのブヨ(?)に集(たか)られる。
ホンットに気が狂うかと自分が心配になった位、耳元でブンブンと言うのだ。いや〜!
そして、ぱたっとそのブヨがいなくなった、と思ったら
ひんやりとした空気になり、寒いくらい。
でも、寒いのも暑いのも疲れたのもオナカがすいたのも、あのアブと比べれば何でも来い!だ。
人間ってこんな風に悟りを開いていくのかしらねぇ。
初めは緩やかだった道もだんだんと急になり、岩場が多くなる。
「うわっ、来ちゃったよ、こんな危険なとこどうすんのっ」と他人事のように思いながら登る。
...普段、母が登山から帰ってくると嬉しそうに写真を見せてくれるのだが、
信じられないような危ない場所を普通のオバサン達がズンズン登っているので
「うへ〜、信じられない!私はゼッタイ行かないね〜」と散々言っていたのになあ...。
そして、小至仏山山頂到着!『小至仏山山頂』と彫られた石の前で写真を撮る。いい眺めだ〜!
...そのとき、疲れ果てたユイちゃんが一言、「もう充分だよ〜」
至仏山まで行く予定だったが、引き返すことになった。
せっかくなので、『小至仏山山頂』の『小』を手で隠してもう一度写真撮影!(セコイって)
帰り道はもっぱら下り。下りはコワイのでもっぱらカニさん歩行だ。
行きには時間が早すぎて咲いていなかった花が、帰りには咲いていて何ともウレシイ。
その先、歩くのに疲れてきてブルーなユイちゃんが2回も泥水に足をつっこんでしまい、
余計ブルーになるというピンチも訪れたが、無事に鳩待峠に戻ることができた。
「ユイちゃん、がんばったね〜!」なんて誉めてあげちゃったりして、私ってお姉さんぽいな。
(ライバル視していたくせにっ!)
そして、腰を下ろし、重い靴を脱ぐ。
「あ〜、きもちいい〜。新品だったのにドロドロだ〜でもこの方が初心者に見えないよね〜。
...あれ?...あれ?...あれーーー?」
靴の中敷きがない。ない。ないーーー!
足慣らしの大山から帰ってきて、汚れた靴を掃除して...その時に中敷きを外したまま、
そのまま尾瀬に履いてきてしまったのだった。
どーりで、靴に締め付けられている感じがないはずだ。
っていうか、ちょっとブカブカだった、そういえば(気付くの遅いから)。
せっかくチョーーー高い靴買ったのに。せっかく足慣らししたのに。
母のガックリする顔が目に浮かぶ...。
〜次回目標〜
子供と競わない・本当の至仏山まで行く・靴の中敷きを忘れない