その5 「運命の日」
私それは、春のある日曜日にやってきた。
もうスキーシーズンも終わり、いつまでも板を車に積んでおくことも出来ない。
どこに隠そう?
そうだ、タンスの上に隠そう!
あそこなら2m以上高さがあるから、下からは見えない。
これはなかなかグッドアイディア!!!
これなら少なくとも来年までは大丈夫だ。
俺って頭イイ。
さっそく夜中に家族が寝静まってから、ねずみ小僧のように足音を立てないようにして、こっそり車から板を取り出し、タンスの上にしまった。
下から見たが,まずはわからない。
完璧だ。・・・・・
完璧だったハズだ。
約一週間後、我が家の春の大掃除が始まった。というか、掃除をしているのは妻だけで、私はなにもしない。(私は家事をよくする した。新婚時代には。)
ほどなく窓掃除が始まった。
ヤバイ!妻が窓枠に乗っている。
このままではタンスの上が見えてしまう。
慌てて
「危ないからそこは俺がやる!
降りろ!
無理をするな!
たまには俺がやる。
イヤ、俺はホントは掃除が好きなんだ!」
と懸命に説得した。
あんまり熱心に言うものだから、外を向いていた妻が振り返った。
振り向きざまにタンスの上の板に目が・・・・・・
板の存在は発覚した。(しかも2本)
後は、言い訳をするのみ。