地球上の水の循環を「水文循環」と呼んでいるが、その循環の原動力は何
か。いうまでもなく蒸発現象に不可欠な熱エネルギーの供給である。もちろん そのエネルギーは太陽からもたらされる。
その太陽エネルギーは地表面の形態を反映し、赤道付近では真上から日射
を受け、極に近い地方では地平線に近い角度から日射を受ける。そのため赤 道地方では単位面積あたりの地表面が受ける熱エネルギーが多く、極地方で は少ないことになる。その結果生じる温度差を解消する方向に熱の流れが生 じる。それが海洋大循環であり、大気大循環である。大気大循環に伴って熱帯 雨林地域や砂漠(中緯度高圧帯)が形成されることになる。
温度の地域差が生じ、それを解消させる方向に流れが生じる。その水蒸気を
含む大気と熱の流れが水文循環であり、大気大循環に伴う水文循環を特に 「水文大循環」とよんでよいであろう。その水文循環の過程で水文現象の地域 性が生じることになる。
大気大循環、水文大循環の原動力となる、エンジンに相当するものはまさに
「太陽」ということになる。
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