★ 地球惑星科学としての水文学

 水循環の場は大気中と地表面、それに比較的浅い地下が中心と考えてよ
い。
 大気との関係では、水の分布が気候や気象に大きな影響を与え、また熱の
分布、移動が水の分布にも大きな影響を与えている。
 地表面との関係でいえば、地表の形態は水によって浸食、あるいは堆積現
象が引き起こされ、それによって多くの地形が形成されている。
 比較的浅い地下では、もたらされた水が地下に浸透する場合と、浸透しない
場合とでは川への水の出方が変わってくるし、逆に、水の川に出にくいところに
は河川、水系は発達しにくい。さらに地下に浸透した水は火山地域においては
熱の供給を受け温泉となり、時には水蒸気爆発を引き起こすことにもなる。地
下水の存在量の変化が火山活動に影響を与えるという考え方もある。
 水の存在は他の諸々の地学現象と相互に作用を及ぼしあう関係にあるとい
え、地球惑星科学の中でも重要な位置にあると考えられる。

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