第9回



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◆ 「后醍醐百人一首」 第9回

『吉野 de 吉野 〜 桜のシンフォニー 〜』

 2003年11月2日、後醍醐天皇の誕生日を祝っての特別企画です。 今年の4月19日、奈良県は吉野、かつて南朝の都が置かれた地で、ミッキー吉野のライヴが行われました。 春の夜、灯火に浮かび上がった蔵王堂での、霧に包まれた幻想的なライブの様子を、Piyoさんとのりさんが当時BBSにレポートしてくれました。
 後日、そのレポートを読んだBroさんが、

「すごくいいレポなんで、なんかBBSで過ぎていくのがもったいない気がして」

 と、二人の書き込みを、なんと時系列にひとつのレポートにまとめてメールで届けてくれたのでした。

 「Piyoさん、のりさんに敬意を表しつつも、勝手に編集して読んでます。 楽しんでます。」(Bro)

  そんなBroさん編集のレポートに、ライヴに寄せられた短歌を添えて、ここに贈ります。

                                   

 ◆ 後醍醐天皇に捧ぐ




 朝から、小雨模様。 吉野の桜は、残念ながら、もう、葉桜。 
 雨空のため、暗くなるもの早く・・・ でも、寒さは、まだ、ましでした。

 後醍醐天皇陵の前で、たたずんでいたら、遠くから、『Our Decade』の中のあの名曲のイントロが聞こえてきました。

「あ、リハーサルしてる・・・」

 そして、

 "You can be a Star, yes a star overnight〜♪"

 と、歌い出し。 

 『この場所で、この歌を聞くなんて』と思うと、鳥肌が立ってきて、涙がこみあげてきました。


 18:45 夕闇に雨で周りが霞んでいます。
      なぁんか幻想的です。
 


第10回
世界遺産登録推進事業

「桜のシンフォニーin蔵王堂」

ミッキー吉野コンサート

2003年4月19日(土)

@金峯山蔵王堂(奈良県吉野町)




中千本と奥千本の間くらいにある蔵王堂。 
残念ながら、花の盛りは過ぎた頃でした。
ライヴの前に後醍醐天皇陵の「塔尾陵」に詣でてから会場へ。 
後醍醐天皇はどんな風に今日の演奏を聞かれるのでしょうか。


◆ 灯火に思いを込めて・・・






 客席でまったりおしゃべりしてたら、スタッフさんに

「はい、ロウソクつけて!」

 とチャッカマンを手渡された^^; ライヴ前にも、息せき切って仁王門へ駆け込んだら、

「すいません、人手たりないんで、点火お願いします!」

 と足止め、もとい頼み込まれ、人を待たせてるのに〜と焦りつつ、濡れてなかなか点火しないロウソクと格闘してきました。 

 でも、2003本の明かりのうち、30本くらいは自分が灯したんだと思うと、けっこう嬉しかったですよ。


 蔵王堂には、参道や石段にロウソクが灯され、夜の風景に神秘的にゆれていました。

19:44 ミッキーさん到着!
 
ご自身のサイトにも書いてらっしゃいましたが風邪気味。 マスク姿。

20:03 雨があがりました。

20:20 開演です。


 ライヴは、全体的にスローテンポで、荘厳的な雰囲気に解けていました。音もストリングス系の音色で、オーケストラ演奏を聴いているような始まりでした。





静かなイントロから

 ”Don't look so sad, things aren't so bad,・・・” と、「A Hundred Years From Now」 の歌い出し。

 そのまんま、ゴダイゴ再結成ライヴのオープニング曲だった「Purple Roses」へ。 ゆったりと、重厚なメロディが流れていました。

 ミッキーさんと竹越氏がストリングスを1フレーズずつ交替で弾く姿、このふたりの共演って、お互いの呼吸を確かめながら音を紡いでいくような繊細さがあるんですよ。

 「Purple Roses」といえば、舞台版『ガラスの仮面』ですが、聞くところによれば、吉野は“紅天女の里”のモデルになった場所だそうで。 こんなところでもつながってるんですねー。







 テンポが、がらっと変わってミッキーさんお得意のファンキーなリズム。

 曲は・・・・ん?わらべ歌??

 吉野地方のわらべ歌で「お寺の花子さん」

 続いては、

 「Everlasting Love Ship」

 「Lighting Man」


 この時、会場に靄(もや)が、立ちこめてきました。 さながら、天然スモーク。 

 ロウソクの炎は、なお、ほんわりと浮かび、夢々しい風景でした。



◆ 吉野発、世界紀行  〜 後醍醐 から ゴダイゴ へ 〜




ミッキーさんのMC。 

「次の2曲は、竹越君が、生まれる前の曲です。」と・・

   「If You Are Passing By That Way」
   
   「Cherries Were Made For Eating」


 「後醍醐天皇は、中国を目指していたと、
     ゴダイゴが中国へ行ってから知りました。」


 との、MCに続いて・・・
 
  「The Birth Of The Odyssey」
 
  「Monkey Magic」
 
  「Gandhara」




  竹越氏のオリジナル曲で、

 「銀色小雪」 

 ♪”小雪舞い落つ、如月に・・・”

 という、歌い出し。

 冬の歌なんですが、 桜の散り乱れる様子が、歌のイメージにぴったりでした。

 肌寒い会場で、 暖かい春を待つ歌と、柔らかいメロディが、優しい雰囲気にしてくれました。


 続いて「Return To China」

 この熱演を聞いて、浴衣姿のお母さんたちが

「いい曲ねー、これ! なんていう曲?」

 と興奮の面持ちで語り合ってたのが印象的でした。

 あのお母さんやお坊さんたち、境内の玉砂利を蹴散らして遊んでた子供たちの心にも、ミッキーさんと竹越氏の演奏が静かにしみ込んでいたらいいなあ。

 「空海(弘法大使)は、中国の土とインドの土と日本の土を合わせて、仏像を作った。僕は、中国の音と、インドの音と、日本の音を合わせた音楽を作りました。」

 と、流れ出したイントロは、ChineseともIndiaともJapaneseとも言いつけない、なんとも不思議な音楽でした。






そして、「Leidi Laidi」・・・それに続いて、また、和風の音、例えば琴のような音や、尺八のような音、 それにインドのシタールのような音、メロディは中国風。 本編ラスト「Wonder, Understand」

 「Leidi Laidi」の、様々な音色をとり混ぜた、緊張感あふれる演奏から一転、おりしも山から流れてきた霧のごとく、たおやかに穏やかな演奏で―-

 ──さながらミッキー吉野版「Amazing Grace」でした。

 そして、袈裟姿のお坊さんも熱烈拍手のアンコールに応えて、

 「Try To Wake Up To A Morning」


  竹越氏の澄んだ高音が心地よかった。


 優しいストリングスの余韻を残しつつ、約1時間半に及ぶ蔵王堂コンサートは終了したのでした。





◆ 『吉野 de かずゆき』  もうひとりの主人公




 Piyoさん、のりさん、ステキなライブレポを、そして、Broさん、編集ありがとうございました。 Piyoさんからは、画像の提供もいただきました。 併せ御礼申し上げます。 それから投稿子のみなさんも、いつもありがとうございます。

 てなことで、このままじゃ、今回YAJはなにもしていないではないか!と言われかねないので(笑)、 『吉野de吉野』の、もうひとりの主人公、竹越かずゆき氏を招いて特別インタビュー敢行です。

 竹越さんと言えば、ゴダイゴ・コピーバンドBUDDYのリードヴォーカル&キーボーディストとしてゴダイゴ・ファンの間では、広く認知されている御仁。 最近では、ミッキー吉野プロジェクト『GODIEGOART ENSEMBLE』に参加するなど、Gの遺伝子を次世代に伝える重要な役割を担っているG界期待の若手の星です。 

 桜のシンフォニーの当日の様子や貴重な体験談をお楽しみください。
 




『吉野 de かずゆき 〜 桜のシンフォニー特別インタビュー 〜 』


◆ このライヴに臨むにあたっての、当時の心境などお聞かせください。


 このライヴについては、今年の初めくらいからお話を聞いていたのでずっとワクワクしてました。 それが段々ソワソワに変わって・・・(笑)。

 ミッキーさんとのデュオはこれが2回目。 しかも人生初の野外LIVEでしかも厳粛なお寺をバックにということもあり自然と気は高まっていきました。

 当日は、ミッキーさんが他の演奏会場から駆けつけることになっていたので先にひとりで入念なサウンドチェックをしました。 普段は音楽をやる場所ではないのに結構音響が良かったのには驚きました。
 山の中なので空気はきれいだったですが、予想以上に寒かったです。 念のため持ってきた長袖のジャケットがなかったら大変でした。



◆後醍醐天皇が朝廷を置いたという歴史的事実はご存知でした?


 もちろん!事前に青年会の皆さんからもその地域や歴史のお話をたくさん聞かせて頂きました。
吉野、後醍醐、奈良・・・何かありますね、きっと。

 ミッキーさん到着で雨が止むのも・・・何かありますね、きっと。



◆ さて、いよいよ開演。 今回のセットリストは・・・?


 選曲はミッキーさんです。

 「A Hundred Years From Now」をはじめ、状況にぴったりで、鳥肌立つ瞬間がたくさんありました。
 「お寺の花子さん」は主催者の方々がご当地ソング、わらべ歌として送ってきた数曲の中から一曲選んで、このLIVE用にミッキーさんがアレンジしたものでした。



◆ 会場では、靄(もや)がかかってきて、非常に幻想的だったそうですね。


 天然の霧(?)や光の加減も手伝って、ステージからも本当に神秘的な眺めでした。

 とは裏腹に、実はステージといっても雨の都合で予定していた下の特設の舞台ではなくお寺の屋根のある場所に変更になったので、そこが少し前に傾いていてふたりで足で踏ん張りながら演奏していたのでした。



◆ 神秘的な眺めの中、ご自身の曲も演奏されましたね。


 「銀色小雪」に関しては、

 「竹越の曲も何かやろう。」

 とミッキーさんに言って頂いて、去年、GENTAさんのLIVEでも歌って、ミッキーさんもご存知だったこの曲が選ばれました。
 雪の曲だけど春の舞い落ちる桜に例えて・・・と。

 もともと以前からバンドでやっていた曲ですが、このときが初披露となったキーボード・デュオでの荘厳で、また柔らかな感じが、ホントに心地よかったです。 あんな素晴らしいシチュエーションで演奏出来たことも一生忘れないでしょう。


 今回、自分に関した歌が詠まれていますが、なかなか貴重な経験で、不思議な心境ですが、とても嬉しいです。 よい句がたくさん浮かびそうな本当に情緒あふれる雰囲気だったと思います。



◆ このライヴの演奏で、印象的だったことは?


 全体的にキーボードENSEMBLEの可能性を感じる曲でいっぱいでした。

 僕が歌うのも恐縮なのですが、春をイメージして演奏した、「If You Are Passing By That Way」 「Cherries Were Made For Eating」などはバンド演奏とは違う雰囲気で、またとても新鮮でした。
 一方、「The Birth Of The Odyssey」 などのハードな楽曲の緊迫感に、気持ちも高揚しました。



 それにしても、ミッキーさんの音楽・・・ 欧米、中国、インド、日本、宇宙、未来・・・と、このたった数曲の構成からも、いろんな世界観を生み出せるのって、一層・・・一生憧れます!








 竹越さん、貴重なお話をありがとうございました。 これからの活躍も心から楽しみにしています。  ゴダイゴ・スピリッツを、若い感性で、次の世代へと歌いついでいってください。
 
 みなさんも、彼の活躍に大いに期待しましょう。







◆ 余韻・・・ Piyoさん終電に飛び乗る



 「Leidi Laidi」に続いて、一体どんな曲が始まるんだろう?・・・・・と、思ったその時でした・・・・・

 友人「・・・今、行かないと、終電間に合わないよぉ!!」
 Piyo 「え?今、何時?? 電車って・・・」 

  まだ、夢の中の私。
         
 友人 「これに乗らないと帰れないよ!」
 
 と、突然、夢の世界から現実に引き戻されたのでした。

 そして、走る走る、駅まで20分。 そもそも、ロープウェイで5分もかかる山の上。 そこからまだ、徒歩で10分って場所なのに、とてもじゃないが、間に合いそうにない。 ツヅラ折の道をそれはそれは、猛ダッシュ。
 あんな、ダッシュで走ったの、いつ以来かなぁ??

 終電に間に合わなかったら、って、焦りもあったけれど、演奏の途中で、席を立つのは、もっと、ツラかった。

 22時06分発の最終電車に、滑り込みました。
 (ホンマ死ぬかと思ったよぉ・・・・)








(上記ライヴレポに添えた短歌の元歌は以下をご参照ください。)
◆ 湯上りに宿を立ちいでて来てみれば 灯火手伝う春の夕暮れ   − 良心法師 −
    70  さみしさに宿を立ち出でてながむれば いずこも同じ秋の夕暮れ     良進法師 

◆ 奥山に玉砂利踏みわけ聞く曲の 音聞くときぞ春は楽しき  − 春丸太夫 −
    5 奥山に紅葉踏みわけ鳴く鹿の 声聞くときぞ秋は悲しき     猿丸太夫

◆ もろともにあれれと思った童謡風 花子の曲とは知る由もなし − 前大僧正花尊 −
    66 もろともにあわれと思え山桜 花よりほかに知る人ぞなし  前大僧正行尊

◆ 蔵王堂 吉野の桜散りにけり 代わりに霞 立たずもあらなむ    − 権中納言僧房  − 
     73 高砂の尾の上の桜咲きにけり 外山の霞 立たずもあらなむ  権中納言匡房

◆ 夜もふけ 蔵王と霧と灯の前で 吉野と共に 弾けるかずゆき  − 坂道尾道 − 
     31 朝ぼらけ 有明の月と見るまでに 吉野の里に ふれる白雪  坂上是則

◆ 冬すぎて春きにけらし 銀(しろがね)の小雪舞い落つ雨の吉野山   − 八持統天皇 −
      2  春すぎて夏きにけらし 白妙のころもほすてふ 天の香久山     持統天皇   

◆ 大陸の西より伝わる悠久の 音ぞ紡ぎて曲となりぬる     − 編曲院  −
    13 筑波嶺の峰より落つる男女川 恋ぞつもりて淵となりぬる     陽成院

◆ 春の夜の夢ばかりなる演奏会 かひなく経たむ時ぞ惜しけれ    − 周防内寿 −
     67  春の夜の夢ばかりなる手枕に かひなくたたむ名こそ惜しけれ    周防内侍

 ◆ 夜をこめて吉野弾く音(ね)は聞きたくも よに終電の時はゆるさじ  − 終電納言 −
      62  夜をこめて鳥のそらねははかるとも よに逢阪の関はゆるさじ    清少納言




 みなさん、ご協力 ありがとうございました。


 「いや、ほんと、お二人に感謝!」 (Bro)


 私は、Broさんにも感謝! 竹越くんにも、感謝! (YAJ  2003 Nov. 02 )



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