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濁流富士川は、さっそく軽快に我々を大自然の懐に導いていってくれる。右側の里山の木立の枝には大きなサギが4羽、絵に描いたように佇んでいる。我々の接近に気づいて上流の方から順々に、大きな翼を広げ、ふわりと次の枝へと移ってゆく。かと思うと、こんどは濁った流れの中から、ピョンと小さな鮎がオープンデッキのダッキーの中へ飛び込んで来たりする。
普段、ひと目にさらされない川の流れは思いのほか自然が豊かだったりするのだ。
そうした自然を眺めつつ、時には荒瀬の波に息をのんだり、前席のマッツンに時々、指示を出しながら流れをこなし下ってゆく。
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待ち受ける不幸を知らず微笑む二人 |

気合を入れるTOM |
ところで、マッツンに落ちついてパドリングを教えるのは初めてだろうか? 女性隊員No.1の出撃回数を誇るマッツンだが、ペアを組んで下ったことがない。 そもそも、ほとんど、ゆっくり教わっていられる状況ではなかったのも事実。 彼女の処女航海はカータのファルトの前席に乗っての激流多摩川。2回目は鍋男ササヘーと組んでの久慈川。3,4回目は女性同士、あるいは一人舵で、これまた難易度の高い五十嵐川、利根川だった。回数はこなしている。パドリングもそれなりに出来ている。しかしリバーツーリングの基礎がまだ分かっていないと思う。そこで今日は“流れを読む”ことに重点を置いて即席ツーリング講座をしながら下る。
隠れ岩による波の特徴、ザラ瀬に出来る波と三角波の違い、浅瀬とメイン・ストリームの見分け方・・・ リバーツーリング中は、目を見張り、耳をすませ、五感を使って川の流れを読んで、予想される危険を回避しなければならない。僕もはじめファルトボートから入ったものだから、隠れ岩や底を擦るような浅瀬には敏感になっている。お蔭で、どういう波の下がどうなっているか、だいたい見当がつくようになった。川の蛇行の仕方を見れば右サイド、左サイドのどちらを通れば良いのか凡その判断がつく。河岸の形状からも流れが予想出来たりもするものだ。
そんなことをマッツンや、途中で交替したまーこに、教えながら流れをこなしていく。
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