EPISODE12.
濁流・激流、富士川の夏、日本の夏!
第1章 味噌汁級 富士川!

 
 今年の夏は暑い!平均気温で2度近く暑いらしい。弊社グループ系の某シンクタンクの研究員さんによると、ここ数年、夏の平均気温が1度上がると、クーラー、ビールなどの季節関連商品の売上が4.8%伸びるという法則があるらしい。 だから今年は8%以上の伸びが期待できるとか。日本経済復興の為には多少の暑さも我慢しようと思う今日この頃。

 それにしても暑い。しかし、我々はそんな暑さを楽しむ術を知っているの。夏こそカヌーなのである!

 8月、最初の週末。灼熱の太陽に焼かれながら東名高速を一路富士ICへ向かうカータ号。カータ、ミャータ、僕のいつものメンツ。都内を抜けるのに実に5時間が経過している。カータの最新カーナビを駆使し、首都高に乗ったり降りたり、渋滞を避けつつ住宅街の路地を抜けて先を急ぐ。東名高速に乗って、やっと厚木の近くから流れがスムーズになってきた。箱根越え、車線が上下に分かれた所、左下の車線に黄色と赤のカヌーを積んだTOMの車が見えた。やっと追いついた。


渋滞では活躍の
カータのカーナビ

時間セーブのため
朝も昼も車中食!

TOM’s TERANO


 向こうは今回女性をピックアップしつつの先発隊、乗員はTOMに、ナオ、マッツン、まーこの
4人組。TOMは去年の五十嵐川以来、マッツン、まーこも去年の利根川以来、ナオ嬢にいたっては98年の魚野川以来、実に2年ぶりのツアー参加であった。しかし、ナオはその間スクールでコソ練を積んでいたとの報告は受けており、今回は、そのスクール仕込みのパドリングの披露が楽しみであった。

 富士ICで高速を降り、富士川に沿って北上する。

 ようやく現地に到着したのは夕方4時前。予定していた目的地よりもかなり下流であるが、ナオ嬢が、今日一日の参加予定なので、これ以上川を遡っているとツーリングしている時間が無くなるということで、適当な所をスタート地点と定めて出発することに。下流のゴール地点の設定をカータとTOMに任せ、ふたりに車を廻送してもらっている間に、さっと準備を進める。

 やっとたどり着いた富士川は、我々の目の前で、真っ茶色にトウトウと流れていた。上流部で大雨があったらしく土砂を含んだ濁流となっていた。まーこ曰く
「味噌汁級に濁った川」
 であった。

まずは、パドリング講習(毎度、毎度 ^ ^ ;)


いきなり独り舵のまーこ

 いつもはこんなことはなく、水量は普段の倍はあるそうだ。これは、後にミャータが近所の農家のおじさんから聞いた情報である(なんで、ミャータが農家のおじさんとお喋りしたのかは、後に語る)。

 とにかく夕暮れ前、今年初の男女混合フンドウズ出発である。カータは自艇“ゲンゴロウ丸”で、ミャータは“ニシキゴイ”、TOMは“ゴリ・バナナボート”。クロスファイヤーをナオに貸与。スクール仕込の腕を見せてもらおう。まーこがダッキー“サファリ”に先ずは単独で挑む。そして僕は、マッツンを二人艇ダッキーの前席に乗せ、いざ出航!



 


 濁流富士川は、さっそく軽快に我々を大自然の懐に導いていってくれる。右側の里山の木立の枝には大きなサギが4羽、絵に描いたように佇んでいる。我々の接近に気づいて上流の方から順々に、大きな翼を広げ、ふわりと次の枝へと移ってゆく。かと思うと、こんどは濁った流れの中から、ピョンと小さな鮎がオープンデッキのダッキーの中へ飛び込んで来たりする。
 
普段、ひと目にさらされない川の流れは思いのほか自然が豊かだったりするのだ。
 そうした自然を眺めつつ、時には荒瀬の波に息をのんだり、前席のマッツンに時々、指示を出しながら流れをこなし下ってゆく。


待ち受ける不幸を知らず微笑む二人

気合を入れるTOM


 ところで、マッツンに落ちついてパドリングを教えるのは初めてだろうか? 女性隊員No.1の出撃回数を誇るマッツンだが、ペアを組んで下ったことがない。 そもそも、ほとんど、ゆっくり教わっていられる状況ではなかったのも事実。 彼女の処女航海はカータのファルトの前席に乗っての激流多摩川。2回目は鍋男ササヘーと組んでの久慈川。3,4回目は女性同士、あるいは一人舵で、これまた難易度の高い五十嵐川、利根川だった。回数はこなしている。パドリングもそれなりに出来ている。しかしリバーツーリングの基礎がまだ分かっていないと思う。そこで今日は“流れを読む”ことに重点を置いて即席ツーリング講座をしながら下る。

 隠れ岩による波の特徴、ザラ瀬に出来る波と三角波の違い、浅瀬とメイン・ストリームの見分け方・・・ リバーツーリング中は、目を見張り、耳をすませ、五感を使って川の流れを読んで、予想される危険を回避しなければならない。僕もはじめファルトボートから入ったものだから、隠れ岩や底を擦るような浅瀬には敏感になっている。お蔭で、どういう波の下がどうなっているか、だいたい見当がつくようになった。川の蛇行の仕方を見れば右サイド、左サイドのどちらを通れば良いのか凡その判断がつく。河岸の形状からも流れが予想出来たりもするものだ。

 そんなことをマッツンや、途中で交替したまーこに、教えながら流れをこなしていく。

  

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