EPISODE12.
濁流・激流、富士川の夏、日本の夏!
第4章 富士川のガントレット! 


 昨日に引き続き晴天。今年のツアーはお天気に恵まれている。“嵐を呼ぶ男”@“低気圧ガール”Aも、今やすっかり改心しているとということだ。


フンドウズ独占キャンプ場なのだ!

さぁ、2日目もがんばるぞ!


 昨日の都内大渋滞を鑑み、昼にはツアーを終了して帰路に就こうと、7時に起きてサッと朝食をとってスタートする。ナオが帰ったので今日は、各人一艇での出航だ。いざ、挑まん富士川2日目!

 今日も、昨日に引き続き川は濁流となって流れている。太平洋に向かって流れ行く富士川、正面からの陽射しを受けて、進め、フンドウズ!

 
 水が濁っていようが、なんだろうが、晴れて気温が高く水量が豊富で周りに自然が豊かなら、なーんも文句無しなのである。今日も快適な川下りである。

 フンドウ・レディスも、銘々が思い思いのコースでツーリングを楽しんでいる様子。誰もいない自然のフィールドを自分の舵ひとつで自由にコースを選んで下れるのがリーバーツーリングの醍醐味。
 
 それでいて向かう目的地は同じという一体感、そして避けては通れない激流での「沈」体験の共有。


 楽しや、カヌーツーリング!


濁流なれど、快晴の下、2日目のスタート!


孤高に進むマッツン艇

TOM、今日も元気いっぱい!

今日は暑いね〜

まーこも、頑張る!

空も、河岸の緑もまぶしい

水上休憩で語らう一行


 さて、大きなカーブを過ぎたところ、前方にラフティング・ボートが見える。右岸から漕ぎ出したように見えたが、ラフトが出てきたということは、おあつらえ向きに流れが荒れてくるということだろうか?

 前方に橋が見えて来た。やがて瀬の到来を告げる轟音が響いてくる。先を行くラフトが、ドカンドカンと跳ねている。昨日、橋の上から見たとき数艇のロデオボートが瀬遊びをしていたポイントだ。体制を整えて、いざ突入である。


ラフとボートに見守られながら漕破してくる面々

 先頭YAJ艇。けっこうな大波。瀬の幅は大きくそれだけ波に力がある。女性陣にはちょっとキツイか、と思いつつ瀬を抜けて反転。次々に瀬に突入してくるフンドウズ達を見守る。

 女性陣もそれぞれのコース取りで瀬に挑んでいる。見事、全員突破である。ダッキーの二人艇のまーこはデッキいっぱい茶色の川の水を湛えながらの漕破である。


@嵐を呼ぶ男 ・ ・ ・ ミャータのこと。 EPISODE4(未公開)で、その詳細は語られることになっている
A低気圧ガール ・ ・ ・ マッツンのこと。  EPISODE7(久慈川編)で、登場。
 


 橋を越えて、左岸に寄せて休憩。というか、いきなり次の難関がゴウゴウと瀬音を轟かせて、我々の無謀な突入を待ち受けているのであった。左岸から全員でスカウティング。

 大きな中州、というより、岩で出来た断崖絶壁の島が、ここで富士川の流れを2つに分断している。更にその左の流れはその中央に大岩を従えたものすごい難易度の高い流れになっているのであった。先に行ったラフトも波の中に見え隠れしながら、飛び跳ねるように大岩の向こうに消えて行った。大岩にたどり着く手前の落ち込みも激しく、ここで沈すると辛いな、って感じなのである。
いざ、挑まん、富士川のガントレット(大試練)B


右へ傾くのを必死に堪えるYAJ!
 
トップは僕。なにしろ岩を回り込んだ向こうが見渡せないので、先に行ってレスキュー体制を取らねばならない。


 滝のような落ち込み。白濁した茶色の富士川。ちょっとカプチーノ状態。トレビアン! 右サイドから斜めに左の流れ目指して漕ぎ抜けようとアプローチ。落ち込みに入った瞬間、右からデッキに被さる大波に艇を大きく傾かされる。咄嗟の右ブレイスで立て直す。

 右に傾いた艇はそのまま瀬の脇の右岸エディに舳先を向けていた。ここから左の流れへの突入は無理と判断し、このエディで体制を立て直そうと回り込んだ瞬間、スターンを流れに取られて沈! エディに入るときの艇のリーン(傾斜)不足によるこの手の沈は、何回目であろうか。自分でもエディに入れたと思って安心してるものだから、ハズカシながら、とっても慌ててしまうのであった。


 と、いう言い訳を心の中でつぶやきつつ、ロールを試みるが、流れの中での成功率は、限りなく0%! 慌てて沈脱(情けなし!)。その時、艇は再び瀬の流れに揉まれて大岩に向けて流れ出しているのであった。

 あっぷあっぷと大岩に張りついて、左を見る。まだまだ、ザンザンと白波が立って瀬が続いている。右は?よく見えないが、左にくらべ穏やかな気配。岩の右に船を押し出して自分も岩を回り込もうとしたが、果たせず、無残にも人間一人、パドルを握ったまま“裸一貫”激流の中に呑まれて行ったのであった。


 白濁した瀬の中ではライジャケの浮力も役立たないことは百も承知。流れが落ちつくまで、キラキラした泡を眺めながら水面下を流されたのでした。


 明日はわが身を見送るTOM選手


 大岩のこちらは、なんとも静かな瀞場。先ほどの喧騒がウソのよう。右へ流した愛艇もゆったりと流れて来ていた(やはり右へ行ったほうがよかったみたい)。 カヌーへ泳ぎついてなんとか着岸を試みるが、右岸は切り立った絶壁。右岸を目指すが左岸エディの反転流に捉まってなかなか脱出できなかった。先に行ってこの瀞場で、岩からのダイブなどを楽しんでいたラフトが近づいてきた。ツアーのようだ。インストラクターの外人さんが声をかけてくれる

「ダイジョウブ? オトモダチ、タスケニクル?」

「大丈夫、 来てくれるから」

 と、言ったが、次のミャータがクリアしたものの、続くTOM、カータ、マッツン、まーことみんながみんな岩の向こうの瀬で轟沈を食らって、土左衛門よろしく次々と力なく流されて来るのには参った、参った。 誰一人“タスケニクル”状態でないのだから!

 

Bガントレット ・ ・ ・


メリル・ストリープ主演の「激流!」という映画のクライマックスシーンの大激流のこと。 カヌー乗りならこの映画は必見! 自宅でリバーツーリングの醍醐味が味わえます。 未熟なフンドウズは、どこの川でも、ガントレット気分を味わっております。

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