EPISODE12.
濁流・激流、富士川の夏、日本の夏!
第5章 レディス、轟沈を語る! 


 ただ一人生き残ったミャータには、次に流れてきたTOMのレスキューを頼み、自力で右岸に漕ぎつけた。岸から見てると、カータが大岩に激突して轟沈している姿が見えた。左の激流を

「ワハハハー、やってしまいましたー!」

 と元気に流れて来ている。 マッツンもスっ転がって流れてきた。左岸よりに流れてきた二人は無事に左岸にたどり着いた。一番苦労したのは、まーこだろう。私も、コトの顛末は下流で奮闘していたし、大岩で見えなかったので、その時の様子は、ご本人に語ってもらうとしよう。

(まーこ談)

 さてさて、私の「撃沈」についてですが・・・ ほんと、ひどいもんでした。そもそも、実力がない上に、あの水の出ないカヌーCでトライしたところが身の程知らずでした。


 一番の激流のところありますよね、一瞬滝状態(に私には見える)、流れがゴウゴウとしているところ。あの激流に突っ込み、案の定ザブンとカヌー満杯にまで水浸し。アレレと思っている間にカヌーが完全に左を向いてしまい、その状態で流れに押されて結局転覆。スタートからわずか10秒ぐらいの世界でした。

 パドルを流した前科Dのある私は、何が何でもこれだけは放せまいとしっかりと握り締め、とりあえず流されました。あれだけ水流がある割に、水深は浅く、大きい岩が当たる当たる。そんな状態でも結構冷静で、

「流される時って、頭と足、どっちを下流にするんだっけな?」


などと悠長に考えていました。

  (フムフム、ちゃんと教えたデフェンシブ・ポジションを意識してるな)

悲惨な体験を明るく
話してくれるまーこ嬢


身振り手振りで懇親の説明!(笑)
 が、そんな私の前に危険が(笑)!

 みんなには記憶にないかも知れませんが、あの激流部分がちょうど終わった右端近くに岩があったんですよ。幅1メートル、水面上の高さ80センチぐらいの小岩が!(あのでかい岩ではありません)。

 このどうでもいい岩が曲者。ちょうど流され、その岩をつかんだ私の後ろにカヌーが流されてきたんです。

つまり、岩ー私ーカヌーのサンドイッチ状態!

 すぐにカヌーは下流に流されると思ったら、カヌーの丁度真ん中に私と岩があるため、支点状態でカヌーの左右に均等に水が当たっており、びくとも動かないんです! わたしは岩に掴まって一休みのつもりが、恩知らずな?カヌーに圧迫死させられる危機に瀕し、さすがに“こいつはまずい”とあせりましたね。

 
(おお、こんなブローチングもあるんだ! がんばれ、まーこ!)

 パドルを握り締めながらも、全身の力を振り絞り、カヌーを左に押し出す。が、重い。えーん。しかし頑張る。勢い良く押し出したらようやく、のそりとカヌーが動き、すぐに流れに乗って下流へ。そして私も一緒に下流へ。ほっ。

 その後大きい岩に激突しながらも とりあえず下流へ。ライフジャケットが大きかった為、水面に浮いてるとはいえ顔は殆ど水中に沈んでおり、そんな中、 早く岸へあがろうとあせって岩に掴まろうとするものの、足が完全につかないほど深い流れで、しかも水面は穏やかな割にすごい流れが速いので、上手くコントロールできず浮いたり沈んだり。 結局激流ゾーンより こちらの方が、無駄なあがきをしたせいかすごい水を飲んでしまいました。


 

C水のでないカヌー ・ ・ ・ まーこの乗ったダッキーはセルフベイラー(自動排水システム)のないファミリーユースの船だったのです
Dパドルを流した前科 ・ ・ ・ EPISODE09 五十嵐川。 まーこの初ツーリング。 初ツアーがあそこじゃあ、無理ないわなぁ(笑)


 視界の端にYAJさんが見える。あ、カータ君もいる、と思いながらもなかなか左に寄れず流される私。そこへYAJさんの声


「パドルを渡せー!」

 私はすっかりパドル伝いに引っ張ってくれるものと思って一生懸命手を伸ばすのですが あと一歩で届かなかったですよね。

「いいからパドルは放して!」

 とまたYAJさん。

あら、私じゃなくてパドルなのね、
と がっかりしながら(笑)とりあえず死守したパドルをYAJさん側へ流しました。

  
(違うんだよ〜!パドルを放せば、両手が自由になって泳げると思ったのさ

 残るは私。どうしましょう、と朦朧とした視線で前を見ると、じゃーん、ラフティングのボートが!!

 助けてもらえるなどと思わず(というか、この時点ではもやは何も考えていなかった)流されるままに近づくと、インストラクターの手が左右から延び、ずずず、とボートへ。そのすぐ後 あの大きなカヌーもラフティングボートの上引き上げられました。ようやく

「あ、助けてくれたんだ・・・」

 と判りました。すごい大量に水を飲み、水面であがきつづけたので、私は肩で息をする状態。そんな私は、ラフティングの客からすると“川に流されてる捨て犬を拾った状態”。みんなの目が妙に冷静でした。多分彼らは、あの後

「ラフティングは楽しいけど、カヌーまではやりたくないよね、危ないモン」

 ぐらい言っていたのでは? が、きれいなボートを水びだしにしても、嫌な顔ひとつせず、文句も言わず待っててくれて感謝してます。特にラフティングコーチの2人は

「水飲ンジャッタ? ダイジョーブ?」

 とすごい心配してくれて、私を岸までつれていってくれ、カヌーもちゃんと下してくれて、神様状態でした。ほんとにありがとう!

 実は、このあたりの記憶は、もう曖昧なんです。思考能力ゼロ状態でふらふらしていたので。


 いや、壮絶なナイス・レポートです! やはり、事実は小説より“沈”なり!(?) とにかく、当事者に語ってもらうのがなによりなのだ。今後このツーリングレポートも、このパターンでいこうかな。

 とにかく、まーこもがんばったさぁ! 思考力ゼロ状態で、よくぞラフトに近づいていったものだ。しかもゼロの割にはこんな感想を残している:

 ところで、ラフティングのインストラクターが結構 格好よかった!! あんなヒサンな姿をさらした事が悔やまれました。

フンドウ・レディス、恐るべし!
 
 

前に戻る ・ 続きを読む


  もくじへ戻る