EPISODE 1.
信濃の地でカヌーに目覚める!
第1章 カヌー事始め 


 コトの起こりは8月の初旬に東京本社の後輩カータとミャータが新潟の我が家にやって来たことに始まる。僕が新潟に赴任する数ヶ月前に配属されてきた2年目の若手の2人だ。東京に出張に出た際にカータから

 「カヌーってどんなもんスか?」

 と質問を受けた。興味があるなら是非一度乗りに来るといいと誘っておいた。

程なくカミサンの友人が新潟に来て自然の中でのんびりしようという企画が持ちあがり一緒にどうかと連絡してみると、ふたつ返事で新潟に車を飛ばしてやって来ると言う。

(早出川でのワンシーン)

純粋にカヌーがしたくて来たのか、カミサンの友人の女性(独身)とのバーベキューにつられてやって来たのかは定かでないが、その日新潟は中蒲原郡の早出川の川原で彼らにとってのカヌー初体験を行った。

 衣岩の手前の全くの瀞場で、ほんと全くの水遊び程度のことしかしなかったのだがいたく感動したらしく、次回は是非本格的にツーリングに連れてって下さいと言うことになった。


  カヌーの水面から眺める風景、その浮遊感にはそれほど人を魅了する何かがある。

 その後、お互いに連絡を取り合いツーリング計画を進め、8月の最終週に決行することに。カータは今回のツーリングに先立ち新たにファルトボート(折りたたみ式カヤック)を購入。 二人艇にしたあたり彼の言葉をそのまま借りると

「チョー下心、ありありって感じィー」


  なのである。

 さて当日。カータ、ミャータに加えて同じ本部のカズちゃんとナオちゃんが参加。 ミャータの

「ツーリングに出る際には是非、カズさんと!」

  との強い要望が叶った形となった。 果たして彼は前回の体験を活かして颯爽たるパドルさばきを披露することが出来るであろうか?

  今回のフィールドとして選んだ万水川〜犀川は東京、新潟のどちらからもほぼ等距離にあり、なにより初心者向け。 瀬があってもすぐ瀞場があり沈の際にも泳げさえすればなんとかなるコースである。

 万水川は今年になってカヌー雑誌に紹介され俄かに人気急上昇のスポット。 出かける前にショップのオーナーから

 「最近大勢行くようになって色々トラブルとかあるらしいよ。 紹介した地元の連中がゴミ拾いとかフォローしてるらしい」

  との話も聞いた。 世の中にはミーハーが多くて困る(はい、自分もその一人です)。

 

 新潟からは事前の調べで約4時間との事だったので集合時間の11時に余裕をみて10時半ころに着けばと朝の6時過ぎに出発。 思いのほか道も空いており、 休憩・給油時間を含めて3時間程度しかかからず、9時半には最寄りの豊科ICに到着していた。

 ボーっとしててもしょうがないので早速コースの下見に出かける。まず探すは昼ご飯スポット。 幸いICからスタート地点に向かう道沿いに美味そうな蕎麦屋があったので昼はそこで摂ろうと独断。 道の駅「安曇野」の「名水そば」なんだから文句あるまい。

  次にスタート地点へ。

 第一印象

「えっ、ここを下るの?」

 と思うほどの何てことない町中の用水路。みんながっかりせんかしらと正直ちょっと心配になった。でも川原に降りてみると水は澄み、なかなかの水量。上から見た時は水が清く川底がハッキリ見えるものだから、こりゃファルトだと底を擦るなと思ったが50p程は水深があるようだ。

 でもほんと言うと、そこにもうひと組ここを下るパーティが現れなかったらためらいをかなり残しての出発となったと思う。もうひと組というのは京都から来た40絡みのオジサン二人組。 むこうは二人乗りダッキー(空気を入れて膨らますタイプのカヌー。水面を進む姿がアヒルのようなので愛称でダッキーと呼ばれる)。 すぐ先の大王ワサビ農場までのショートツーリングを楽しむらしい。一人は以前にもこの万水川を下った経験があるらしく、ワサビ農場までならわずか30分ほどで行けるだろうと、途中瀬らしい瀬もないとのこと。 こういった情報交換は本当にありがたい。

   その後まだ東京組到着まで時間があるので今日のコースおよびキャンプサイトの下見、参加の女性の事を考えて温泉探しと、まぁなんて後輩思いの先輩なんでしょ。

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