EPISODE 1.
信濃の地でカヌーに目覚める!
第5章 無事、生還  

 

 さぁ後はのんびりと行きましょう。

 ゴール手前に「快楽の瀬」と名の付いた瀬があるが「杭の瀬」をクリアしたきた我々にはただの白波。 その瀬をクリアして上陸。

 ミャータ・カズ艇がどうしたわけか後ろ向きに流れて来たが昨日と違って全員ほぼ同じ地点に上陸。
 
無事に今回の万水川〜犀川ツーリングを終えることが出来た。

 全員の生還をとりあえず祝いたいと思う。

 帰りの姨捨のサービスエリア。食事中にミャータが

 「それにしてもナオさん上手いですよね。 ひょっとして僕なんかより上手いんとちゃいます ?」

  と真剣な顔で言った。みんながツーリング途中から確信を持って思っていたことをあたかも今気づいたような口調でマジマジと語るものだから、一瞬の間を置いて一同大爆笑である。

ミャータよ、ツーリング後、僕とカータが車の回収に行っている間に君が言った




「これだけ下れたら今度は僕らだけでも下れますよね」

 という言葉に女性二人が思わず絶句したのに君は気づいていなかったようだね。しかし己を知って初めてこれからの進歩があるのであるからして、ミャータの今後の上達ぶりに期待しようではないか。


 なにはともあれ無事に済んで、しかもミャータが新艇を購入しようと決意を固めたり、ナオもスクールに入って基礎から教わろうとカズに持ち掛けるなど今回のツーリングの波及効果はなかなかのものだったようだ。

 ところでミャータ。帰りの車でも助手席のナオさんから

「右に寄りすぎ!」

 「前、ちゃんと見て!」とか

 「進路変更のハンドルの切り方が急すぎる!」

  などと指導されていたそうじゃないか。カズさんの家の前でもUターンに苦労したと聞くぞ。「操縦」全般に腕を磨かれたし! 

  でも川はそんな君をもあたたかく見守って大自然の中を流れ悠久の時の彼方へと運んでいってくれるだろう。 

だからカヌーってやめらんないのだ。



(完)


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