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プレイボートの私は方向転換もしやすいので比較的身軽に釣り糸と釣り糸の間を縫って下ってゆく。abッチも初心者のメンドウ見ながらなんとか下って来ている。
そして一人乗りが初めてのM田さんがとうとう釣り糸を引っかけてしまった。激怒する釣り人(結構若い感じの男だ)。 まあお互い邪魔せずにやるのがルールだから引っかけてしまってはM田さんは謝るしかなかろう。丁寧に腰を低くして謝るM田さん。が意外と粘着質の釣り人。なにやら説教めいたことを言い始めたか?(下流のここからでは細かい会話のやり取りが聞き取れない)。
ここでabちゃん登場。Tヶ崎君を残して上流へ向かう。ヤバイなって気はしたが、こりゃ見物という気持ちも半分。
abッチはM田さんのそばに行くと
「さぁ行こ!」
と釣師を無視して出発を促す。まぁ得策だろう。お互いに利害の噛み合わない相手なんだから遣り合っても無駄である。釣師が何か言っている。オトリのアユを逃がしたと言っているのであろう。それに対してabッチは
「こっちだって流れを失ってるんだからよ!」 (いいゾ、言ってやれ、言ってやれ!)
「謝りゃそれで終わりだろ」
と言って更にM田さんに出発を促す。釣師が食い下がる。結構しつこいな。謝っていないとでも言っているのだろう。
「分かったよ、謝りゃいいんだろぉ! ゴ・メ・ン・ナ・サイッ!」
川原中に響くような大声でabが吠える。もうその頃流れの前後の釣師は釣りそっちのけで二人のやり取りに注目である。abッチのこのケンカ腰の「ゴメンナサイッ!」に引き下がる釣師でないところが敵もさるもの。釣師の声もだんだん大きくなってきて下流の我々にも届きだした。誠意が感じられないとの反攻に出た。
「感じない? 鈍いんじゃないの!」
とabッチ。すわ、殴り合いかと思ったが、幸い両者の間には流れがある。手を出すまでには至らない。だから双方強気なのかも。
「テメェの面、覚えとくからな!」
と釣師。
「こっちもだよ! 後でナイフで刺してやろうか!」( abちゃん、それはちょっと過激すぎない?)
「そんなんに頼ってっから駄目なんだよ!」(釣師も言うねェ。)
「そりゃ、テメェだろ!」(もうこうなると意味不明。論理もなにも噛み合ってません。)
とにかく訳のわかんないことでもなんでも言い放ったほうが勝ちって感じで揚々と引き上げてくるabッチ。丁寧なM田さんは「どうもスイマセン」と一礼してなんとかその場を取り繕う形でようやく釣師から解放される。
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