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食後一時間程下ってなんともショッキングな事実に気づく。目の前に近づいてくる橋および町がどうも見覚えある場所なのだ。そう先月のツーリングのときに見事な紫陽花の花をたたえていた六日町の岸辺である。目の前には坂戸橋が迫る。午前中六日町と思って通過したのは塩沢の前島橋か旭橋だったようだ。要するに午前中は全行程の五分の一程度しか進んでいなかったことになる。
気分は「猿の惑星」のエンディングシーン、海岸で半身を砂浜に埋没させた自由の女神を発見したチャーリー=ヘストン演じるところの主人公テイラーの心境だ。
「なんだこりゃー!」
と思わず絶叫する我々。周りにいる鼻の頭と頬を真っ赤に日焼けさせてまさに猿顔をしている三人を見るにつけて「猿の惑星」気分は募るばかり(そういえばabッチは「猿の惑星」のコーネリアスに似ていなくもない)。
川原で地図を広げて計算するに、これまで実に時速わずか1・6キロの亀の歩みだったのだ。
abッチとM田さんは、もうこりゃ酒でもないとやってられんと、そそくさとビールを求めて岸へ上陸していく始末。4時間半かけてやっと全体の3分の一なんだから、なんだかもうガックリもいいところ。果たしてこの先どうなることやらとかなり不安になる。
ビールを飲みながら川原で休憩。休憩しながら順番にリカバリーやロールの練習を少し行う。最初は初心者のTヶ崎君に教えていたのだが面白そうとabッチもM田さんもロールの練習をしてみることに。勿論いきなりで出来るはずもなく、ひっくり返っては慌てふためいてカヌーの下からもがいて這い出して来る様がおかしいものだから、人のを見ては大笑い。
ビールの勢いもあってなんだか元気が出てきたので再出発となった。この先はきっと釣師も少ないぞ、川幅もあるぞ、とそれぞれに慰め励まし合いながら、行けるところまで行こうと漕ぎ出す我々であった。
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