どうする? マカトン法

1.マカトン法初級ワークショップに参加する

 ゆうじろうママは先日マカトン法初級ワークショップに参加して講習を受けてきました。
 講義のほかに、1日でステージ1~4、9の約180語彙のサイン練習があり、かなり集中力を必要とするワークショップでした。以下にワークショップで学習したマカトン法の理論、効果、特徴、指導法などについてまとめてみました。
 関心をもたれた方や詳しくお知りになりたい方は日本マカトン協会にお問い合わせください。

2001年5月12日(土) 10:00~16:00
アピオ大阪(大阪市中央区森ノ宮1-17-5)

マカトン法とは 1972年英国のマーガレット・ウォーカーによって考案され、1976年に完成した言語・コミュニケーションの指導方法。
日常生活によく使われる350語の核語彙(日本語マカトンでは330語)のそれぞれにサインとシンボルが作られている。
特  徴 ①必要最小限の語彙を
②やさしく分かりやすいサインで表し
③話しことばとサインを同時に提示しながら
④きちんとした手順で教える 
核語彙
(core vocabulary)
日常生活で頻繁に使われることばを中心に、幼児期の言語発達も十分に考慮して選ばれている。単なる語彙(vocabulary)というより、概念(concept)に近い性質を持つ。
マカトンサイン 330語の核語彙についてそれぞれ決まった手指による動作表現(サイン)がある。
[特徴]
①写像性を重視し、抽象的なサインが少ない
②片手で表すサインが多い
③手指の巧緻な動きや複合サインを極力さける
④一般的な動作で十分伝わる語彙は特定のサインを決めない
これらの特徴より、発達に遅れのあるひとたちにも覚えやすくなっている。
提示方法 トータルコミュニケーションの流れを背景として、話しことばとサインを同時に提示する方法(同時提示法)をとることにより
①口語文法の語順と一致することから一般のひととのコミュニケーションが成立しやすい
②サイン言語の使用によって発声や発語が妨げられることがなく、むしろ、疎通性がよくなることから、伝える意欲が高まり発声、発語にもよい刺激を与える。
言語指導
プログラム
文の中のキーワードとなる語だけをサインとして表現する(キーワードサイン法)。
助詞や時制の変化も基本的には用いないので、発達的に遅れたひとでも幼児でもすぐに慣れることができる。
また、マカトンサインは生活空間の拡大に合わせてステージ化(1~9)してあり、第1ステージから段階を追って学習することができる。
指導(formal)場面:言語指導プログラムを用いて第1ステージから系統的に指導する。指導の明確性と他機関との連携の簡素化が図れる。
日常(informal)場面:日常生活場面で柔軟に適用していく
マカトン
シンボル
肢体不自由児・者にとっても有効なコミュニケーションの手段として考案された、マカトンサインに対応したシンボル。
[作成基準]
①語彙とシンボルが対応している
②単純なデザイン
③描写が容易
[特徴]
①核語彙が表す言語概念の具体的意味内容を表す
②消え去らず永続性があるのでその概念を強化し続ける
③ことばやサインによって与えられたものに色や特徴などの視覚情報を付加することができる
並べ替え、置き換えなどの言語操作が可能

参考文献 日本版 マカトン法入門 (日本マカトン協会)
日本版 マカトン・シンボル集 (日本マカトン協会)
マカトン法初級ワークショップ資料 (日本マカトン協会)
英国に於けるマカトン法の実践と研究及び世界に於ける普及状況 (日本マカトン協会)
旭出学園教育研究所紀要 第6集
「マカトン法を用いての教育実践」 (旭出学園教育研究所)

2.ゆうじろうとやってみる

①個別指導 学校が終わってから、豊中市教育研究所で月2回くらいのペースでマカトンサインやシンボルの個別指導を受けています。
先生と1対1なのとサインの練習が気に入っているので、この間はとても落ち着いて機嫌よく学習に取り組んでいるようです。
家庭でのサインの使用例 最近(2001/6)、ゆうじろうはサインでニ語文を表現するようになってきたので、伝わる内容がずっと豊かになってきました。

例:(下線部分をサインで表現)
  「テレビ見る。」
  「お茶(が飲みたい)」
  「取って。」 ⇒食事中に席を立っても理由がわかるので対処できる。
  「おやつ食べたい。」
  「トイレ電気が点いている。」と、教えてくれたのにはビックリ!
③学校での取り組み ワークショップ以来、ゆうじろうとママの間でサインを日常的に使うようになったので、中学校でもサインを使うようになってきました。
基礎教室(中学の養護学級のこと)の先生がサイン線画のコピーを他の先生方にも配ってくださったので、徐々に環境が整いつつあります。
④シンボル絵本の作成 これまでは本を読むと言っても絵を見ているだけだったので、自分でストーリーが理解できる本があればいいなと思っていました。
そこで絵本の文章をマカトンシンボルに置き換えてみたらどうかと思い、家にあった「はらぺこあおむし」で試してみました。ゆうじろうも興味を示したので、もっといろんな本で試してみようと考えています。
⑤講習会への参加(ママ) 2000年12月 講習会に参加
2001年 5月 初級ワークショップ(ステージ1~4、9)に参加
2001年10月 上級ワークショップ(ステージ5~8)に参加

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