アメリカ中部、つまりアパラチア山脈の向こう(西)側、インディアナ州やイリノイ州、そしてミズーリ州などにもオールドタイムを演奏する人は多いが、なかでも日本からN・キャロライナに行くときの経由地シカゴには、シカゴ・バーンダンス・カンパニーという古くからの組織があり、多くの名ダンサーと名フィドラーがいる。
 Uncle Gryphonが紹介するCDは、両親がバーンダンスのメンバーだったため生まれたときから毎週末バーンダンスの会場に連れて行かれ、両親が踊っている間伴奏するミュージシャンたちのステージで寝かされていたという、信じ難い環境で育ったリース・ジョーンズという若手フィドラーを中心とした三人組の録音である。
 彼のフィドリングは正確、きれい、歯切れよく、メロディはっきり、リズムのメリハリしっかりという、U.Gが飛びつきたくなるものだ。きれい過ぎるという意見も一部にはあるが、この年できれいに弾けなかったらあとは下るばかり。結局一度もきれいには弾けないで終わりということになってしまう。味はこれから出てくる。02年クリフトップの、フィドル部門の予選でShortnin' Breadで決勝に残りRye StrawとChicken Reelを弾いている。Shortnin' Breadいい曲だな。シアトルのジャムが懐かしい。
 1.Rye StrawはBパートが普通とちょっと違う。音的にはこのほうが楽に弾けるかもしれない。バンジョーとのコンビネーションがいい。3.Half Past FourはU.Gが好きな曲。4.Old Molly Hareはなつかしい。NLCRのマイク・シーガーの声が聞こえてきそうだ。でも、実際に歌うと早口言葉だよこれは。6.Silver LakeはこのCD全体に流れるリースの楽器の音の特徴がよくわかる。7.All I've Got's Goneはアルバムタイトル。しゃれた曲だが、U.Gの出番はない。エド・ヘイリーをソースとしているものも多いが10.Cuckoo's Nestもその一曲。Key DでDからCに一音下がるメロディとコードが印象的。ジョン・サマーズとは違う曲。13.I'll Reap What I've Sawn 96年にリースが作った曲。聴くと弾きたくなるぞ、バンジョー。17.Bob Wills Tuneはダーク・パウエルがスネーク・チャップマン・チューンとして録音した曲。ボブ・ウィルスといえばウエスタン・スィングとなるけど彼の弾くフィドルはオールド・タイムそのものだよ。9.Camp Chase19.Old Sledgeは雰囲気でてるフィドル・ソロ。
 ギターを弾いているジム・ネルソンは、中部のオールドタイマーの間では一番売れっ子のギター弾き。ヴォロ・ボグトロッターズ、イル・モー・ボーイズといった、中部の主要バンドでギターを弾いている。ということは、オールドタイムのギタープレイヤーが不足しているって事?経験がもの言ってんだろうな。
 バンジョーのジェフ・ミラーは02年のクリフトップでリーセズ・ピーセスってバンドでバンジョー弾いて、4位を取った。余談だけど、U.Gが聴いた限りでは、決勝バンドの中で選曲といい、演奏といいこのバンドが一番よかったな。
 このCDのよさは、三人のコンビネーションの良さと選曲にあるといえるだろう。楽器のバランスもいいし、ストリングバンド特有の緊張感がある。U.Gが2001年に購入したCDではベストの一枚。フィドル&バンジョーが好きなら、買うべし。

1 Rye Straw
2 Twin Sisters
3 Half Past Four
4 Old Molly Hare
5 Blackberry Blossom
6 Silver Lake
7 All I've Got's Done Gone
8 Indian Ate A Woodchuck
9 Camp Chase
10 Cuckoo's Nest
11 Red Bird
12 Waynesboro
13 I'll Reap What I've Sown
14 Tennessee Mountain Fox Chase
15 Washington's March
16 Little Boy,Where'd You Get Your Britches
17 Bob Wills Tune
18 Brushy Run
19 Old Sledge
20 Salt River
21 Dry and Dusty

All I've Got's Done Gone

入手先は  こちらのKen's Room 8番

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−Vigortone 2000

Rhys Jones - fiddle
Jeff Miller - banjo
Jim Nelson - guitar