予定利率は預金金利ではありません

(予定利率≠預金金利)


アカウント型の保険商品の説明を受けるときに、「積立金の予定利率の最低保証は1.5%だから、預金しているよりお得」といったセールストークを聞いたことはありませんか。
その際に、
「えっ、予定利率と預金金利(利率)は同じものなの?」
と確認したとしたら、おそらくですが、
「同じようなものよ」
と、うまくはぐらかされてしまったはずです(知っていてはぐらかしたのか、知らずに誤魔化したしたのか)。

でも、実は、予定利率と預金金利は、まったく別のものなのです。
それを同じようなものというのは、「消防署の方から参りました」と言って、消化器を売りつけるセールスマンを消防署員と言い張るくらいの大間違いです。

例えば、預金は、1,000円預けたら、その1,000円に対して預金金利が適応され、預金利息が元本に付加(付利)されます。
ところが、アカウント型の積立金の場合、1,000円をアカウントに入れても、その1,000円から会社の経費などが差し引かれた金額がアカウントへの入金額となり、その入金額が予定利率で運用されることになります。
実際に、明治安田生命の
HPで確認してみると、次のように積立金(ライフ・アカウント「L.A.」)を説明しています。
■積立金について(抜粋)
積立金は予定利率で運用されますが、災害死亡保障のための費用、その他の諸経費が差し引かれるため、積立金の実際の利回りは予定利率を下回ります。

1,000円預けたら、預金額が1,000円未満になる預金(そもそも預金は、元本割れをしないものですが)なんてあり得ませんから、「積立金の予定利率は預金金利とは、全く別なもの」というべきなのです。
また、蛇足ですが、積立金を引き出す際には手数料が必要となる、その点も預金とは大きな違いです。

というわけで、アカウント型の商品を勧めるトークで、「預金をするくらいなら、アカウントの積立金がお得」と言われたら、自分の商品を知らないセールスだと思って間違いありません。
もちろん、アカウント型商品の取扱いは大手生保のみではありません。
例えば、おばちゃんじゃなくても、FPの有資格者だったとしても、正解な商品知識がないことに変わりありません。ご注意ください。

ところで、予定利率の勘違いをもう一つ。
変額個人年金や変額終身保険の場合でも、外貨建ての保険商品の場合でも、まるで予定利率を預金金利のようにアピールするセールスマンがいますが、これも間違いです。
もともと、それらの商品は投資商品であって元本確定の商品ではありませんから、予定利率だけで商品を決定することはないとは思いますが、預金をするよりもお得と勘違いする可能性は大いにあります。
でも、アカウント型の積立金と同じで、預かった保険料を全額、保険会社が予定利率で運用してくれる訳ではありません。
預かった保険料から会社の経費などを差し引いて、その残額を予定利率で運用すると言うことなのです。
したがって、利回り自体は、予定利率を下回ることになります(それも多少ではなく、大幅なことも)。

生命保険の予定利率については、下記も参考にしてみてください。

予定利率は高い方が良い?



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