俺は大声で叫ぼうとして、ハッと口を押さえた。
……いけない。 ここで大声なんか出したら、何事かと1階のやつらが上がってくるだろう。 そうしたら、俺がふたりいることになってしまい、ただでさえ殺人が起きてバタバタしているところが余計に混乱するのは、目に見えている。
俺は、とりあえず彼女のもとまで行き、背中を軽くたたいてみた。 今まで、彼女に声をかける前にいつもそうしていたように。
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